
「同調圧力」からサラリと身をかわす方法④
[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]
「同調圧力」最終回は「嫌われることのススメ」についてお話します。
普段の生活では、人に嫌われないような気遣いが必要です。
しかし、あなたが何かを成し遂げようと思うとき、
あなたは人から嫌われなければ成し遂げられないのです。
「変化」を嫌う潜在意識

泥棒は警察がキライです。
警察が、自分たち泥棒の犯罪行為を取り締まっているからです。
警察が泥棒に好かれようなどと思ったら、治安は守られません。
警察は泥棒に嫌われる存在でなければいけないのです。
同様に、組織の中でイノベーションを起こそうとする人は改革反対派から嫌われます。イノベーションとは、それまでのモノ・仕組みに対して新しい技術や考え方を取り入れ新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことです。
イノベーションを起こそうとする人は、改革反対派から嫌われる運命なのです。
この改革反対派は、必ず存在します。しかもたいてい、多数存在します。
なぜなら、人間の潜在意識は変化が苦手。「現状維持」が専売特許だからです。
変わりたくない人にとって「イノベーションを起こす人」=「敵」でしかありません。ここで「反対派に嫌われないようにしよう」と考えることは間違いです。
改革に理解を示してもらうよう努力することは、必要かもしれません。
しかし、一人の反対者もなく改革を推し進めることは不可能です。
なぜなら、潜在意識は変化を恐れ、現状維持しようとするからです。
もしもあなたが、新たなプロジェクトのリーダーになったなら、一部の人から批判され、嫌われるでしょう。でもそれこそが、新たなことにチャレンジしている証拠です。逆にあなたが全員に好かれていたら、やるべき仕事をしていない可能性があります。
生徒と友達になる先生・生徒を叱れない先生

私は教員向けセミナーを担当することがあり、教員の方とお話する機会も多々あります。ある先生が「生徒と友達のようになる教員は問題だ」「叱ることができない教員は問題だ」と言いました。
「生徒と友達のようになる教員は問題だ」というのは、先生と生徒が仲が良いのはいいけれど、友達のような関係は危険だということです。両者の関係性が良好なときは、クラス運営はうまくいくでしょう。
しかし関係性が悪化したとき、友達のような自分と同格の教師に従う生徒はいません。先生を敬う姿勢がない生徒に何を言っても聞いてもらえるはずはなく、クラス運営ができなくなるのです。
「叱ることができない教員は問題だ」というのは、「生徒からの反発を恐れて叱れない」という思考は危険だということです。
叱ることは、褒めることよりもずっと難しいことなのです。
叱らないことは愛ではない

大学でキャリアデザインのセミナーを数名の講師と担当した時のことです。
A講師の授業中、授業と関係ない他の教科の宿題をやる学生がいました。
A講師は「他のことをするなら、教室の後ろでやりなさい」とだけ言ったのです。
アシスタントから「グループワークもある授業で、別のことをやらせるのはいかがなものか」と意見があり、問題になりました。
A講師は「授業に参加するかしないかは、学生の自主性に任せています」と言いました。
これは学生の自主性の問題ではなく、講師の指導力の無さ、クラス運営の問題だと私は思いました。さらに言えば、講師が生徒を叱ることができないことが問題です。叱る、注意すると学生から反発を受けたり、嫌われる可能性があります。しかし、嫌われるリスクをとることができる講師でなければ、真の指導はできません。
自分が今何をやらなければならないのか、学生時代のまだ幼い考えでは判断できないこともあります。だからこそ講師がしっかりと叱ったり、注意して気づかせることが大切なのです。
嫌われることを恐れて叱れないのでは、学生の学ぶチャンスを奪ってしまいます。
ご飯を食べずにお菓子ばかり欲しがる子供にお菓子だけを与えていれば、子供は病気になります。相手の言うがままになること、全許容は愛ではありません。
本のタイトルにもなった「嫌われる勇気」という言葉が流行しました。
私たちは「嫌われることを率先して行わなければいけない時もある」のです。
人から嫌われることを恐れず、同調圧力からサラリと身をかわしながら、自分に自信を持って生きるあなたを応援します。
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