
パワハラ・ハラスメントから身を守る方法①
[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]
「怒り」とはなにか
ギャンブルやお酒で身を滅ぼす、という話はよく聞きますね。
カウンセラーの立場から言えば、どんな人でも身を滅ぼす可能性があるもの、それはお金でもお酒でもなく、「感情」です。
ギャンブル依存症やアルコール依存症になってしまう原因には「満たされない感情」が存在するからといわれています。究極を言ってしまうと、感情のコントロールができない人は遅かれ早かれ自分の身を滅ぼすリスクを抱えているということになります。
だから、感情をコントロールすることが重要になります。
感情にも色々ありますが、人間関係はじめあらゆるものを破壊する可能性がある感情ランキング1位は、なんといっても「怒り」ではないでしょうか。
『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(ダイヤモンド社・小倉広著)の中で、「怒り」という感情について次のように書かれています。
「カッときて自分を見失って怒鳴ったのではない。
相手を支配するために怒りという感情を作り出して利用したのだ」
相手を支配するために「怒り」を作り出している、とはどのようなことでしょうか。
アドラー心理学では、あらゆる行動には「目的」があるとされています。
怒鳴るように相手をなじったりガミガミ言う人は、幼い頃から批判ばかり受けてきた人が多いものです。被害者意識が強いのです。自分が幼児期に受けた痛みに対し、周囲の人を批判したり、恥を欠かせることで復讐しているのです。
さらに、相手を攻撃する人は人一倍、不安や劣等感が強い臆病な人です。
相手や物事が自分の思い通りにならないとその不安に耐えられないから、相手を怒鳴るなど攻撃をして、相手を支配しようとするのです。

暴力的に発展しやすい理由
支配欲が高ければ高いほど、暴力的になりやすくなります。
以前、女性議員の暴言がマスコミで連日取り上げられたことがありました。あの騒動もこの支配欲が根底にあったことは間違いありません。
ミスの多い秘書に対し、自分の思い通りに行動するようヒステリックにまくしたて、暴言を吐いたのです。
他人のミスやアラ探しをしつこく続ける人は意外にいるものです。
このような人は、相手の欠点を見つけなければ自分が優位に立てないと思っているのです。
幼児性が高く、自己中心的な考えの傾向でもあります。
怒りはコントロールできる

では、この「ヒステリックにまくし立てる」というような暴力的な怒りが湧くと、人間は怒りにがんじがらめにされコントロール不能になってしまうのでしょうか?
本人は「無自覚にやってしまった」「自分は悪くない」「ストレスが溜まって感情をコントロールできなかった」と言うかもしれませんが、そうではありません。
女性議員は秘書を罵倒している最中に有権者から電話が入ると、「こんにちは〜!」と愛想よく電話に出て、態度を豹変させたといわれています。
また、ある職場の例でいうと、Aさんはターゲットである同僚に対し、ヒステリックにまくし立てることがたびたびありました。
周囲に誰もいないところでターゲットの同僚から状況報告されたAさんは、「ふん、そうですか。別に」と険悪な空気を漂わせ、ムスッとした顔をしています。
そこに上司が現れると一変、「お疲れさまです!」と猫なで声で話しだしました。ターゲットの同僚にも「〇〇ですよね、お疲れ様でした」と急に優しくなり、自分のヒステリックな感情や嫌がらせを隠しました。
つまり女性議員もAさんも、怒りをコントロールしているのです。
怒りとは、コントロールできるものなのです。
「怒りをぶつければ支配できる」と思っている相手にだけ怒りをぶつけ、上司や有権者には調子のよい態度を取るという「怒りのコントロール」を瞬時に行っているのです。
しかし大抵の場合は、怒りのコントロール方法を知らず、怒りに任せて行動してしまうために、人間関係を破綻させます。感情に身を任せてしまうために、身を滅ぼすのです。
怒りで人を支配しようとする人が近くにいる場合、私たちはどのように自分の身を守ればよいでしょうか。
次週からその対処法について詳しくお伝えします。
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