
パワハラ・ハラスメントから身を守る方法②
[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]
怒りを振りまくクラッシャーから身を守れ!
クラッシャーとは「石などの硬いものも粉々に砕いてしまう存在」をいいます。自分の思い通りにならないと怒鳴り散らし、相手の精神を疲弊させる。そんな怒りクラッシャーがあなたの周りにいるならば、あなたはあなたの身を守らなければなりません。
怒りクラッシャーは、普通では理解し難い行動を取るのも特徴です。彼らは「怒りをぶつけるターゲットを失うこと」を何よりも恐れています。ターゲットを排除しようとするのではなく、「ターゲットを失うことを恐れる心理」とは。この不可解な心理について解説します。
歪んだ認知 Aさんの場合

怒りクラッシャーは歪んだ認知をもっています。
自分がターゲットを支配できる=自分は有能である
という認知です。彼らは「怒りをぶつけるターゲット」が存在して初めて、自分の有能さや存在意義を感じられるのです。だからターゲットであるあなたが怒りクラッシャーから逃れようとすると、あらゆる手段であなたを追いかけ、絡み、あなたを失わないようにするという実に厄介な行動をとるのです。
ある職場にヒステリックなAさんがいました。ターゲットのBさんがメールなどで必要事項を連絡する際も、とにかくBさんに突っかかります。
AさんもBさんも出席する少人数の会議の場で、ターゲット以外の人がAさんと異なる意見を述べた時は普通に話し合うAさんですが、ターゲットのBさんが同じ内容を言おうものなら大変。ヒステリックにまくし立てて、Bさんを責め立てます。
一方で驚くことに、Aさんは何かと理由をつけてはBさんに接近するのです。
自分に必要な情報を手に入れたいときは、猫撫で声でBさんにお願いします。
普通ならば嫌な相手とはなるべく距離をとり、関わりを持ちたくないと思うものです。このAさんの行動は不可解に感じられますが、Aさんのような支配欲が強い人は束縛や干渉ができないと不安になり、あえてターゲットに近づくのです。
なぜなら怒りクラッシャーは、自分が相手を支配できる=自分は有能であるという歪んだ認知をもっているからです。相手を支配し、自分が有能であることを感じ続けたいのです。
Bさんが作ったエクセルデータなどもくまなくチェックして、少しでも自分の思い通りにならないところがあれば、まくし立てて修正するよう言いつけます。会議資料も隅々まで、自分と認識が違うところは逐一メールを送りつけ、長々と不満をぶつけるのです。
「暇なの?」「ストーカーみたいで怖い!」と思いますよね。
支配欲が強い人は、自分で全ての情報を正しく把握していないと不安なのです。自分が休みの日でも社内のメールを数時間おきにチェックするような人も注意が必要です。
これがもし恋人ならば、詮索、束縛が激しいタイプです。
Aさんの会議資料は、カウンセラーがカウンセリング中にクライアントとのやりとりを全て文字に起こす「逐語記録」のように、誰が何と言ったなど一言一句残さず書き記してある異常に長いものです。自分が他人に攻撃されることを恐れ、防御するための行為ともいえます。
Aさんはターゲット以外の人には決してこのような態度は取りません。
このように怒りクラッシャーは、自分が相手に嫌がらせのようなことをしておきながら「相手が自分への関心を失う」ことを恐れます。承認欲求が強く、自分に自信がないからこそ、自分を認め続けて欲しいのです。
●自分に自信がないから相手のミスを見つけて攻撃し、自分を優位に感じたい
●相手を支配することで、自分が有能であると感じたい
●一方で、相手が自分に関心を失うことを恐れている
なんとも矛盾した感情を抱えながら生きているのです。
次回はいよいよ、怒りクラッシャーの標的にならず身を守るための対処法をお伝えします。

10年以上デザイナーとして活躍、その後デザイナーを養成する講師となる。就職指導も担当し、愛知県のキャリアカウンセラーとして従事。各市役所等では相談業務を担当し、現在は、各企業・大学、公共機関などで講座や講演を行っている。
藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
この記事へのコメントはありません。