
捨てられない「もったいない」という呪縛②
[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]
断捨離力を高め、モノを捨てるために活用すべき「アンカリング」とは?
前回は「家の死蔵品を捨てよう」というお話をしました。
今回は洋服の断捨離の際に、私が講座でお伝えしていた風水の考え方もリフレーミング(物事を違う視点から見てみること)として役に立つと思いますので、ご紹介します。
人やモノは常にその場になんらかの「気(エネルギー)」を発生しています。そしてその「気」を一番吸っているのは「布地」なのです。
風水では下着は皮膚から最も近く、自分の出す「気」を吸っているので、一年周期で処分することが望ましいとされています。
また部屋の開運ポイントとして、カーテンを洗濯するとよいというのもあります。
ところで、恋人と喧嘩した時に着ていた服を着るとあの日の嫌な気持ちを思い出す、職場で着る服はプライベートで着たくない、などということはありませんか?
これは風水的な考え方では、自分に起こった嫌な出来事の「気」を布地が吸っているからといわれます。
私はこれを、心理学的には「アンカリング」であると考えています。
パフォーマンスを左右する「アンカリング」って何?
「アンカリング」とは簡単に言うと、五感による刺激から何らかの心理状態が引き出されることです。
例えば『蛍の光』の音楽をスーパーで聞くと、閉店間際だと無意識に感じ、早く用事を済ませて帰らなければと思った経験はありませんか?
これもアンカリングです。
また、元プロ野球選手のイチロー氏が現役時代に試合でバッターボックスに入ったとき、いつも決まったポーズをとっていたのも、ゾーンに入って高いパフォーマンスを出すためのアンカリングです。
つまり、音楽やポーズに自分の良い感情や悪い感情がガッチリと結びついて、そこに錨を下ろすように固定されている状態をいいます。
それをふまえると、嫌な気持ちを思い出す洋服は、その服自体に強い感情体験が結びついているのです。その服を見るたびに嫌な気持ちになって、パフォーマンスを落とすような服はどんなに高価なものだとしても、あなたに良い体験をもたらさないのではありませんか?
それなら、その洋服は捨てる方があなたにとって有益です。
アンカリングには意識的に、また無意識的に行われるものがある
アンカリングは意識的に行う条件付けと、無意識に刷り込まれた条件付けがあります。
スーパーで『蛍の光』を聞いて、閉店間際だと焦る気持ちが湧いてくるのは、知らない間に何度も閉店間際の店で『蛍の光』を聞いた経験が体に染み付いているのです。これは無意識に刷り込まれた条件付けです。
一方、イチロー氏がバッターボックスに入るときのルーチンは、一度、その動作で集中力があがり良いパフォーマンスが出せたことを、意識的に再現するために繰り返し行っている条件付けです。
つまり、良い気持ちをオンにするボタンを押すような行為が、アンカリングなのです。

同様に洋服選びでいえば、「好き(良い気分)で使っている」ものが最もあなたのパフォーマンスを上げてくれる服であり、クローゼットに残すべき服なのです。
クローゼットの中を①好きで着ているものばかりにできたら、見るだけであなたの幸福度があがるので、あなたに良い感情のアンカリングができることは間違いありません。

気というのはエネルギーであり、気持ちです。
気分が良い人が人に親切にでき、気分の良い人が良い仕事ができるのです。
是非、このことを忘れずに不要な洋服を断捨離し、クローゼットにはお気に入りの洋服ばかりの状態にしてみてください。
次回は、使っているモノと自己肯定感のお話です。

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資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
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