
なぜあなたはやるべきことを先延ばしにしてしまうのか?①
[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]
やらないといけないと思っているけど、ついつい先延ばしにしてしまった…なんて経験はありませんか?
先延ばしとは、事態が悪化することが予測できるのにそれをやらないことです。
やるべきことを先延ばしにしてしまうのは、あなたがだらしないわけでも、タイムマネジメント能力がないわけでもありません。
「不安感情」と「脳の仕組み」が、あなたにブレーキをかけているのです。
今回は「不安感情」の話をしたいと思います。
不安の正体
やるべきことを前に不安を感じてしまう人は、どのような人でしょうか。
例えば仕事をやるときに、こんな心の声を聞いたことはありませんか?
「自分にはちゃんとできるだろうか?」
「期日に間に合い、適切なクオリティーのものを提供できるだろうか?」
こんなあなたは完璧主義、または心配性の傾向があるといえるかもしれません。
完璧を求めるあまり、準備に時間がかかってなかなかやるべきことに取りかかることができず、先延ばしにしてしまうのです。
また完璧主義の人は、完璧にできなかった時の他者からの評価を気にするあまり、重い腰がますます上がらない、という傾向もあります。
逆に「不安」が行動のきっかけになり先延ばしせず行動できれば、「手をつけた」「物事の見通しがついた」などの安心材料が増えて精神も安定し、作業も進むようになるのですが。
完璧主義があなたの不安を増やしている

完璧主義について考えてみましょう。「期待に応えたい」「良いものをつくりたい」と思うことは、悪いことではありません。しかし、「完璧でなければならない」と思うと、人は急に「不安」に襲われます。
ある研究では、完璧にやらなくてはと思うあまり、その「不安」に対処できず、思考がフリーズしてしまうことがわかってきました。思考がフリーズした結果、他の行動をとることで不安から逃避しようという特性が生まれます。
この人間の行動特性を「衝動性」といいます。
「衝動性」とは、簡単に言うと「すぐに行動しないと気がすまない」という特性です。衝動性を分類すると、下記の要素があげられます。
・すぐにやらないと気が済まない→切迫感
・無計画に行動する→計画力の欠如
・長時間の課題解決ができない→忍耐力の欠如
・自分が快感を感じることだけを追求する→快感の追求
衝動性の高い人はやるべき課題がある時に、SNSを見るなど他のことをして先延ばしにする傾向があります。これは、「不安」にうまく対処できず、他の行動を取ることで、不安という嫌な感情から逃避しようとするからです。
まずは、自分が強い「不安」を感じていることを知ることが、先延ばしを改善するはじめの一歩です。「不安」を感じている自分を認めてあげることが大切です。
先延ばしグセの対処法

私も期待に応えなければと思うと肩に力が入ってしまい、先延ばし行動を起こしがちな人間です。そんな私が効果的だと感じた対処法は、感情を紙に書き出すことです。
ストレスの多くは、自分の感情を押さえ込もうとすることから生まれます。だから、今感じていることを紙に書いて吐き出すだけでも、スッキリします。
ポイントは「イライラした」「悲しかった」といった簡単な書き方ではなく、詳しく書くことです。例えば「あのときAさんに〇〇と言われて、バカにされたように感じた」と書きます。そうすることで自分の感情を客観的に分析する力がつき、「不安」とうまく向き合い、感情をコントロールする力が高まります。
すると、不安回避の先延ばし行動が減っていきます。
継続的に先延ばし行動を取ってしまう人は、うつや不安神経症にかかる確率が高く、健康状態もあまりよくないという研究結果もあるほどです。ですから先延ばしを回避する方法を意識して身につけることによって、あなたはグンと生きやすくなるはずです。
もともと人間は機械とは違い、完璧ではありません。ミスすることも想定の範囲として、自分を追い込まないことが大切です。
先延ばし行動の回避にはいろいろな方法がありますので、次回は脳の仕組みに触れながら、ご紹介していきます。お楽しみに!

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資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
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