
絶望の原因は「出来事」ではない。あなたの「心」である。~解決に導くABC理論とは?
[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]
「“ねばならない”思考」が人を絶望へと追い込む
あなたは、絶望したことはありますか?
では、なぜあなたは絶望したのでしょうか?
多くの方は、絶望するような出来事が降りかかったと考えるかもしれません。例えば、病気、事故、借金、仕事の失敗、離婚、死別など。人生にはいろいろなことが起こります。
でも実は、出来事自体はあなたを絶望させることはできないのです。あなたの外側に存在する出来事は、あなたに影響を与えることはできないということ。絶望かどうかは全て、あなたの心が決めています。
いろいろな解釈があると思いますが、絶望はエゴと共存します。ですから愛が生きている時、人は絶望することができません。さてこれは、どういうことでしょうか?
エゴとは自我であり、もっと言えば利己的な発想をもって行動すること。平たく言えば、「私は〇〇でなければならない」という「“ねばならない”思考」のことです。
例えば、こんな考えがあったらどうでしょうか?
「私はこの人から愛され“なければ”不幸になる」
「私は仕事で成功“しなければ”カッコ悪い」
「私はお金が“なければ”生きていけない」

“ねばならない”思考で考えると、それが手に入らなかった時、私たちは絶望します。どうしてもその結果が受け入れられない時にだけ、私たちは絶望するのです。
つまり、あなたを絶望させるのは「出来事」ではなく「思考」だということ。
事実や論理から飛躍した思考が、判断や感情を狂わせる
この出来事の受け取り方やものの見方を「認知」といいますが、認知に働きかけて気持ちを楽にする療法を「認知行動療法」と呼びます。そして、認知行動療法のツールの一つである「ABC理論」に基づいて、感情のメカニズムを紐解いていきましょう。
ABC理論とは、次のような構造を持ちます。
<A出来事→B信念(価値観・ものの見方)→C結果(感情・思考・行動)>
では、先ほどの“ねばならない”思考の一つの事例
「私はこの人から愛されなければ不幸になる」
をABC理論に当てはめてみると、どうなるでしょうか。
<A出来事(失恋する)→B信念(相手から必ず愛されなければならない)→C結果(私は不幸だ)>

私は不幸だという感情を生み出したのは、他でもないBの信念、認知が歪んでいるからです。認知行動療法ではこれを「不合理な信念=イラショナル・ビリーフ」といいます。不合理な信念とは、事実に基づいていない、論理的でない考え方や、目的達成を妨げる考え方、柔軟性に欠ける考え方のことです。
B信念(相手から必ず愛されなければならない)
は柔軟性に欠けます。もちろん、相手から愛されるに越したことはありませんが、必ず相手から愛されるわけではないという考えの方が柔軟性はあります。
自分に起こった出来事・考え・感情をABC理論に当てはめてみよう
では、次のように考えた場合はどうでしょうか?
<A出来事(失恋する)→B信念(恋愛はうまくいくときも、そうでないときもある)→C結果(今回の相手は自分には縁のない人だった)>
と信念に柔軟性が出ると、結果として感情も変わります。
さらにポジティブな人の場合はどうなるでしょうか?
<A出来事(失恋する)→B信念(新たな恋に出会うチャンス)→C結果(次に会う相手が運命の人かも、よし、次に行こう!)>
という感じで、信念により、より前向きな感情と行動が生まれます。

落ち込みやすい人や、ついついネガティブに考えて悩んだり、悲しんだり、またはイライラする人は、一度、このABC理論に自分に起こった出来事、考え方、感情を当てはめて分析する癖をつけると落ち込む時間が短くなるはずです。そして、大きく絶望することがなくなるのではないでしょうか? ぜひ、試してみてくださいね!
次回は、別の角度から絶望について考えてみましょう!

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資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
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