粘着質の人の頭の中、教えます。~共依存から逃れられない人は自己愛が未熟

[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]

自分を好きになれないのが根本の原因

前回の記事では「依存」についてご紹介しましたが、今回は「共依存」についてです。

特定の人との関係に依存して離れられない状況を「共依存」といいます。よくあるケースが、ダメンズ(ダメな彼)と別れられない彼女が彼に依存する関係です。

「彼が仕事もしない、浮気はする、自分に対して否定的なことを言ってきて、場合によっては手が出ることも。でも喧嘩した後に彼は自分にとっても優しく接してくれる。自分も辛いけど、彼のことを支えられるのは私だけと、その関係の中に自分の存在意義を見出し離れられなくなる」
という話は、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

アメリカでは薬物やアルコール中毒による死亡率が上昇する一方です。日本でも2021年の自殺者数は2万人を超えています。自殺の原因の中には、薬物やアルコールへの依存も含まれます。これは諸外国と比べても突出した数字です。

仕事や人間関係、経済的理由から絶望したり、不安でやりきれない思いを薬物やアルコール、さらには人に依存することで忘れようとする人も多いのではないでしょうか?

その中でも特定の人に依存してしまう共依存者の特徴
・自己肯定感が低い
・抑圧的である
・強迫観念にとらわれやすい
・強迫的な世話焼き
・現実を客観視できない
・人と信頼関係を構築できない
・行動が極端

など、共通して根本にある原因として「自己愛が未熟である」ことが多いといわれています。だから他者の価値観に依存する傾向が強いのです。

依存されるのを望む人は、他人の成長を妨げる

例えば、対人支援の職業に就く人も、共依存傾向を持っている人も少なくありません。弱者をケアするという仕事の中で、依存されることで、自分は人の役に立っているという存在意義を見出し、低い自己評価を補おうとします。

共依存の典型的な行為が目立つAさんを事例に、詳しく見ていきましょう。

Aさんは生徒を支援する際に、とにかく生徒が自分で調べればできることでも、何でもお世話を焼きます。自分がいないと物事が進まないようにするのです。もともと支援を受ける生徒は自信がなかったり、その分野の知識が不足していたりして、誰か頼りになる人を探しているような依存的な人も多いのです。

そこでAさんはそんな生徒を見つけると、何でも自分に相談し、本来生徒自身に行わせて自立を促すべきこともAさんが世話を焼きます。

このように、相手から依存されることに自分の存在価値を見出し、相手を自分の指示通りに動かし、コントロールすることで自分の心の平穏を保とうとするのです。

他人にまで自分の思い通りに行動させないと気が済まない

さらにAさんは、このようなマイルールを他者にも守らせようとします。その結果、他者に対してパワハラ体質だったり、異常に他者のことを詮索したりする粘着質の性格で、しかも自分の思い通りにならないと怒りを露(あらわ)にするなど問題が山積みの人でした。

しかし、そんな自分に焦点を当てて、自分の問題に気づくのが怖いので、人の世話を焼き、他人の問題に介入したり、その問題を解決したりすることに注力するために、共依存の関係を構築するのです。

Aさんの場合、他者評価を気にして自分を抑圧して振る舞うかと思えば、「こうでなければならない」という強迫観念も強いので、相手にパワハラをしたり、しつこく詮索・監視したりと極端な行動に出ていました。

しかし、こんな自分を押し殺し、支配や監視を強めても真の信頼関係は構築できません。では、なぜこんなことを繰り返しながら共依存の関係を築くのでしょうか❓

次回は、その理由について説明します。


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国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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