
戦わずして勝つシンプルな方法
[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]
孫子の教えにもある「敵を欺くためには、まずは油断させよ」
「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり」。孫子が解いた兵法の有名な言葉です。
「百戦百勝はいいことだと思われがちだが、勝った側も痛手を追い、負けた側は恨みを抱き、復讐される可能性を作ってしまうことになる。ゆえに、戦わず勝つのが最善である」という教えになります。孫子の教えは攻めではなく、守りなのです。
戦わずして勝つというのは戦だけでなく、ビジネスでも、日常生活でも同じです。では、どのようにすればいいのでしょうか?
孫子は戦に勝つのは騙し合いであると言っています。決して、目立ってはいけないのです。
孫子は、「始めは処女の如くにして、敵人、戸を開くや、後は脱兎の如くす。」と言っています。脱兎とは逃げていくウサギのように非常に速いことです。まずは、力があってもないふりをして、控えめにしておき、相手を油断させて、素早く動き、勝利するということです。

ポイントは警戒されないこと。人は恐怖を抱くと攻撃的になります。逆に愛に溢れている時は、他人に殴りかかろうとする人はいません。つまり、敵が攻めてくる、ビジネスならライバルがあなたの足を引っ張ろうとするのは、あなたを恐れている時です。
警戒されるというのは、すでにあなたが相手に恐怖を与えているということ。それはあなたの才能や人望からかもしれませんし、態度が原因もしれません。あなたの何かが、相手を怯(おび)えさせているのです。
織田信長が名将たるゆえんは、大バカ野郎だと思われたから!?
「人にナメられたくない」「人より自分が素晴らしいことを証明したい」という人は多いもの。だから、自慢話や武勇伝を語る人は後を絶ちません。
でもそれは、得策ではありません。相手が警戒するからです。釣りバカ日誌の浜ちゃんのように、隙だらけで、ちょっとからかわれているぐらいのゆるキャラがちょうどいいのです。
私は愛知県出身ですが、尾張で有名な武将といえば織田信長。信長は若かりし頃、「尾張の大うつけ」と呼ばれていました。「大うつけ」とは大バカ野郎という意味。

信長は若い頃から、入浴時に着る湯帷子(ゆかたびら)を着崩し、まげも茶道の茶筅に似た茶筅髷(ちゃせんまげ)と呼ばれる髪型をして町中を馬で駆けまわり、行いも粗暴でした。家臣や町人たちも織田家の長男があのような大うつけでは、この先が思いやられると嘆いていました。
しかしこの信長の振る舞いこそ、尾張周辺の武将を油断させることで外部から攻めこまれるのを防ぎ、内部ではお家争いなどからの暗殺を防ぐのに成功したとも言われています。
ちなみにこの頃、信長は仲間たちと遊び回っているようで、尾張の領土を走り回って、いざという時に備えていたとも言われています。
「能ある鷹は爪を隠す」は、ユダヤ人の教えにも存在する
敵を欺くにはまずは味方からといいますが、信長の戦略はまさにそれです。若くて力がまだ足りない時は、周りに攻撃されないように、相手を油断させておき、着実に実力をつけていくのが得策です。
このように自分の実力を隠して、敵を作らない方法は、5000年の叡智(えいち)・ユダヤ人の成功哲学といわれる口伝律法「タルムード」でも、次のような寓話で紹介されています。
その昔、王が鷹(たか)に乗って国中を見回っている時、王は誤って鷹から落ちてしまいました。
それを見ていた雀たちが、大群で王を助けました。
王様は助けてもらった褒美として、雀たちに好きなものを与えると約束をします。
雀たちは、「食べ物がいいのでは?」など相談しましたが、ある雀が「王様と同じ、金の冠がいい」 と言い出し、雀たちは金の冠がほしいと王に願い出ました。
王は、「違う褒美の方がよいのでは?」 と言いましたが、雀たちは金の冠をもらいます。
しかし、誇らしげに金の冠を被った雀たちが空を舞うと、目立って、次々に猟師に撃ち落とされてしまいました。怖くなった雀たちは、王に金の冠を返上し、元の生活に戻りました。
この寓話でも、人に何かをひけらかすと目立って、恨みを買って足を引っ張られてしまうという教えが込められています。出る杭は打たれるといいますが、人の嫉妬ほど怖いものはありません。
無駄に何かをひけらかしたりせず、脳ある鷹は爪を隠しておいた方が、結局は攻撃されません。敵を作らない人が結局、平和に人生を過ごせるということですね。


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資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
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