5日間無言を貫く生活が、私に教えてくれたこと

[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]

これまで4回にわたって解説してきた「セルフ・コンパッション」。「自分の愛する人を思いやるように、自分自身を思いやること」と定義づけられたものであり、次の3つで構成されることも何度かお伝えした通りです。

【1】自分への優しさ
【2】共通の人間性
【3】マインドフルネス

セルフ・コンパッションについてのこれまでの記事は、下記にリンク先をまとめました。まだご覧になっていない方や、もう一度復習されたい方は、よろしければアクセスしてみてください。

他人に言ったら絶対に嫌われる言葉を、自分に投げかけていませんか?
自分に厳しく他人に優しい人なんて、地球上に存在しないのでは?
「傷をなめ合う」とバカにするべからず。「世を俯瞰する力に長けている」が正解
嫌なことは抵抗するよりも味わい尽くすほうが、なぜすぐに頭の中から消えるのか?

前回は【3】マインドフルネスについて解説しました。マインドフルネスをもう一度簡単に説明しますと、今置かれた状況について、評価・判断を手放して、起きているありのままの事実に注意を払い、気づきを得ることです。感情に振り回されず、今起きていることを受け入れることを意味します。

マインドフルネスは今や、集中力アップやストレス軽減などに効果があると注目され、グーグルやヤフーなどの世界的な企業でも積極的に取り入れられています。また、スティーブ・ジョブズが瞑想・マインドフルネスを取り入れていたことから、経営者やビジネスパーソンの間でも注目されるようになりました。

今回は私のマインドフルネス体験について、少しご紹介したいと思います。

マインドフルネスに目覚めたのは、5日間無言で過ごしたのがきっかけ

私はカウンセラーという仕事柄、長い間心理学を学んできました。私と同じように学んできた仲間を見ると、学ぶ理由として心を穏やかにしたいという人が多く、それが関係しているのか、彼らの中には瞑想やマインドフルネスを取り入れている人もたくさんいました。

しかし当時の私は、「じっとしているなんて無理」「仮にじっとできたとしても、頭の中を空にして、無心になることなんて不可能」と、瞑想やマインドフルネスに近寄ることはありませんでした。

こうした傾向は、どうやら私だけではないようです。私が心理学の講座でマインドフルネスなどについてお話しする際も、受講生の多くが「瞑想なんて無理。じっとできない」「気づきを得るために、何かを丁寧にやるなんてできない。効率命なんです」と言う人が多いのが現状です。

私がマインドフルネスにしっかり取り組むようになったきっかけは、「リトリート」と呼ばれる、本来の自分に戻るための講座のようなものに誘われた時のこと。富士山で5日間行われたので、合宿と呼ばれる規模のものでした。

ちょうどその頃の私は、飼っていた猫が亡くなったばかりでした。猫が元気だった時は長期間家を空けることなどなかったので、いい機会だと思って参加しました。

多くの方がリトリートに参加していましたが、全ての行動を沈黙で行います。食べる瞑想、歩く瞑想、座る瞑想など、全て無言です。

静かなのが苦手な自分も、テレビを手放すことができました

普段の私は、何をやる時でもテレビや音楽をかけますし、仕事はマルチタスクこそお得だと思って生活していました。静かに過ごすことはなかったのです。

リトリート中、食べる時は食べることに集中します。心配事を考えたり明日の予定を気にしたりしないで、100回噛んで味わって食べます。

リトリート中は、何度も鐘が鳴ります。鐘が鳴ったら、何をしていても目を閉じ、自分の呼吸に意識を合わせます。頭の中でうるさいモンキーマインドと呼ばれたりする雑念を、一旦脇に置きます。こんなに無言で通したことは人生で初めてです。

5日間のリトリートを終え、日常生活に戻った時のこと。ちょっとしたトラブルが起こりました。この手のトラブルはいつもならイラッとするのですが、なぜかその時は自分の状態と相手の状態に気づき、イラッとすることなく過ぎていったのです。

そして今では家からテレビをなくし、毎朝オンラインで仲間とマインドフルネスに取り組む日々を送っています。静寂が心を穏やかにすることを痛感しているのです。

何か出来事が起こった時、もちろんいつもではないのですが、自分を冷静に見つめるもう一人の自分がいるのです。感情に飲み込まれるのではなく、「私はなぜ、この気持ちを抱えているんだろう?」と考えることができる自分です。一歩引いた自分なしに気づきを得ることは難しい、とさえ思うようになりました。

「音楽がないとダメ」「じっとしているのは嫌だ」「瞑想って時間の無駄では?」と思っていた私でさえできるようになったので、きっとあなたもできるようになるはずです!

今回触れた5日間のリトリートはかなり効果がありましたし、個人的にはオススメしたいのですが、必ずしもそこまでしなくても、マインドフルネスを普段取り入れられるようにする方法はあります。

次回は、日常生活で取り入れやすいマインドフルネスについて紹介します!


著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。

資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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