恋愛からハラスメントまで、全ての人間関係は「境界線=バウンダリー」が決める…

[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]

親の過保護が引き起こす惨事は、ここまで一大事だった…

実は私たちには、自分と他人を区別する目に見えない「境界線=バウンダリー」が存在します。敷地のようにお隣との境界が明確ならいいのですが、心理的な境界線=バウンダリーは目に見えないので曖昧になりやすいのです。

誰でも子供の頃は、バウンダリーが曖昧になっています。例えばお母さんが悲しそうにしていると、子供も母親と同じ気持ちになり泣いてしまうことがあります。

このような「相手と自分は同じ感情や感覚を持っているのが当たり前」という母子一体感は、自我が芽生えて大人になるにしたがい薄れます。すると適切な心の距離感が生まれることが多いのですが、養育環境によっては、それがうまくいかないことがあります。

例えば、親が過干渉で下記のように子供に接する場合、境界線=バウンダリーは曖昧になります。

・子供が朝、起きなければ、必ず親が起こしてあげる
・おもちゃの片付け〜部屋の掃除まで全て本人ではなく、親が行う
・子供が悪いことをしても、親が謝り、子供に謝罪や責任を取らせない
・全ての決め事を親が決め、本人に考えさせたり、決めさせたりしない

どうでしょうか? あなたの育てられ方や子育てはこんなことはありませんか? このように、子供に過保護、過干渉になってしまうのは、親の「不安」がベースになっています。「子供が心配で…。」と転ばぬ先の杖と思っての行動なのですが、子供の自立を阻(はば)んでしまうこともしばしばです。

Aさんは、「あなたは何にもわからないのだから、お母さんに任せておけばいいの!」と過保護に育てられました。そしてAさんは大人になった今でも、自分で何かを決めることができず、人の意見に従います。自分で決めようとすると強い不安を感じるのです。

これでは、自分の人生を生きることができません。満足感もなければ、「あなたの助言にしたがったのに、うまくいかなかった。」と他責思考になって、相手への恨みをつのらせることもあるのです。

日本が空気を読みすぎる文化となった理由とは?

親との心の距離感は、そのまま他人との心の距離感になります。人間関係の土台は親子関係から始まるからです。

そして、社会的な環境も「境界線=バウンダリー」に影響します。日本が欧米などに比べ、自分という個を主張するより、周りの空気を読んで合わせる個性埋没気味の文化となるのも、日本の社会的環境が影響するわけです。このことが、日本が他者との境界線=バウンダリーも曖昧になりがちになるメカニズムとなります。

これが当てはまると、バウンダリーオーバーする人・される人かも…

先ほどのAさんの母親のケースでは、子供の問題や責任を親が一手に引き受けています。また、Aさん自身もその親の行動を許しています。このように自分と他人の間にある境界線=バウンダリーに侵入をしてしまったり、させてしまうことを心理学ではバウンダリーオーバーといいます。

●バウンダリーオーバーしてしまう人

・おせっかいを焼く
・過保護、過干渉
・他者の問題に首を突っ込む
・求められていないのにアドバイスしたがる
・子供や部下を支配下に置きたがる
・自分の価値観を相手に押し付ける
・ハラスメントをしてしまう

●バウンダリーオーバーされてしまう人

・相手の期待に過剰に応えようとする
・長時間愚痴に付き合わされる
・相手の言いなりになってしまったり、マウントを取られてしまう
・仕事を断れない、NOと言えない
・理不尽なことにも対応してしまう

どうでしょうか? しっかりと境界線=バウンダリーを引くことをしなければ、人間関係のトラブルを避けて通ることができないのがお分かりいただけましたでしょうか?

今回は、過保護に育てられた場合の境界線=バウンダリーについてお伝えしましたが、次回は、反対に放任主義で育てられたら、どうなるのかについてお伝えします!


著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。

資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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