今すぐできる! 心の領域への不法侵入から、我が身を守る4つの方法

[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]

今回の記事は「境界線=バウンダリー」についてお伝えする5回目です。
前回までの記事はこちらからご覧いただけます。

「恋愛からハラスメントまで、全ての人間関係は「境界線=バウンダリー」が決める…」

「あなたの恋が実らないのは「心の線引き」を間違えたから…。放任主義の大罪とは?」

「パワハラやモラハラ、社内いじめも、バウンダリーオーバーが原因の可能性大」

「攻撃されやすい人の傾向と対策も、バウンダリーオーバーで説明できる」

良かれと思ってされたことでも、不快に感じる場合がある

私たちに存在する、自分と他人を区別する目に見えない境界線=バウンダリー。その境界線ですが、曖昧になって境界線を越えることで起こる人間関係のトラブルが本当に多いもの。前回まで、詳しくお伝えしてきました。

今回は、自分を守り、良好な人間関係を構築するための境界線の線引きの方法についてアドバイスします。

このテーマでは繰り返し、境界線=バウンダリーは幼児期の親子関係で構築され、それが大人になってから他人にも反映され、恋愛などにも影響を与えることについてご説明しました。

そして、自分と他人の間にある境界線=バウンダリーに侵入をし、相手の心の領域に踏み込んでしまうこと=バウンダリーオーバーに注意が必要ということもお話ししました。

これは、私の友人の話です。友人は、ご主人の実家の近くに夫婦2人で住んでいます。ある日、突然雨が降り出しました。義理のお父さんはよかれとおもって、友人夫婦の庭先の洗濯物を取り込んであげました。

しかし、友人は「私の下着とかも干してあるのに、義父にさわられたくない…。放っておいてくれればいいのに…。」と言っていました。

友人の義父としては、「よかれ」と思ってしたことなのですが、友人にとっては、バウンダリーオーバーだったのです。

このように、バウンダリーオーバーは善意から知らない間に、境界線を踏み越えて相手の心の領域に侵入してしまうことも多いのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

そこで、バウンダリーオーバーされてしまう人が知っておきたい「よい境界線の引き方」につながる行動ついて、4つご紹介します。

【1】自分の快・不快を書き出す

「嫌だ」と感じることは人それぞれ。まずは、自分は何が「快」で、何が「不快」なのかを書き出しましょう。先ほどの友人の洗濯物のことでも「留守に取り込んでくれてありがとう」と思う人もいるはずです。

だから、自分なりの快・不快をまずは意識することからスタートします。
友人との長電話が苦にならない人と、そうでない人。
定時までは仕事してもいいけど残業はできるだけしたくない人、残業してでも仕事で成果を出す方が快を感じる人。

こんなふうに、同じ行為でも判断は真逆になるのもよくあることです。自分なりの快・不快の感覚をまずは洗い出してみましょう。

【2】NOを言う許可を自分に出す

バウンダリーオーバーされやすい人は、「人に嫌われてはいけない」と強く信じる傾向にあります。相手の要求を断ると自分が嫌われてしまうと思いがちなのです。

しかし、実際はたとえ相手に「NO」と言っても本当に成熟した大人の感覚を持つ人なら、あなたを嫌ったりしません。もし、それで離れていく人がいたら、それはあなたを大切に思っていない人なので、むしろ離れてもらったほうがいいのです。

Fさんは、夜中に呼び出されたり、「お金を貸してよ」と言われたりしても断ることができませんでした。無理をして相手の要求に応えていたのです。

しかしFさんに無理難題を要求してくる相手も、はっきりと「NO」を言われそうな相手には、無理な要求をしていないことにFさんはある日気がつきました。相手は自分が支配できそうな相手を選んでいたのです。

そして、自分の生き方を変えようと決意したFさんは、その人たちの要求に「NO」と言いました。彼らはFさんから離れていきましたが、結果、Fさんは搾取されることがなくなり、本当にFさんを大切にしてくれる人たちと関わるようになり、人間関係が楽になったといいます。

まずは、自分が不快を感じることは断ってもいいと自分に許可を出しましょう。

【3】全面否定ではなく、嫌なことだけを断る

「私さえ我慢すれば…。」と、相手の境界線侵入を許してしまう人は、自己主張をしないノン・アサーティブの状態を続けます。しかし、我慢の限界を迎えると相手を強く攻撃して、縁を切るというアグレッシブに変貌。このような両極端なコミュニケーションをとりがちです。

そうではなく、相手も自分も尊重しながら、「今日は残業できませんが、明日なら可能です。」「明日の朝が早いから、今日は長くは電話に付き合えないの。」など、しっかりと相手の無理な要求だけに「NO」と言えば、相手は納得してくれることが多いものです。

ちなみに、このようなことも含め、「人は誰もが自分の意思や要求を示す権利がある」という立場で自己表現することを、「アサーション」と呼びます。

【4】一人の時間を持ち、他者と距離をとる

バウンダリーが曖昧で、人の意見に左右されやすい人は、まず自分一人になる時間をもちましょう。

特に、ハラスメントを受けている状況下でストレスを溜めているのなら、境界線の引き直しをするのは無理があるので、一刻も早く相手と距離をとるべきです。

以上、解決策を4つ挙げましたが、やれることからやってみてくださいね!

では次回は、バウンダリーオーバーしてしまう人の境界線の引き直しについてお話しします。


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資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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