勘違いされまくりの「気遣い」。むしろ自分を自由にしてくれる存在なのです!

[ 気遣いこそ現代最強のサバイバル術である ]

先回は、拙書『なぜかうまくいく人の気遣い100の習慣』(明日香出版社)で紹介している「気遣いのマトリックス」を使って、ご自身の気遣いの現在地をチェックしていただきました。
https://digi-den.net/fujimoto-rieko/category-psychology/2022/10/21/12602/

恋愛でもビジネスでも「気遣い」ができる人は好かれます。では、そもそも「気遣い」とは何なのでしょうか?

先の本を読んでいただいて、多くの方がレビューを書いてくださったり、動画で紹介をしてくださったりしたのですが、その中でも「気遣い」を勘違いしていたという方が結構いらっしゃいました。今回は、ありがちな気遣いについての勘違いをお伝えします!

気遣いの勘違い① 「これさえやればOK」という思い込み

「以前、気遣いの本で、とにかくなんでも笑顔で『ありがとうございます!』と言いましょうと書いてあったので、何でも『ありがとうございます!』と言っていたら、ウザがられてしまった…」。ある方は、このようにおっしゃっていました。これこそ、多くの人が陥りがちな誤りかもしれません…。

人には単純化を好む心理があります。「X=Y」と何か自分なりの公式を見つけて、それを繰り返したほうが臨機応変に対応するより楽だからです。

しかし、1つのことを繰り返すだけでうまくいくというのは、人間関係をバカにしていると言えないでしょうか?

先の拙書の中で、「気遣いは料理に似ている」と紹介しています。
人は季節や体調によって、美味しいと感じるものが変わります。いつもは焼肉が大好きだとしても、風邪をひいて寝込んでいる時は、焼肉はなかなか食べようという気にはなれません。おかゆが一番のご馳走になります。
寒い季節は鍋料理が美味しいですが、真夏にはさっぱりとした冷たいもののほうが食欲をそそることが多いでしょう。

気遣いも同じです。これだけをやればよいというただ一つ方法があるものではありません。相手に合わせて臨機応変に変化させていくことが必要です。同一人物でも、元気な時と落ち込んでいる時とでは、かける言葉は変わってきますよね。

ここを勘違いして、「いつ、誰にでも『ありがとうございます!』と言っておけばいいや」というのは、胃腸の調子が悪い人に、「あいつはとんかつが好きだから、とんかつでも出しておけばいいや」と、消化の悪い物を平気で出すのと同じ。

相手を思いやるのではなく、自分がラクな方法を選んでいるだけの、結果として気遣いとは呼べない行為だといえます。

気遣いの勘違い② 「私は気が利かない性格だから…」と性格のせいにしてしまう

「気遣いできる人はよく気が利く人であり、私は気が利かない性格だから無理」と思っている方がいます。しかし、気遣いは習得できるものです。筋肉と同じで、鍛えれば強化できるのが気遣いなのです。

人は環境の動物です。例えば、ご両親が人に気を遣うタイプの人は、子供の頃から自然と両親の振る舞いを見て、気が遣えるようになります。

また、たとえ今まで人に気遣いをしたことがなくても、ホテルマン、コンシェルジュやディズニーランドのスタッフ(「キャスト」と呼ばれますが)などになったことをきっかけに、先輩の振る舞いを見たり研修を受けたりしながら、気遣いができるようになる人もいます。

自分がどんな環境にいるのかも関係します。人にはモデリングという能力があり、見て、聞いて、真似ることができるからです。
だから、気遣いは生まれついての性格できまるものではありません。その気になれば、いつでも身につけられるものなのです。

気遣いの勘違い③ 「これはダメ」「あれはダメ!」と、自分を制限する堅苦しいものだと思っている

気遣いとは「この時はこうしなさい」「あの場合は、こうしてはダメ」と、ルールをしっかり守らなくてはいけないような堅苦しいもの。このように思っている人はいませんか?

知り合いのマナー講師は、受講生さんからマナー講習というだけで「自分にダメ出しをする嫌な人が来ると思われて、嫌厭(けんえん)されることがある…」と嘆いていました。

それぐらい、今の自分にダメ出しして、ルールを押し付けるものが気遣いだと思われがちですが、それも違います。実際に拙著を読んでくださった読者の方は「自分を縛るものではなく、むしろ自分を自由にしてくれるものだった」と感想を残されています。

料理も自分の好みや体調に合わせて調理できるように、気遣いも自分らしさを大切にしながら、人に喜ばれるものなのです。決して、1つのやり方を押し付けるようなものではありません。

私がお伝えしているのは、心理学をベースにした気遣いです。つまり、人間関係を良くすると同時に、相手のパフォーマンスを向上させるものです。

そして、それはあなた自身の人生を一変させる力を持っています。
というわけで次回は、気遣いの基本についてお伝えします!


著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。

資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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