気遣いの基本の「キ」。気遣いにはハッキリとした成功条件が存在する

[ 気遣いこそ現代最強のサバイバル術である ]

[気遣いこそ現代最強のサバイバル術である]は、決して大げさに言ってはいない

前回は、「気遣いの勘違い」についてご紹介しました。
https://digi-den.net/fujimoto-rieko/category-psychology/2022/10/28/12644/

今回は、「気遣いの基本」についてお伝えしたいと思います。

誰かに愛されたい、認められたいと思った時、あなたは何をしますか? ダイエットや仕事を成功させようとするかもしれません。しかし、そんなものは必要ないのです。

ここで、質問です。あなたにとって一番大切な人は誰ですか?

その人は、容姿端麗で頭脳明晰な人でしたか? 有名で影響力のある人でしたか? 多くの場合、そんな周囲で目立つような人が真っ先に思い浮かばなかったと思います。家族・恋人・友人・人生の恩人といった、もっと身近な人だったはずです。

あなたの心に思い浮かぶ一番大切な人は、あなたに愛と気遣いをくれる優しい人ではありませんか? 自分に合った気遣いをしてくれる人が、自分にとって一番大切な人になったということです。

以上を踏まえて、自分がもし相手だったらどう思うか、想像してみてください。相手に合った気遣いができれば、あなたは愛され、必要とされるのです。

つまり、気遣いができれば自然に人・チャンス・仕事・お金に恵まれるということ。だから、気遣いには人生を一変させる力があるのです。

「粋な気遣い」とは「カレーに入っているコーヒー」のようなもの

では、どんな気遣いがよい気遣いなのでしょうか?

私は、さらりとした粉雪のような気遣いが粋だと思っています。相手を気遣った後、何も残らない気遣いです。

カレーの隠し味には、インスタントコーヒーやケッチャップが使われます。その食材が主張しないから美味しいのです。カレーからコーヒーの香りが立ち込めるようでは、それはもうカレーではありません。

同様に、気遣いをした後に「これは、私がやりました。気づいて! 私を褒めて!」という承認欲求がそこに存在するのは、粋ではありません。

誰も見ていなくても、さっとゴミを拾ったり、見返りなく誰かを思いやれるような、さりげない気遣いが粋な気遣いです。前回も登場した「気遣いのマトリックス」の「①ハツラツWinWinゾーン」にいる人が、比較的得意とする気遣いになります。

それはもはや「気遣い」ではなく「気疲れ」です。

一方で、自分の負担になる気遣いは長続きしません。気遣いのマトリックスで紹介した、「クタクタ空回りゾーン」の人に多いのですが、自分を殺して相手に合わせているので、ストレスが多く、気遣いが長続きしません。

幼い頃、私たちは、親から多くの躾(しつけ)を受けます。「親孝行しなさい」「人に親切にしなさい」と言われ続けることで、「他人を喜ばせろ」その言いつけを過剰に守ってしまう人は、自分を犠牲にして、人に尽くすようになります。

サービス精神旺盛で、人を喜ばせるのが楽しめる人なら問題ありません。しかし、いつも他人の顔色を伺っていると、それはもはや“気遣い”ではなく“気疲れ”。相手にも伝わりますし、何より自分の心が疲弊して長続きしません。

「気疲れ」ではなく「気遣い」にする方法

では、どうしたら気疲れしない気遣いができるのか? 気遣いは相手のためでなく、自分のためにやっていると考える人は、気疲れせず、さりげない気遣いができます。

トップセールスの友人は、会合で一人ポツンとしている人を見ると気になって、話しかけるといいます。相手のためというより、その状態が自分にとって心地よくないので、さりげなく相手を気遣うのです。

また別の知人は、家に6匹の保護猫を飼っているのですが、その中には老猫がいます。痩せ細っており、カラスに襲われているところを保護したそうです。彼女は言いました。「見てみぬふりができなかっただけです。見捨てて帰ったら、自分が夜も眠れないはず。自分のためにやっているようなものです」。相手の幸せが自分の喜びとできる人なのです。

「情けは人の為ならず」という諺(ことわざ)がありますが、二人とも自然に親切にできるので、人に好かれたり、ビジネスがうまくいっているのだと感じます。何より、気遣いを自分のためと感じるので、気疲れしていません。「自分を見て!」という承認欲求もそこにないので、さらりとしてベタベタした感じも残りません。

【気遣いに必須の条件】これを満たさずして、真の成功とはなりえない

自分の気遣いが成功したかどうかは、あなたと会った後に、相手の気分がよくなかったかどうかで決まります。心理学でも、気分がいい人が高いパフォーマンスができると言われています。

買い物でも、全ての商品やサービスはお客様が買う前より、後のほうがよい気分になっていることが重要です。それが、満足度が高いことの証明。お客様は商品やサービスを買っているのではなく、よい気分を買っているのです。

このように、気遣いは相手の気分をよくして、自然と相手のパフォ―マンスが上がる手伝いをすることになります。

では、また次回!


著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。

資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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