「お守りになる言葉」を用意しておけばいいだけ。~仲間がいなくても乗り切れる方法

[ 仕事が辛い時の処方箋 ]

健康だけど、仕事にプレッシャーを感じる場合は?

前回の記事「休むのも大事な“仕事”です。」では、鬱なら絶対安静、無理禁物とお伝えしました。

では、うつ病ではなく、やりがいはあるけれどプレッシャーの大きな仕事を任されたケースはどうでしょうか? このような場合は、自分の心がラクになる考え方をすることが役に立ちます。

ここからは拙書『いつもよりラクに生きられる50の習慣』(かんき出版)の中から、心をラクにする考え方をご紹介します。

私は、憂鬱(ゆううつ)になる仕事をしていたとき、心の支えにしていたのは、見城徹氏の「憂鬱でなければ、仕事じゃない」という言葉です。

見城徹氏は角川書店に入社し、『月刊カドカワ』の編集長などを歴任し、独立。現在は幻冬社という出版社を立ち上げて社長に就任。創立19年で17本のミリオンセラーを世に送り出した凄腕の編集者です。

見城氏は毎朝手帳を開き、抱えている仕事について憂鬱なことが3つ以上ないと、かえって不安になるといいます。

圧倒的多数というより、もしかしたら見城氏以外の全員が、辛いことを避けると思います。でも見城氏は「楽な仕事など、大した成果は得られない。憂鬱こそが黄金を産む」と考え、あえて憂鬱な仕事を手がけてきたとのこと。

近くに仲間がいなくても大丈夫!

『月刊カドカワ』の編集長時代、社内で全員に反対されながらも、月刊カドカワの総力特集に「尾崎豊 沈黙の行方」というタイトルで、クスリに手を染めて何もかも失った尾崎豊の復活に賭けたのです。

発売前日は眠れなかったようですが、発売日は雑誌の売れ行きが気になって書店に見にいくと、飛ぶように売れ、9万部刷ったのがほぼ完売。尾崎豊の復活のアルバム『誕生(BIRTH) 』もオリコン1位となり、尾崎豊と抱き合って泣いたといいます。


四面楚歌の状態でも、自分の信じたもののためにやり抜く強い見城氏の言葉は、当時、あるプロジェクトの立て直しで、逆風の中にいた私にも大きな勇気となりました。見城氏の著書『編集者という病い』(太田出版)等をお守りがわりに、いつも鞄に忍ばせていました。

近くに同じような経験をしている仲間がいればいいのですが、そういう仲間がいないこともあるでしょう。また、プロジェクトなどを抱え仕事が忙しいと、誰かに会ったり相談したりする時間もままならないものです。

そんな時に、書籍でも映画でも何でもいいので、自分と同じような苦境に立っている人を探してみましょう。すると、自分1人ではないと言う勇気がもらえます。
今の時代はSNSなどでも、簡単に同じような立場の人を見つけられる時代になったので、ぜひそれを活用してください。

状況自体変えられなくても、大きな効果が生める

そして苦しい時に、すぐに自分を勇気づける言葉を見つけることがお勧めです。これは「リフレーム」といって、物事と向き合う際に視点を変えることで、ポジティブに解釈できる状態になる方法です。仮に状況が変わらなくても、心をラクにする力があります。

私たちは苦しい時、状況は選ぶことができなくても、どのように捉えるかという考え方は選ぶことができます。そして自分の心をラクにする考え方を選択することが、自分の心の健康を維持するためにも大切です。

仕事で苦しい思いをしている時、「仕事は自分で選んだもの。楽しくないとおかしい」などと思っていると、辛い仕事をこなす力が湧いてきません。

でも、「憂鬱でなければ仕事でない」くらいに考えると、「周りもみんな憂鬱なんだ。自分一人じゃない。むしろ憂鬱だからこそ大きな成果が出る。これはチャンス!」と、自分の思考を前向きにできます。

憂鬱になる時に備えて、ぜひ、自分の心が前向きになれるようなお守りになる言葉を見つけておいてください!


次回は、別の角度から仕事のプレッシャーを跳ね除ける方法をお伝えします。


著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。

資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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