
そもそも、「ラクに生きる」ってどういうことを指すの?
[ 仕事が辛い時の処方箋 ]
ライオンがウサギの真似をすると悲劇が起きるのはなぜか?
拙書『いつもよりラクに生きられる50の習慣』(かんき出版)の発売記念イベントの一環で、先輩著者のオンラインサロンに参加した時、このような質問を受けました。
「ラクに生きるって、藤本さんにとってはどういうふうに生きることを指しますか?」
本質的で、自分にとって意味があるとっても深い質問でした。
改めて考えてみると私にとってラクに生きるというのは、「自分らしく生きること」という結論に至りました。
若い頃は「○○みたいになりたい!」と、芸能人やスポーツ選手にあこがれて、「その人を目指さなきゃ」と考えたことが一度はあったと思います。
例えば私は数字が苦手なのですが、得意になろうと学生時代は簿記の教科を選択していました。なんとか単位は落とさなかったものの、成績は散々たるものでした。なぜなら、自分が苦手で自分らしくないものに挑戦しているからです。
例えばウサギがライオンを目指す時、必ず悲劇が起こります。なぜならウサギには牙も鋭い爪もないし、肉食獣としての内臓も持たないからです。
反対にライオンがウサギの群れと仲良くしたいと思うと、相手から怖がられて、これもうまくいきません。
ライオンはライオンらしく獲物を追って肉を食べ、ウサギはウサギらしく草を食べる。これがお互いにとって、平和に生きていく方法。無理して他者の真似をしてはいけません。

私たちも同じように、自分の特徴、強みを活かし、自分らしい生き方をすると、エネルギーがみなぎり、実力が発揮でき、ストレスもなく生きることができるのです。
努力は必要だけど、苦痛は感じにくくて済む
こういうことを言うと「理想を追わず、現状で満足しろってことですか?」と言われそうですが、そういうことではありません。
ウサギが肉食獣から上手に身を隠したりするために成長したり、ライオンが上手に狩りをするために練習することは必要です。つまり彼らだって、生き延びるために絶えず努力を惜しまないのです。
人間も同様に、自分らしくといっても、ボーっとしていてはたいてい何も起きません。夢が自分らしいもの、つまり自分が得意なことで叶いやすいものだとしても、努力はやはり必要になってきます。
とはいってもそれは苦痛を伴うものではなく、きっと楽しんでできるものでしょう。
一方で、本来自分に備わっていない能力が要求される願望を持ったり、自分からだいぶかけ離れた人物になったりしようとすると問題が起きます。
ですから、自分らしく生きるということが大事であり、それが結果としてラクに生きることにつながるわけです。
自己批判をしてしまったとき、どうするのがベストか?
「ラクに生きる=自分らしく生きる」ためには、自分らしさを受け入れ、自分を大切にすることが先決。そのためには、セルフ・コンパッションが必須となります。
以前セルフコンパッションに関する記事
「他人に言ったら絶対に嫌われる言葉を、自分に投げかけていませんか?」
https://digi-den.net/fujimoto-rieko/category-psychology/2022/07/15/11058/
を書きましたが、今日はその応用編です。
セルフ・コンパッションとは、他人を思いやるように自分を大切にすること。
ところで、動物が危険にさらされたとき、行うことは何でしょうか?
- 戦う
- 逃げる
- 固まる
いずれかではないでしょうか。
なお、これらは人間でも当てはまります。

そして、自己批判、すなわち、自分で自分を攻撃した際には、自分自身の中で次のような状態が起きています。
1.戦う→自己批判に対して抵抗している
2.逃げる→孤独になっている
3.固まる→頭の中で感情・思考がぐるぐる回り、身動きが取れなくなっている状態
ここからは、セルフ・コンパッションを提唱しているクリスティン・ネフ博士の見解を用いて説明していきます。
ネフ博士はこのような場合、次のような行動を起こすことを推奨しています。
1.戦う(戦いたいのなら=現状を積極的に変えようともがきたいのなら)→自分に優しくする
2.逃げる(逃げたいのなら)→人間の共通性に気づく(人間誰しもが共通して持っていることに気づく)
3.固まる(固まりたいのなら)→マインドフルネスを行う
そこで次回からは、この3つのパターンについて詳しく説明していきます。

著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。
資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
この記事へのコメントはありません。