自分に優しくすると、正しい努力が無理なく続けられるのはなぜか?

[ 仕事が辛い時の処方箋 ]

コツは、落ち込んだ友人に接するようにすること

前回の記事「そもそも、「ラクに生きる」ってどういうことを指すの?」で、「ラクに生きるというのは『自分らしく生きること』」だとお伝えしました。
そのために、自分ではないものを目指すのは危険であることも説明させていただきました。

さらには、自分らしく生きるために、次の3つのいずれかの行動を起こすことも提案しました。

1.戦う(戦いたいのなら=現状を積極的に変えようともがきたいのなら)→自分に優しくする
2.逃げる(逃げたいのなら)→人間の共通性に気づく(人間誰しもが共通して持っていることに気づく)
3.固まる(固まりたいのなら)→マインドフルネスを行う

今回の記事では、
1.戦う(戦いたいのなら=現状を積極的に変えようともがきたいのなら)→自分に優しくする
を掘り下げていくことにします。

精神的なストレスが内側に向いている時、私たちは自分自身を責めがちです。
ウサギが「どうしてライオンは狩りができるのに、自分はできないんだ!」と嘆き悲しむかの如く。けれども、そんなことをしても意味がないですし、何も解決しません。
実は人間も、こんなことをしてしまっているのです。

まずは自分が目指す方向が、本当に自分らしいことなのかどうかを、ここでも見つめ直す必要があります。
するとウサギは、いたずらにライオンを目指すことはなくなるのです。

そこでウサギは、「自分らしいとは、高くジャンプできることだ!」と、気づいたとしましょう。
でもこれだけでは不十分。いつでも自分の希望通りの高さまでジャンプするには、努力が必要となるからです。


ただし、安心してください。
その際も自分を責めるのではなく、落ち込んだ友人に接するように「大丈夫だよ、続けていけば上手くなるよ」「今回は失敗しちゃったけど、そんな時もあるよ」と、自分自身にも優しくしていけばいいのです。
すると、努力は無理なく続けられますし、自分らしさを発揮する結果を生む努力にもなります。
これこそが、セルフ・コンパッションであるのです。

安藤忠雄氏が日本を代表する建築家になれた理由

日本を代表する建築家の安藤忠雄さんは、若い時にプロボクサーになることを目指していました。
しかし、同じジムにファイティング原田選手が来たときに実力差に愕然とし、プロボクサーになることを断念します。
そこで大きく方向転換をして、今は建築家として成功されています。

まず自分がどの分野に興味があり、向いているのかということを、しっかり見極めることが大切です。憧れの人や周りの人がボクサーを目指しているからなど、周りの物差しで測るのではなく、自分の物差しで測ることが大切なのです。

建築家になった安藤さんですが、大学で建築を学んだわけでありません。学歴がないということでお客さんから信用が得られないなど、様々な困難が待ち受けていました。

しかし「自分はダメだ」と自分自身を責めることなく、「なにくそ!」と独学で建築を学びます。それも、自分が心底学びたいことを中心に勉強しました。つまり、自分らしく行動したのです。その結果、世界で知られる名建築家となりました。


多くの建築家が大学で同じような勉強をした一方で、安藤さんは大学で組まれがちなカリキュラムとは全く異なる勉強をしました。その結果、安藤さんは他に類を見ない才能を開花させ、世界に羽ばたいていったのです。

まずは、自分らしさとは何かということを、しっかり見つめることが大切です。その上で自分らしさを発揮するためには?を突き詰めていけば、夢が叶うための正しい努力を見極めることができるはずです。結果として、必ず何かしらの実を結びます。

努力には大きく2種類がある。「混ぜたら危険」もとい「混同したら危険」!

「努力」という言葉が出てきましたが、「努力」にもいろいろなものがあります。大きくは次の2つに分類されるでしょう。
「ベストを尽くす」ための「正しい努力」がある一方で、「無理をする」ことによる「間違った努力」も存在します。

この両者をごちゃごちゃにしている人が多いので、違いについて少し説明しておこうと思います。

例えば筋トレでも無理をしてやり続けてしまうと、関節を痛めたり、筋肉が大きく断裂してしまったりなどが起きやすくなります。筋力を強化するどころか体が動けなくなるという、本末転倒になってしまうのです。これが間違った努力。


同様に自分の健康や私生活を全てないがしろにして仕事に打ち込むなど、無理をし続けることは、ベストを尽くすこととは違います。
無理をし続けた結果、数年後に重篤な健康被害を及ぼしたり、家族との仲が崩れたりしてしまっては、すべてが台無しになるのです。
仕事を頑張ることは、あくまで手段であり、ゴールではありません。ゴールは幸せの獲得なのですから。

そこで健康や家族の時間など、自分の人生にとって大切なものをないがしろにしないうえで、仕事に集中することが大事なのです。
自分に大切なものを重要視するというのは、自分に優しくすることでもあります。

あなたは大丈夫でしょうか?
まずは自分を大切にし、自分の健康や、仲間となる家族などを優先することが欠かせないのです。


著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。

資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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