
リアクション王が喜ばれるのは、お笑いの世界だけの話。
[ 人生で最強の武器「聞き方」を極める。 ]
通常の会話は「ボケ」と「ツッコミ」で成立し“ません”
前回の記事「「話し上手は聞き上手」。わかっていても聞き上手になれない人が多いのはなぜか?」では、「話す」ことより「聞く」ことの重要性についてお伝えしました。
今回は、聞き方がよくないと損をするというお話を、拙書『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)より紹介します。
会話中に相手を不快にしてしまう人は、自分中心のリアクションをしがちです。
ジムトレーナー「スクワットしたほうがいいよ」
ヨガが趣味の人「ヨガでいう、チェアーポーズをやればいいってことか…」
ジムトレーナー「ヨガ用語で言われても知らんし」
ヨガが趣味の人「…」
これは無意識かもしれませんが、自分中心のリアクションです。仲の良い友人同士のツッコミだったらいいのですが、微妙な距離感の相手だと会話が終了します。
知らないことでも「ヨガに、チェアーポーズっていうスクワットみたいなのがあるの?」と相手を理解しようとするリアクションをしていれば、会話は続いたはずです。自分の知識も増えるし、いいこと尽くめですよね。
「チェアーポーズって知らない」と答えたとしてもその後に「どんなものかやってみてくれない?」と続ければ、盛り上がっていたでしょう。自分が興味のあることを聞かれると、人は夢中になって話したりしますから。
相手の話を聞くときに、心の矢印を自分ではなく相手に向けていなければ、ついつい自分中心のリアクションになりがちです。
自分が本当に思うことの中から、相手が喜びそうなことを一言目に
SNSは記事が話し手、コメントが応答ですから、コメントをする人は聞き手ともいえます。
「精進料理では五葷と言ってニンニク、玉ねぎ、ネギ、ニラ、ラッキョウは使いません。修行僧に過剰なエネルギーを与えないためです。」という記事に、コメントで「絶対無理!好きなものばかり!これらのない生活は考えられません。」と書いた人がいました。
正直に自分の思ったことをそのまま書いただけかもしれませんが、否定から入って自分の主張をする喜ばれないコメントです。
「精進料理ではそうなんですね!でも私は好きなので無理かも(笑)」と一旦、精進料理ではそれらの食材を使わないということを“受け止める”リアクションをすると、印象はだいぶ変わります。
「無理」だとコメントするにしても、その前に肯定したり、興味を示す反応をするだけで、発言者が受ける気持ちは格段に違ってきます。

SNSのコメントはよその庭に入って挨拶するようなものです。
よその庭でわざわざ「チューリップ植えているんですね。私はチューリップ嫌いなんです。」と挨拶する人は嫌われます。
嫌いだとしても、そんなことわざわざ言わなくていいですし、「綺麗な花ですね!」と嘘をついてまで褒める必要もありません。
庭で目が合ってしまって、「こんにちは」だけだとそっけないなと思って何か言いたいのであれば、「花の手入れができるなんてマメですね」など、自分が少しでも思うことの範囲で、少しでも相手が喜びそうな言葉を選ぶのが正解です。
「傾聴」に込められた深~い意味、知ってますか?
「傾聴」は「聴」という字に注目すると、左側は「耳」、右側は上から「十」「目(90度回転させれば)」「心」というふうに分解できます。
以上から「傾聴」は、<「十」の「目」と「耳」と「心」を相手に「傾」ける>と表現されるのです。
全ての人間には、口は一つで、耳が二つついています。これが、実際はそうではなくても十の目と耳と心で接してくるような人に自分がなれば、相手はとても喜ぶはずです。

対面でもSNSでも、人は自分のことを見て聞いて、理解してくれる人を求めています。ですから、「傾聴」こそが相手に歓迎されるわけです。
会話は相手が必ず存在します。自分を主張するのがメインではなく、相手を理解することが最優先事項です。
相手の気持ちを理解しようと思って話を聞く、あるいは記事を読むことをすると、「自分の意見を言いたい!」という欲求より、「あなたはこういう気持ちなんですね?」と相手をより正確に理解したいという欲求が生まれます。
すると自然に自分中心ではなく、相手中心の言葉選びができるようになります。
理解されて、不快になる人はいません。だから相手の話を聞いて、相手を理解しようとできる人が人から好かれるのです。
これは、ビジネスの現場でも同じこと。
次は、ビジネスシーンでの聞き方についてご紹介します。

著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。
資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
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