
質問は相手も自分もコントロールできるものである。
[ 「質問」は単なる「問いかけ」でなく「必殺技」である。 ]
1.質問を侮ることなかれ。あなたの人生を左右します
「質問」の前に、まずは「思考」とは何か?の確認が必須
先回までは話の「聞き方」についてお伝えしてきました。
聞き方は確かに大事ですが、単に相槌を打つ程度では「深い話」「相手がもっと聞きたいという会話」はできません。
そのために必要なのは「質問力」。そこで今回は拙著『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)より、質問について掘り下げていきます。
さて、質問についてお話しする前に、「思考」について少しご説明します。
思考とは、経験や知識をもとに頭を働かせること。より詳しく表現すると、「自分に質問して、自分で回答すること」でもあります。

例えば、「自分の人生で嬉しかったことは?」と頭に質問すると、嬉しかった出来事を意識が探し出します(回答する)。
反対に「自分の人生で悲しかったことは?」と質問すると、悲しかった出来事を思い出します。
だからコーチングでは、質問の質が人生の質になると言われます。
質問は自分の思考の方向を左右します。同様に会話の中では、人の思考も左右する重要なものです。では、質問について紹介していきます。
相手の本音をつかんで、気分を良くさせれば勝ち
質問が大事だというと、「じゃぁ、質問集を買おう!」と考える人がいます。でもこれでは、応用が効きません。
質問のフレーズを覚えるよりも、会話の本質を掴むことが大切です。そこでぜひ知っておきたいのは、次の2つ。
- 相手の本音をつかむ(相手の言いたいことは何かを理解する)
- 相手の気分が良くなる質問をする
人は誰しも自分を理解して欲しいと願っています。自分を否定する相手に人は心を開きません。
だから、カウンセリングでも受容と共感を大切にしながら「相手が一番いいたいことは何か?」という本音を、相手の気持ちを汲みながら話を聞きます。それがラポール(信頼関係)を築くための基本です。
さらに、人は気分がいい時にパフォーマンスが上がり、気分がいい時に買い物をします。だから、勉強や仕事を頑張りたい時や目標を達成したい時に、気分が良くなる声がけや質問をすれば、話を聞いてもらいやすくなります。
そして気分が良くなると、買う予定がなかったものまでつい買ってしまいます。だからトップのセールスパーソンやカリスマ販売員は、お客さまの気分をよくする質問が上手なのです。

目に見える情報をつかめずして、目に見えない情報はつかめない
では、どうすれば、相手の本音を知ることができるのでしょうか?
まずは、相手を細かく観察することです。相手を見ることで、相手の言葉にならない気持ちが表情や態度に現れるのに気づきます。
知人のトップセールスパーソンは、私が少し腕まくりをしただけで、「暑い?」とすぐに空調を調節してくれます。
せめて目ではっきりと見える情報だけでもつかめないと、目に見えない心も捉えることはできません。

相手をよく見て、相手が何を大切に生きているかということを、会話や行動から察することができなければ、相手の気分が良くなる質問をすることはできません。
心の矢印をいつも相手に向けておく姿勢が大切なのです。
今回は会話の本質についてお伝えしました。次回はさらに質問について深めていきますね!

著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。
資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
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