「いい質問ですね~」と相手の心をわしづかみにする質問、相手を不快にさせる質問

[ 「質問」は単なる「問いかけ」でなく「必殺技」である。 ]

話題には4種類が存在する。嫌われる話題とは?

先回の記事「質問は相手も自分もコントロールできるものである。」では、拙著『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)より、質問の本質についてお伝えしました。
今回は実際にご自身の普段の会話を振り返りながら、質問について考えていきましょう。

あなたは普段の会話の中で、自分が話したいことではなく、相手が話したい会話をちゃんとしていますか?(ちなみにカウンセリングやコーチングの世界では、このルールを守るのが基本になっています)

次の表をご覧ください。

○…興味があり、話したい話
✖️…興味がなく、話したくない話


自分○
相手○

自分✖️
相手○

自分○
相手✖️

自分✖️
相手✖️

この表で、恋愛・ビジネスなどで、相手の気持ちを掴みたい、信用されたいということなら「1」もしくは「2」を選ばないといけません。主役はあくまでも相手だからです。

人間関係がうまくいかない人は「3」に走りがち。相手ではなく、いつでも自分の興味関心があることしか話さない傾向にあります。
夫婦が会話しているとしましょう。

妻「最近、膝が痛くて。今日も接骨院で電気を当ててきて…」
夫「お前の接骨院の話なんてどうでもいい。ところで…」
妻「…」

という感じで、旦那さんが奥さんの話を「興味がない」と遮(さえぎ)ってしまいました。気を遣わない関係だからこそ、遠慮がなくなってしまう場合も多いものです。


トップセールスである私の友人は、自分は興味がない話を聞くときも、「この話は自分は関係なさそうだけど、自分のお客さんである経営者が興味をもってくれそうだな」といったように、自分の周りの誰かに役に立つのでは? と思ってどんな話も興味深く聞くそうです。

私もどんな人の話も「自分のクライアントさんの悩みに通じるかもしれない」と思って聞いているので、直接自分に関係のないことでも相手の話を聞くようにしています。

相手が関心のない話題も、使い方次第

とはいっても、どんなときも「1」と「2」だけにするのは無理のあることですし、「3」がどうしても必要になることも必ずあるでしょう。
でも切り出し方で、「3」が受け入れられることだってあります。「ちょっと聞いて欲しい話があるんだけど…」と切り出して話せば、許してもらえることは多いでしょう。

ただし、そのような前振りがあれば「3」はいくらでもしていいわけでは、もちろんありません。頻度はほどほどにしましょう。

「4」すなわち「相手も自分もさほど興味のない話」なんて、誰も必要としていないと思ったかもしれませんが、そんなことはありません。いつでもOKとはいいませんが、使い方次第では、重宝する話題になります。

初対面やほとんど話したことのない相手の場合は、「今日は涼しいですね?」など、話すキッカケとして儀礼的に使うのはむしろ推奨されるでしょう。ただし、必要以上に長くは話さないことがポイントです。
いきなり込み入った話をするのもどうかという場合が多いので、最初のうちはむしろ使える話題となります。

相手が興味のある話題を探り当てる質問・3つの例

では、自分が興味のある話はわかるでしょうが、相手の興味のある話はどのようにすれば知ることができるのでしょうか。

基本的には、普段から相手の興味関心は何か? と考え、心の矢印を向けておくことが必要ですが、言うは易く行うは難し。それほど簡単にできない場合も多いでしょう。

そこで役立つのが、今回のテーマ「質問」なのです。相手の興味関心は何かを、質問することで探ることができます。例えば、次のような質問が有効になります。

【1】以前に相手が話していた話題から質問
・前回の相手の会話「孫が、今年小学校へ入学してね」→質問「お孫さん、お元気ですか?」
☞人は自分が興味・関心のあることが何気ない会話の中に現れるものです。それを見過ごさないでキャッチすることが大切です。

【2】相手の背景から質問
・仕事を頑張っている人→質問「最近、お仕事お忙しいですか?」
・子育てに忙しい人→質問「お子さん、大きくなりましたね。子育て大変じゃないですか?」
☞相手の背景を理解せず質問すると、地雷を踏むことがあります。例えば、仕事を頑張っている人に「結婚はいつするの?」と質問した場合。自分は親切心から言った言葉かもしれませんが、相手からすれば「仕事一筋で家庭は二の次している自分の生き方」を否定されたように感じます。

【3】商品・サービスの問い合わせをくれたお客様への質問
・買い替えたい→「お使いの商品は、何か使いづらい点がございましたか?」
☞不便な点や使い勝手について質問することで、お客様に本当に必要な商品を提案することができます。売りたい商品があっても、そこはいったんグッとこらえてこのような質問から入ることで、「自分の悩みを聞き入れてくれる」「私のことに興味を示してくれている」というようにお客様の心を掴み、同時にお客様の抱える問題を解決することができます。


まずは、質問して相手の関心事を知った上で会話を進めた方が、自分が勝手に話をするより会話は盛り上がります。さらに、相手を不快にするリスクもずっと減ります。仕事なら最後に出した例のようにすることで、契約や購入が決まることだってあるのです。

相手が話したい話をするためには、まずは、相手がしてほしい質問をすることからスタートです。

次回は、質問の種類について深堀していきます。


著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。

資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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