質問上手は、2種類の質問を長所・短所を踏まえて使いこなす

[ 「質問」は単なる「問いかけ」でなく「必殺技」である。 ]

質問には大きく次の2種類が存在する

先回の記事”「いい質問ですね~」と相手の心をわしづかみにする質問、相手を不快にさせる質問”にて、拙著『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)を参考に、相手がして欲しい質問をする、についてお伝えしました。
今回は基本的な質問の種類についてお伝えします。

代表的な質問の種類に「オープンクエッション」と「クローズクエッション」があります。会話が上手な人はこの質問を巧みに使い分けます。

質問の種類クローズクエッションオープンクエッション
解説YES・NOで答えられる質問。もしくは選ばせる質問。YES・NOで答えられない質問。回答範囲を限定しない自由度の高い質問
具体例数学は得意?
肉と魚どちらが好き?
好きな食べ物は?
メリット・答えやすい
・回答を素早く得ることができる
・自由な意見を引き出せる
・深く考えてもらいやすい
・会話が広がりやすい
デメリット・会話を広げにくい
・相手が回答したいことを話せない場合がある
・尋問のようになることがある
・回答者の心理的負担が大きい
・明確な回答が得られない場合がある
・回答に時間がかかる場合がある

クローズクエスチョンの長所と短所

カウンセラーの先輩は、緘黙児(かんもくじ:特定の場面で話せなくなる子)のケアにあたっていました。
このケアでは、クローズクエッションが有効でした。「はい」か「いいえ」で答えられるので、「今日は学校へ行った?」と質問すれば、声を出さなくても、首を縦に振ればYES、横に振ればNOと答えることができ、言葉を発することに抵抗がある子供でも心理的な抵抗がなく、答えやすいのです。

クローズクエッションは、ビジネスシーンでも役立ちます。「お忘れ物はございませんか?」「今回、はじめて機械の導入をお考えですか?」といった質問であれば、回答を素早くもらうことができ、時間の短縮が図れ、口が重い方でも話すきっかけを作りやすくなります。


反面、「自家用車はお持ちですか?」「他店はもうご覧になられましたか?」など担当直入に質問者が欲しい情報を聞き出すことはできますが、立て続けに質問すると尋問のように感じられる場合があります。相手の表情や、質問のタイミングに注意が必要です。

また、質問者が回答範囲を限定しているので、質問したこと以外の情報は入ってきません。会話を広げにくいというデメリットもあります。

オープンクエスチョンの長所と短所

オープンクエッションは、「導入いただいた商品の調子はいかがでしょうか?」「変更をお考えになった理由はございますか?」などYES・Noでは答えることができない自由回答式の質問です。

一言では表すことのできない気持ちや本音を聞くことができ、多くの情報を収集できるというメリットがあります。

しかし、オープンクエッションでの投げかけが、「コミュニケーションで困っていることはありますか?」など、回答の範囲が広すぎて答えにくい場合があります。答えにくい=心理的負担が発生します。

その場合、「初対面の人と会うのが緊張する、部下を叱ることができないなどコミュニケーションについて困っていることはありますか?」と事例を含ませ、あえて範囲を狭める工夫が必要なことも。
すると相手は、回答の範囲をイメージしやすくなり、答えやすくなります。


今回は質問の種類、オープンクエッションとクローズクエッションについてお伝えしました。

次回は、実践編となるでしょうか。私が具体的にどのように使っているかをお伝えしますね!


著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。

資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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