過去よりも未来を見据えた質問ができる人は、うまくいきやすい

[ 「質問」は単なる「問いかけ」でなく「必殺技」である。 ]

過去を突っ込まれると、人は意気消沈しやすい

“「質問」で、漠然とした不安を解消する ~省略を解消し具体化させるのが秘訣”が前回のテーマ。参考資料として、拙著『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)を活用するのは前回と同じですが、今回は「解決志向未来型の質問」について取り上げていきます。

まずは、次の2つの質問を見比べてください。

A「なぜ、同じミスが繰り返されるのか?」
B「何があれば、一度した失敗を繰り返さずに済むのか?」

どちらも近いことを聞いていますが、だいぶ違う印象を受けたのではないでしょうか。

会議でAの質問(会議だと議題)について話し合いが行われるとしたら、どう感じるでしょうか? ちょっと憂鬱な気分になりませんか?
責められるかもしれない状況で、自分の身を守りたいという安全安心欲求があるからです。

過去は変えられません。ですから人は、過去に起こってしまった出来事に対して「なぜ?」と聞かれると言い訳、いい逃れしかでてきません。

人間関係悪化、解決策が生まれないという残念なオマケまで付くことも…

特に人間関係で「なぜ?」と質問すると犯人探しが始まり、余計に関係が悪化することがあります。
しかも原因がわかったからといって、解決がセットになっているとは限らないのも厄介なところです。

例えば、赤色の靴があったとして、売れない原因が赤色という色にあったとすれば、では何色に変えると売れるのでしょうか?
これは、売れない原因がわかっても、解決がセットになっていないのです。


しかし、私たちは原因追求が大好きです。
機械なら故障の原因を究明することが大切ですが、いつも原因の追求が解決につながるわけではないのです。

なぜ未来を聞かれるのが一番ポジティブになれるのか

一方、Bは解決思考未来型の質問です。これは、「タイムラインが未来にあり、解決にフォーカスしています。

過去・現在・未来とタイムラインがあったら、人はどこで考えるのが一番自由度が高いでしょか?

過去は変えられません。現在も問題が起こっている時は、気持ちが焦っていたり、視野が狭くなりがちです。つまり、未来が一番、何の制限もなく自由な発想が可能なのです。

人はリラックスしているときアイディアが生まれやすいのは、さまざまな研究で明らかになっています。
だから、質問も解決にフォーカスする、タイムラインが未来になっていると問題解決につながりやすいのです。

「このプロジェクトは何があれば前進する?」
「宿題は今のところ、どこまでできているの?」
「やせるために、試してみたいことは何?」
「今までに有効だった方法ってある?」

これらは、全て解決志向未来型の質問です。


前項のような過去を突っ込む質問では、責められているように感じて「きっと無理だろう」と不可能感が高まり、行動したくなくなります。

一方で解決思考未来型の質問の場合、「やればできるかも!」と可能性を感じ、チャレンジしようと思う人が多いのです。

「できそうな感じ」が高まる質問でなければ、人は行動を起こす気になれません。そして、現状を変えることが出来るのは行動です。

特に新しく何かを始めるときはパワーが要ります。相手に「やればできるかも!」と思わせられる人は、他人をサポートする仕事やリーダーに向いています。

ぜひ、上手に解決志向未来型の質問を活用してくださいね!
次回は、「指示を与えるのではなく質問する」がテーマとなります。


著書『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(明日香出版社)は4万9千部を超え、現在も重版中。「今、読むべき本」ランキング1位を総ナメにした話題作の続編として、待望の2冊目『なぜかうまくいく人の気遣い 100の習慣』(明日香出版社)が出版された。この新刊は発売前から重版がかかる等、今、注目のベストセラー作家である。複数ジャンルの心理学をベースとした独自の手法を持ち、婚活から就活、人間関係まで、語れないテーマはないと誇れるほどの活動幅を持つ。企業・大学・公共機関での登壇や個人カウンセリングは予約が取りにくい状況である。

資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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