感情は生理現象。出さないと一大事。無駄な感情など存在しない。

[ 最も付き合いにくい「恥」という感情を味方につける方法 ]

ネガティブな感情を避ける理由なんてありません

あなたは、ポジティブな感情はいいけど、ネガティブな感情は出してはいけないと思っていませんか?喜怒哀楽があるとして、喜楽はいいけど、怒哀はダメだと感じている人は多いのではないでしょうか?

感情は生理現象と同じです。例えば、お腹はすいて食べるのはOKだけど、トイレで排泄するのはNGだったら、私たちはあっという間に病気になります。

だから、抑え込まないといけないダメな感情などないのです。感情は私たちにとって、さらには生物として、生き残るためのコミュニケーション手段ですから。

それと、ネガティブにとらえられがちな「恐怖」は危険を教えてくれ、身を守るための感情です。
犬でも恐怖を感じると尻尾をお腹の下に隠して、犬小屋に隠れて身を守ります。人間も、スズメバチが襲ってきたら、恐怖を感じて逃げます。
恐怖を感じるって大切なんです。


「怒り」は自他の境界をはっきりさせたり、問題を解決するのに役立つ感情です。
大切なものを壊されたり、馬鹿にされたら怒ることで、相手にここから先は許されないラインだと知らせます。

「悲しみ」は絆を作ったり、確かめたりするための感情です。
お葬式では、故人を偲び、「おじいちゃんは、本当にいい人だった」というようにみんなで泣くことで、故人と結んでいた絆を残された人間で結び直す作業をしています。
また、涙を流すことで、自分の心の傷を癒やしていきます。映画を見て涙を流すことでスッキリした経験は誰もがもっているのではないでしょうか?
そして、誰かが泣いていると、人は「どうしたの?」と声をかけます。悲しむことで、誰かに気にかけてもらい、愛情をもらうためのサインをだしているのです。

喜びや楽しさは、単に快感だけで終わるような安っぽいものではない

「喜び」「楽しさ」は、自分がこの世で生きるためのリソースを増やす感情です。
人と繋がるのが喜びの人もいれば、一人でコツコツと何かを積み上げ達成していくことに喜びを感じる人もいます。
体験は違えど、それが生きる喜びや元気の源になります。まさに、生きる基本となる感情なのです。

感情に入れられることがなさそうな「好奇心」も、広くとらえれば感情の一種ではないでしょうか。「好奇心」は生きていくチャンスを増やす働きをします。
外猫は、自分の縄張りをパトロールしつつ、新たに発見した生き物や場所、物に関心を持ちます。その対象を追いかけたり、調べて安全確認したりします。
だから、新しいことを知ろうとするのは、生存の可能性や選択肢を増やすことにつながるのです。

同様に喜怒哀楽には含まれない「満足感」だって感情の一つ。「満足感」は例えば、散らかった部屋を片付けると「きれいになった。自分もやればできる!」と思ったり、登山で山頂まで登ることができたら「険しい道のりだったけど、よくやりとげた。自分は根性があるなぁ」と自分の体験を振り返り、統合することで自分という存在形成をすることにつながる感情でしょう。

怒りを抑えるのは、トイレに行かないのと同じ

感情は身体と密接に結びついています。
真っ赤な顔で激昂(げっこう:激しく怒って興奮すること)する。恐怖で身を震わす。喜こびで顔が綻(ほころ)ぶなど、身体と感情は一体化しています。
犬も喜べば尻尾を振り、威嚇(いかく)するときは毛を逆立てて牙を向きます。

感情のプログラムは大脳辺縁系を基点とし、身体中に張り巡らせている哺乳類の普遍的なものなのです。

一時期、アンガーマネジメントが流行したとき、いかに怒りをコントロールするかというのが注目されました。
この時、「怒るのはよくない」「怒らないように」と我慢する方法や抑圧する方向へ努力してしまった人も多いのではないでしょうか?

しかし、感情を抑圧することはトイレに行くのを我慢するようなもので上手くいかないのです。
次回は、そのあたりを詳しく説明していきます。


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国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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