取扱い超困難な「恥」と上手に付き合う方法、教えます。

[ 最も付き合いにくい「恥」という感情を味方につける方法 ]

<「悲しみ」「怒り」>グループと、<「恐怖」「恥」>グループの違いとは?

罪悪感は「私は間違えた」という感覚であり、周囲との関係修復を目指すもの。
これに対して、恥は「私は間違いだ」という感覚で、周りから遠ざかり、孤立に向かうもの。
これが、前回の記事「「恥」と「罪悪感」の違いとは?」でお伝えしたことです。

この取り扱いが難しい「恥」と、どうしたら上手に付き合えるか?
こちらを、今回の議題としましょう。

悲しみは「自分の心の傷を癒す感情」「みんなで共に泣くことで、絆を確かめる感情」です。
怒りは「自他の境界をはっきりさせ、これ以上は立ち入らないでと表明をするための感情」「問題を解決するのに役立つ感情」です。
だからこれらの感情は、今の状況から一歩前に踏み出す「前進感情」とも呼べます。

しかし、恐怖と恥はその場から離れ、相手を遠ざけようとする感情で、「退却感情」です。
だから、

・自分には価値がない
・自分は必要とされていない
・私は欠陥品だ
・私は誰にも愛されない

などの「中核的な恥(コア・シェイム)」を持っていると、仲良くなりたくても無意識に自分でその関係を壊したり、遠ざけたりしてしまって、人と心理的な距離を縮めることが難しくなります。

恥が恥を呼ぶ

些細な間違いや失敗でも、恥の感情に圧倒されやすくなります。

例えば、「自分は醜い」と自分の容姿を恥じていることで、意中の人にアプローチをするのを怖がる。
「容姿が劣るから仕事で結果を出さなければ、人から認められない」と、仕事をがむしゃらに頑張る。

このように恥が、選択する行動に影響を与えるのです。


そして、仕事で失敗すると「自分はもうダメだ」と思い込んでしまうこともあります。

しかも恥は、抑え込んだり、隠したりしてしまうことが多い感情。
でも感情は、前の記事でもご説明しましたが、生理現象と同じ。トイレを我慢すると病気になってしまうように、無理やり隠して抑え込んでしまうことで、有害な力を撒き散らすこともあるのです。

例えば、自分が醜いと感じ、ストレスを感じて過食に走る。過食して嘔吐する自分に自己嫌悪し、また食べる。過食自体を恥じ、それを人に知られたくないと思う。恥を埋めるためにさらに食べ物が必要になる。
こんなふうに悪循環を繰り返すのは、まさに、恥が恥を呼ぶ現象だといえるでしょう。

他にも、恥じることで「馬鹿にするな!!」と怒り狂うことがありますが、これは恥を感じるのが辛いので、怒りや攻撃に変換しているのです。

だから、隠された恥をそのままにしておくのは危険なのです。

恥ずかしくたっていいじゃないか。人間だもの

ではどうすればいいのでしょうか? 「セルフ・コンパッション=自分を思いやること」で大切とされている「共通の人間性」に気づくことが、解決の糸口となります。

共通の人間性とは「苦しんでいるのは自分だけではない。完璧な人間なんていないこと」です。

恥は、他者を遠ざけ、あなたを孤独にします。だから、恥のサイクルから抜け出す鍵は「自分だけではない」と、孤独な世界から仲間がいる世界へ戻ってくることなのです。

セルフ・コンパッションの世界では、「中核的な恥(コア・シェイム)」は人類共通なもので、だいたい10〜15個ぐらいに限定されると言われています。

人の恥について知ると「自分だけじゃないんだ。気が楽になった」と思えるのが私たち人間なのです。

だから、本当に信頼できる人やカウンセラーなどに自分が恥じている部分を話していくことが、恥の解毒剤となるのです。

他にも、何か恥じる感情が出てきたら「そんなこともあるよ。人間だもの。」と相田みつをさんの言葉のように、他人に向けるような優しさを自分に向けることも大切です。


このように恥は、逃げ回るより認める方がラクになるものなのです。

是非、自分が恥ずかしいと思っているものを隠さず、信頼できる人物に話す。自分を自分で許す。優しい言葉をかける。
こんなことを心掛けてみてください!


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資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら

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