
なぜあなたはやるべきことを先延ばしにしてしまうのか?②
[ 人生を好転させる潜在意識の活用法 ]
なぜ、試験前に急に掃除をしたくなるのか
学生時代、試験前に急に机の上の整理や部屋の掃除をはじめた経験はありませんか?私は何度もあります(汗)。
なぜ試験前に勉強することを先延ばしにして、私たちは掃除をはじめてしまうのでしょう。
それは、脳がやる気を出し惜しみしているからです。
「え? 脳ってやる気を出し惜しみするの?」と思ったあなた、お気持ち分かります。私も初めて知った時は、とても驚きました。
人類は基本的に、生命を維持することが最優先事項です。これは本能的な問題で、あなたの価値観とは別物です。
例えば仕事でクタクタに疲れて、もう一歩も動けないと思っていても、突然大地震が起きてビルが倒壊しはじめたら、あなたは全力で逃げますよね。
その気力はどこから湧いてくるのでしょうか?
実はこれは、脳がストックしておいた「やる気」なのです。
脳はいざという時のために、普段はやる気を出し惜しみしているのです。
脳はやる気をケチッているのです。
そこで、私たちはお財布の紐が硬い奥さんから、1000円でもお小遣いを引き出したい旦那さんのように、脳がやる気を出してくれるよう促す必要があるのです。
脳は「見通しが明るいこと」にしかやる気を出さない
脳がやる気を出す対象は、先に述べたように「生命維持」に関わることや「身の安全を守る」ことです。
また、人間は社会性を重視する生き物です。社会の中で生き延びるためにも、人に褒められたり、評価されることが重要になります。
ある行動を取ることで、人から褒められたり評価されることが明確であれば、脳は「やる気」を出します。つまり、脳がやる気を与える条件の1つは「見通しが明るいこと」なのです。逆に言えば、成果が出るか分からない、やったことのないことに貴重なやる気を使いたくないのです。
試験勉強にやる気を出しても、いい点を取れるかわかりません。けれど、掃除はやれば必ずある程度キレイになることが経験上わかっています。だから、脳は試験勉強にはやる気を出さず、部屋の掃除にやる気を出してくれるのです。

この脳の仕組みがわかれば、逆手にとって脳にやる気を出してもらい、先延ばし行動を遮断することができるのです。
やるべきことを細分化して、脳に「見通しが明るいな」と納得させる
仕事でプレゼン資料を作ることを先延ばしにしているとします。脳は「プレゼン資料をどうやって作るか?」「それが必ず社会的な評価を受けるのか?」と考え、なかなかやる気を出してくれません。
そこで、下記のようにやるべきことを細分化するのです。
・プレゼン資料の作り方に関する本をAmazonで購入する
・資料内に入れるエクセルデータを、PCのフォルダ内にまとめる
・プレゼン日から逆算して、何をいつまでにやるかタイムスケジュールを立てる
・資料作りに必要な資料を調べる
このように、まずは脳が「見通しが明るいな」と判断できるくらいまでにタスクを小さくすることが大切です。それができたら、とにかくその小さなタスクに取り掛かるのです。取り掛かることで、人には「作業興奮」と呼ばれる集中力が出る仕組みが生まれ、作業が進むのです。
このように、ものごとを具体的にしたり細分化することでどう行動すればいいか分かりやすくすることを、コーチングでは「チャンクダウン」といいます。チャンクとは塊のことです。
例えば、いくらお肉が好きでも「牛一頭プレゼントします」といわれたらどうでしょうか。どうやって食べればいいか分からず困ってしまいますよね。
でも、サイコロステーキ状になっていたら食べることができます。
つまり、やるべき行動を自分が簡単にできる範囲まで細分化することで、一番負荷がかかるはじめの一歩を踏み出せるようにするのです。
このような小さな工夫で、あなたはやる気を手に入れ、先延ばし行動から卒業できます。ぜひ、トライしてみてください!

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資格・専門分野
国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、色彩検定1級カラーセラピストパーソナルカラーアナリスト、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー日本交流分析協会認定インストラクター、協会認定骨格診断ファッションアナリスト。藤本梨恵子さんの紹介ページは→こちら
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