
これ、「オーナーデビュー」の失敗例。「稼ぎ方の種類」を正しく知るのが大事
[ 膨大な富裕層から学んだ、新人社員でもできる!意外に知らないお金の話 ]
稼ぎ方のごく一部しか知らない人がほとんど
前回までの記事では、
「資本主義社会は、オーナー優遇で会社員は冷遇されている。けれど、会社員にもメリットもたくさんある。FIREブームに流されるままリタイアするのはもったいない。まずは『会社員×オーナー』という選択肢もありますよ。」
という内容を解説してきました。
それでもFIREを目指したいなら
「ライフイベントごとの費用と必要額をしっかり計算して、『①収入を増やす ②支出を減らす ③期間を延ばす』のうち、どれなら飲み込めるのか自分の中で明確にしておきましょう。」
ともお伝えしました。
今回は、上記の「①収入を増やす ②支出を減らす ③期間を延ばす」のうち、一番大事でありつつもイメージがしにくい①の要素について解説していきます。
ここで一つ質問ですが、皆さんは「収入を増やす」と聞いてどんな方法が思いつきますか? 「残業を増やす」「出世する」「転職する」「アルバイトを始める」などを真っ先に思いついたかもしれません。

しかし、大きく分類するとこれらは稼ぎ方の一種でしかなく、お金を稼ぐ方法は他にも色々あります。
日本の教育は労働者を育てることに重きを置いているので、職業については手厚く教えてくれますが、稼ぎ方については教えてもらえません。
一方で世間で「お金持ち」と呼ばれる人たちは、どんな稼ぎ方があるのか知っていて、普段からそれを一覧で見ています。
毎年使う「とある書類」にすべて書いてあるからです。会社員の方でも、お金の勉強をしたことがある方なら見たことがあるかもしれません。
その「とある書類」とは何なのか?
それは「確定申告書」。
確定申告書の中には、日本における「稼ぎ方=収入」が一覧で記載されているのです。実際に見てみましょう。


税金や社会保険料が搾取される収入はどれか?
左側にある収入金額の欄にあるのが収入の一覧です。たくさん並んでいるので分かりにくいですが、大きく分けると次の10種類になっています。
【給与・事業・利子・配当・譲渡・不動産・一時・退職・山林・雑】
先ほど紹介した「残業を増やす」「出世する」「転職する」「アルバイトを始める」をこれに当てはめると、どれも「給与収入」にまとめられてしまいます。実は、数ある稼ぎ方のうちの1つでしかありません。
そして、本連載の過去の記事でお伝えした通り、この「給与収入」に当てはまってしまうと税金や社会保険料が取られ放題になります。
そのため、資産形成を加速させるためには「給与」以外の収入を手に入れる必要があります。

つまり、「収入を増やす」とは、厳密にいえば「収入“の種類”を増やす」が正しい答えです。この点が「会社員×オーナー」を目指すうえで非常に大事なポイントになってきます。
具体的には、会社員としての収入【給与・退職】+特殊なもの【一時・山林・雑】を除いた、次の5種類のどれかに当てはまっているかどうかが重要になってきます。
【事業・利子・配当・譲渡・不動産】
同じ行動でも、オーナーになれる場合となれない場合が存在する
たとえば、
・せどりなどの副業を始めるなら【事業・雑】⇒ ビジネスオーナー
・株式や投資信託を運用するなら【譲渡・配当】⇒ 株式オーナー
・不動産から家賃収入を得るなら【不動産】⇒ 不動産オーナー
に当てはまるので、これらは問題ないといえます。
しかし最近は働き方や投資商品が増えてきており、一見すると別の収入区分と同じように見えるものがあります。たとえば次のようなものです。
・ウーバーイーツの個人事業主として配達するなら【事業・雑】⇒ビジネスオーナー
・マクドナルドのアルバイトとして配達するなら【給与】⇒×ビジネスオーナー
・保険会社を経由して株式や投資信託を運用するなら【雑・一時】⇒ ×株式オーナー
・投資会社を経由して家賃収入を得るなら【雑】⇒ ×不動産オーナー
どの収入区分に当てはまるかによって、同じ金額を稼いでいても出ていくお金は全然違います。せっかくのオーナーデビューで、一歩目からつまずいてしまうのはとてももったいないです。

これから「会社員×オーナー」を目指して新しい取り組みを始めるにあたっては、「自分がどのオーナーを目指しているのか」そして、「その取り組みがどの収入に当てはまるのか」をしっかり理解しておく必要があります。
表面的な特徴にだまされて失敗してしまわないよう、オーナーごとの特徴や見分け方をこれから一緒に勉強していきましょう。

大手税理士法人の富裕層対応チームで育ったさすらいのマガモ。
Twitterを中心に、家計・副業・投資に役立つお金の知識を発信中。
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