オーナーデビュー最初の一歩 ~「つみたてNISA」と「iDeCo」

[ 膨大な富裕層から学んだ、新人社員でもできる!意外に知らないお金の話 ]

前回までの記事では、
「世間では『FIRE』がブームだけど、『会社員×オーナー』という選択肢もアリですよ。けど、稼ぎ方に気を付けないと『FIRE』どころか『会社員×オーナー』の一歩目で躓(つまづ)くかもしれません。」
という内容を解説してきました。

解決策としては、
「『自分がどのオーナーを目指しているのか』『今やろうとしている稼ぎ方が、どの収入に当てはまるのか』をしっかり理解して、表面的な特徴にだまされないように一緒に勉強していきましょう。」
というのが前回の結論でした。

目次
「『つみたてNISA』と『iDeCo』、オススメはどっち?」の回答はコレ
自分のコントロールできない範囲のリスクが大きく3種存在する
「つみたてNISA」のメリット&デメリット
「iDeCo」のメリット&デメリット
「つみたてNISA」「iDeCo」どっちがオススメ? 結論は…?

「『つみたてNISA』と『iDeCo』、オススメはどっち?」の回答はコレ

今回は、オーナーデビューの一歩目としてチャレンジしやすい「株式オーナー」。中でも、人気の「つみたてNISA」「iDeCo」について解説していきます。

まず最初に、この話題で一番質問の多い「つみたてNISAとiDeCoはどっちがオススメなの?」の答えをお伝えしておきます。

結論は、
「とりあえずつみたてNISAがオススメ」
です。

もっと言うなら
「投資初心者ならつみたてNISA」
「老後資金を効率よく増やしたいならiDeCo」
「お金がたくさんあるなら併用」
が答えになります。

自分のコントロールできない範囲のリスクが大きく3種存在する

詳細については後ほどお伝えしますが、先に大事な前提があります。それは、つみたてNISAもiDeCoも「必ず増えて返ってくるわけではない」ということです。

どちらも”投資”であることには変わらないので、以下の①~③にあるような「投資の3大リスク」を避けることはできません。

①価格変動リスク
投資商品の価格が上がれば儲けが出て、下がれば損になる。

②金利変動リスク
市場金利が上がると債券価格が下がる。逆なら儲けが出る。
債券を買ったあと金利が上がると損。金利が下がると儲け。

③為替変動リスク
為替レートの変動によって外貨建て資産の価格が変わる。
円安だと円に換えるとき損。円高だと円に換えるとき儲け。

詳しくは別の記事で解説しますが、この3つの投資リスクはこちら側でコントロールすることができません。自分がお金を使いたいタイミングでどれか一つでも噛み合わないと、資産が目減りする可能性があります。

つみたてNISAもiDeCoも国が用意した制度で、投資できる商品は厳選されたものだけ。そのため、他の投資と比べると損しにくい設計にはなっていますが、投資リスクそのものはなくなっていません。

そのため、「つみたてNISAとiDeCoどっちがいいのか?」の比較は、
①儲けが出た場合に手残りが多いのはどちらか?
②損が出た場合、どっちのほうがマシなのか?
というレベルの話です。
税制優遇で1万円おトクになっても、投資リスクで10万円を損することもあります。
どちらも安全ではない点には注意が必要です。

以上を前提として特徴とメリット・デメリットをまとめると次のとおりです。

「つみたてNISA」のメリット&デメリット

●特徴

商品選びで失敗する可能性の低い、「投資初心者向けセット」のような制度

●メリット

・少額(100円~)から運用可能
・年間の非課税投資枠が大きい(40万円)
・いつでもやめられる
・低コストの優良商品が多い

●デメリット

・スイッチングできない(後述)
・所得控除がない
・非課税期間が20年間しかない
・投資商品のラインナップが少ない

「iDeCo」のメリット&デメリット

●特徴

老後資金の準備を助けてくれる、「年金サポートセット」のような制度

●メリット

・スイッチングできる(後述)
・所得控除がある
・最大65歳まで加入できる
・投資商品のラインナップが多い

●デメリット

・最低金額(月5000円)が決まっている
・年間の拠出金上限が少ない(会社員なら27.6万円)
・60歳まで引き出せない
・手数料がかかる(開設時3000円弱+年2000~7000円ほど)

「つみたてNISA」「iDeCo」どっちがオススメ? 結論は…?

このように、つみたてNISAは気軽に投資を始められる一方で、iDeCoは少しハードルが高くなっています。そもそもiDeCoの正式名称は「個人型確定拠出”年金”」、つまり年金の一種なので、投資よりも社会保険料に近いと思ったほうが良いかもしれません。

ちなみに、「スイッチング」は積み立ててきた資産の商品構成などを変更することで、iDeCoはこのスイッチングで手数料や税金が発生しないようになっています。

そのため、若いうちは株式などのリスクの高い商品を積み立てて、退職が近づいたらリスクの低い定期預金などにiDeCoの中身を組み替える。といった運用ができます。

ここまでの内容を踏まえたうえで、誤解を恐れずにざっくりまとめると、”「つみたてNISA」「iDeCo」どっちがいいの?”問題の答えは次のようになります。

●つみたて「NISA」「iDeCo」のどちらもやったほうがいい人

・目減りしても困らないほどお金がある
・節税メリットをMAXまで使いたい

●つみたて「NISA」「iDeCo」のどちらもやらない方がいい人

・投資をすると生活に影響がある
・直近で大きな支出がある

●「iDeCo」よりも「つみたてNISA」をやった方がいい人

・収入がなく所得控除の恩恵が受けられない
・投資に割く労力や時間があまりない

●「つみたてNISA」より「iDeCo」をやった方がいい人

・老後資金を効率よく増やしたい
・勉強して資産配分を自分で決めたい

以上が「つみたてNISAとiDeCoはどっちがオススメなの?」の結論になります。
今回は大きな特徴やメリット・デメリットをお伝えしてきたので、よくわからないところも多かったかもしれません。

とりあえず次の3点だけ何となくわかれば大丈夫です。
①つみたてNISAとiDeCoのどちらも投資リスクを抱えている
②つみたてNISAは投資初心者、iDeCoは老後資金向けに特化している
③使いこなせればiDeCoの方が効果は大きい

次回の記事では、今回の内容をさらに深堀りして解説していきます。


大手税理士法人の富裕層対応チームで育ったさすらいのマガモ。
Twitterを中心に、家計・副業・投資に役立つお金の知識を発信中。
かもさんの紹介ページは→こちら


関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。