ビジネスオーナーになるだけで、いろんなワザが使えてしまう

[ 膨大な富裕層から学んだ、新人社員でもできる!意外に知らないお金の話 ]

目次
「ビジネスオーナーには、メリットがたくさんある!
1)支払いを経費にできる
2)社会保険料を抑えられる
3)家族に給料を支払える
4)資産運用手段が増える

ビジネスオーナーには、メリットがたくさんある!

前回の記事までは、
「オーナーデビューにあたっては、『つみたてNISA』や『iDeCo』など、国からの優遇を受けながら投資を始めるのがオススメ。ただ、『iDeCo』は使いこなすのが難しいので、まずは『つみたてNISA』で投資経験を積むことや、収入アップや支出ダウンを優先しましょう」
という内容を解説してきました。  

今回からは、収入をアップするための方法の一つとして「ビジネスオーナー」について深掘りしていきましょう。

収入アップの方法には転職や起業・独立などもありますが、強い思い切りが必要ですし、確実に成果が出るか分かりません。
一方で、ビジネスオーナーの場合には、ものによっては安定した成果を得られますし、将来的には事業を大きく育てられるものもあります。

また、次のような特徴があるため、他のオーナーと比べても手残りを多くしやすいです。

1)支払いを経費にできる
2)社会保険料を抑えられる
3)家族に給料を支払える
4)資産運用手段が増える

『つみたてNISA』や『iDeCo』の次に取り組みやすく、ビジネスで稼いだ収入をこれらの投資の元手にも回せば、資産形成のスピードアップにもつなげられます。

今回はビジネスオーナー。中でも、個人事業主に関するものを中心に特徴をさらっと解説していきます。これから副業を始めたい方は、ぜひここでポイントを抑えておきましょう。

1)支払いを経費にできる

個人事業主になれば、事業を行う上で必要になった費用は「経費」として認められる可能性があります。

会社員は、日々の仕事で使うために購入したものであっても、それを経費として計上することができません。
会社員の経費は全国一律で決まっていて、すでに差し引かれているからです。
これは「給与所得控除額」と呼ばれるものです。

「会社員に必要な経費はだいたいこのぐらいでしょ?」といった風に、ざっくり金額が決められてしまっています。
そのため、仕事のためにいくらお金を使っても、毎年払う所得税や住民税が安くなることはありません。
自宅の家賃や水道光熱費はもちろん、仕事の勉強のために購入したPCや書籍なども経費にならず、基本的には払いっぱなしになります。

個人事業主になれば、給与所得控除とは別に、事業に係る収入から経費を差し引いて税金を計算することができます。

2)社会保険料を抑えられる 

個人事業主として稼いだ収入には、社会保険料が発生しません。その仕組みを説明します。

会社員の社会保険料の計算は、保険料額表に当てはめて一律で計算されることになっています。
この社会保険料は「月額」に基づいて計算されます。
そしてこの「月額」とは、本業で就職している会社でもらっている月給のこととなります。

一方で、個人事業主として稼いだ収入は、この「月額」には含まれません。
つまり、個人事業主として稼いだ収入には、社会保険料が発生しないのです。

例えば、「給料の月額が20万円」かつ「40歳未満」なら、
会社との折半後の負担額は、健康保険料が9,810円・厚生年金保険料が18,300円で固定となります。ただし、これは本業で就職する会社での話。

個人事業主として稼いだ収入は関係しませんので、個人事業主としていくら稼いでも、健康保険料や厚生年金保険料が加算されることはありません。
(他にも、雇用保険・労働保険などがありますが、考え方は同じのため割愛します。)

3)家族に給料を支払える 

個人事業主は従業員を雇うことができ、支払った給料は経費にすることができます。
この場合の従業員は家族でも構わないため、きちんと労働力を提供してくれるなら給料を支払うことができます。

家族の中でお金が動くだけのため、一見すると意味のない行為に見えますが、実は次の2つの効果があります。

①税率差によるメリットを受けられる

個人事業主である本人よりも所得が少ない家族がいる場合には、所得税の税率差でメリットを受けられる可能性があります。
所得税は、累進課税と呼ばれる方法で課税されることになっています。

会社員として働きながら個人事業主としての収入が増えてくると、所得が増えてそのうち税率が上がってしまいます。

このとき、収入がない(少ない)家族に事業を手伝ってもらえれば、所得のスライドができ低い税負担で済む可能性が出てくるのです。

②仕事に使っていない費用も経費にできる

個人事業主として家族に給料を支払った場合には、自分と家族の両方が給与所得控除を受けられます。

先ほど、会社員は「給与所得控除額」と呼ばれる金額で経費が一律で決められているとお伝えしましたが、個人事業主のもとで働く従業員にも同じことが言えます。

つまり、人から給料をもらっている場合には自動的に給与所得控除が適用でき、実際にお金を使っているかは問われません。

そのため、先ほどの「仕事のために使ったお金を経費にできない」というデメリットとは逆に、「仕事のために使っていないお金も経費にできる」というメリットを受けられるようになります。

4)資産運用手段が増える

個人事業主になると、資産運用の手段が多くなります。

前回までの記事で、会社員のオーナーデビューとして『つみたてNISA』や『iDeCo』をオススメしてきました。
会社員の資産形成にとても便利な制度なのですが、実際のところはこの2つしか使える制度がないとも言えます。

個人事業主の場合、これとは別に「小規模企業共済」という制度を活用できます。
iDeCoと同様に掛金が所得控除の対象になる積立制度なのですが、次のような特徴があります。

①最大70,000円まで積み立てられる(iDeCoは会社員23,000円まで)
②元本割れリスクがあるものの途中解約が可能
③掛金以外に手数料がかからない

iDeCoと違って金融商品への投資ではないため、リターン1%は多くありません。
ただ、資金拘束リスクや手数料を抑えながら所得控除が適用でき、かつ、つみたてNISAやiDeCoと併用が可能なため、選択肢の幅が広がります。

以上のように、個人事業主、つまりビジネスオーナーになれば、手残りを多くするための方法がたくさんあります。


事業が成長して「事業所得」として認められるようになったり、「法人化」したりすれば、さらに多くのメリットを受けられます。


大手税理士法人の富裕層対応チームで育ったさすらいのマガモ。
Twitterを中心に、家計・副業・投資に役立つお金の知識を発信中。
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