学習塾通いは、家に帰ってからで差がつく

[ 「勉強は環境が9割」~難関校に続々と合格させたカリスマ講師だけが知っている ]

学習塾に通うだけでは成績は伸びません

子どもを学習塾に任せれば、成績が伸びるとお考えではありませんか?

もし、このような考えで学習塾に大切なお子様を預けていたら要注意です。そのままだと成績が伸びないだけでなく、子どもの大切な時間を奪ってしまうことにもなりかねません。

世の中に存在する学習塾は、家庭での学習ありきでカリキュラムが組まれていることが多いものですから、家庭学習でどれだけ丁寧に予習や復習ができたのかが重要になってきます。

よくよく考えてみたら、学習塾がやっていることは、ほとんどがインプットのはず。ですから学習塾の立場からしたら、インプットしたものを家庭で定着させてほしいのです。しかし、この事実が上手く親の方に伝わっていないことが多いように感じています。

残念なことに何もしなければ、一週間後には定着どころか習ったことさえも忘れていることがよくあります。それは、その子の能力が低いというより、人の特性のように思えます。

人の記憶というのは、大きく分けて短期記憶と長期記憶に分けられます。一回の授業でインプットさせられる情報量は相当な量ですから、何もしなければほとんどが短期記憶で終わってしまいます。そのため、一週間もすれば忘れてしまうのも仕方がないのです。

学習塾任せにせず、家庭ではインプットをした情報をアウトプットして理解を定着させるようにしましょう。

家庭学習をする前に、これを必ずしてください

私が見てきた生徒の中でも優秀な子は、間違いなく家庭学習が充実しています。しっかりと時間をかけて宿題を解いてくるので、前の週に授業で学んだことをしっかり覚えています。
そして、理解も定着しているので難問になっても対処できるようになって、次の週にしっかりと解けます。

学んだことを忘れてしまう子もいれば、成長してくる子もいる。これが毎週当たり前のように起きています。このようにして家庭学習の質の違いで、学力に大きな開きが生まれてくるのです。

では、家庭学習の質を高めるためにはどうすればいいのか。大きく分けて、2つのことに注意すればいいのです。

①学習環境を整理整頓する
②集中できる環境

それぞれについて、詳しく説明をしていきます。

①学習環境を整理整頓する

皆さんはテスト前になると、いきなり部屋の掃除をし始めたくなった経験はありませんか?

実は、私も経験があります。散らかっていたデスク周りが急に気になり始めて、気がついたら1時間も掃除をしていたのです。当然ですが、この時間は本来勉強に費やされていた時間なので、貴重な学習時間を無駄にしたことになります。

決して勉強したくないという逃げ腰のものではありません。「集中したいけど、集中できる環境ではないから掃除を始めよう」と前向きな行動だったりします。しかし、いざ掃除をすると体力を消耗してしまうので、肝心の勉強ができなくて後悔してしまうのです。

学習環境が整理整頓されていないと、いざというときに勉強できないというのはよくあることです。勉強机の上は、日頃からきちんと整理整頓されているでしょうか。
特にこの事実は子どもが分かっていないことが多いので、家庭内でルールを設けてもいいかもしれませんね。

私の経験上、整理整頓されていないデスク周りは次のようなことが多いです。

・筆記用具が散らかっている
・プリントが乱雑になっている
・机上がホコリまみれ
・学年違いの教科書がしまってある

上記が該当する場合は気をつけてください。いざ勉強を頑張ろうと思ったときに、思いとどまってしまうでしょう。

ちなみに机上が散らかっていることは、勉強に集中できないだけでなく、本人の性格などにも影響を及ぼしてしまう可能性があります。
学校が荒れはじめる最初の原因は、汚いトイレだそうです。荒れている環境は、人の心まで荒らしてしまうものですから、幼いうちから物を片付ける習慣は身につけさせてあげたいですね。

②集中できる環境

ここまで色々と話してきましたが、それでも集中できる環境にはなっていません。自宅の中には、ゲーム機や漫画、スマホなどの娯楽がたくさんあると思います。こういうものは、集中を妨げる要因になってしまいます。

勉強する際にスマホを使っていないから、集中できる。それだけでは足りません。
突然、通知がきたら気になって勉強どころではないですし、目の前にスマホがあると無意識に触ってしまうのではないでしょうか。


特に学力が低い高校生は、大抵スマホ依存であることが多いです。現代人にとっては辛いことですが、スマホとできる限り距離をとって勉強したほうが集中できるのです。
子どもにスマホを与えること自体に問題はないのですが、勉強する際にルールは明確にしておいたほうが無難でしょう。

どうしてもスマホが手放せない場合は、カフェや自習室を利用するのが得策かもしれません。本気で頑張りたいときは、一日ビジネスホテルで勉強するのも一考の価値があります。

良質なアウトプットは、問題を味わうところから

集中できる学習環境があっても、何となく勉強をしている以上は学力が伸びません。例えば、宿題を言われた通りにやっているだけではあまり意味がないのです。

先ほども申し上げた通り、宿題では授業でインプットしたことを質の高い形でアウトプットすることが問われます。真っ先にすべきは、宿題をそのように取り組まないと意味がないことを、ちゃんと理解することです。

野球でバットを何となく素振りしていても意味がないのと同じです。それだけでも、腕の筋肉が付いて打球の距離が延びるなどの効果があるのかもしれませんが、ヒットにつながるスイングにはなかなかたどり着けません。
さらにいえば、実際の試合では練習以上の効果は期待できないもの。これを勉強に置き換えると、授業や宿題で取り組んだ以上のことは、テストでは発揮できないのです。

素振りの本当の意味では、相手がボールを投げてくる風景を頭の中で思い浮かべながらバットを振ることが大事だったりします。一つ一つの素振りに価値を感じているから、本番でヒットが打てるのです。


宿題も同じで、言われたことをそのままやっているようでは、目の前の宿題をやる意味がありません。

・この問題は授業で学習したな
・この単元は苦手だな
・思ったより問題ができたな
・今回はこうしたから、解けるようになったんだ

など、ただやみくもに問題を解くのではなく、1つ1つの問題を味わう感じで取り組むのが大事。すると、これから先も解けるようになったり、今後はどんなことに優先順位を置けばいいのかも見えてきたりします。

良質なアウトプットができていれば、上記のような発見は必ず出てきます。宿題が終わったあとに「何か発見はあった?」なんて聞いてみると状況が見えてくるかもしれませんね。

塾や講師選びよりも、真っ先にすべきこと

今までの内容からも分かるように、学習塾の授業だけを頼りにしているような姿勢では成績は上がりません。

よくある話として、大手予備校の売れっ子講師の追いかけがあります。「あの先生の授業が分かりやすいから」ということで、その先生の授業ばかりを受けに行ってしまうのです。当然ですが、このように「受けること」を目的にしている以上は、成績は伸びないものです。

講師によって教え方が違う以上、授業の良し悪しはそれぞれあるのですが、それを気にするのは宿題をしっかりできる段階になってからの話になります。

昔から「若い先生だから心配」「あの先生の話し方が分かりづらい」などの先生のスキル面で心配をしてしまう親が多いものですが、まずは子どもが積極的に宿題をやれる環境や習慣づくりの方が優先されるべきなのです。


学生時代は学年最下位の成績をよく取っていた。その原因を知りたく、大学卒業後に中高一貫校の教諭として働く。教師として働く中で、幼少期の教育が人生に多大な影響を及ぼすことに気がつき、現在は中学受験で最難関校の合格に向けて算数と理科を教えている。黒田ゆうきさんの紹介ページは→こちら

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。