親は勉強を教えてはいけない ~高学歴な親こそ陥ってしまうワナ

[ 「勉強は環境が9割」~難関校に続々と合格させたカリスマ講師だけが知っている ]

夏休みに多い父親の暴走

親にとって、子どもの学力は気になってしてしまうもの。
それ自体に問題はないのですが、気にしすぎて適切でない行動をしてしまうことがよくあります。最悪の場合、親も子どもも頑張っているのに結果が振るわないという「負のスパイラル」に陥ってしまう可能性があるのです。

そこで今回は、中学受験を控える子どもに対して、親はどうやって関わっていけば良いのかを紹介していきます。

親がやってしまう適切でない行動とは何なのか。結論から申しますと、親が指導者になってしまう行動です。サッカーで例えると、親がサッカーを教えてあげること。つまり、親が勉強を教えてしまうということです。

こういう話をすると、「親が勉強を教えることの、何が悪いの?」と不思議に思われるかもしれません。でも私は断言します。学校や塾で教師をしてきた経験上、親が勉強を教えて良いことはほとんどないのです。

特に中学受験を控えた夏休みなどの長期休暇によくある話なのですが、親が指導者になってしまい子どもを“混乱させてしまう”ことがよくあります。

理由は色々あると思いますが、長期休暇になると子どもの成績を落ち着いて見ることができるようになります。特に普段仕事ばかりに目を向けがちな父親に多いのですが、今まで全く興味がなかった成績を見始めて、熱が入ってしまうパターンに陥りやすいようです。


そして、その場の勢いで勉強を教えたくなってしまうのです。

高学歴の親こそ実は危険

これは、子どもからしたら突然先生が変わるということになります。今までどういう授業をしてきたのかもよく分かっていない状況で、親が勉強を教えてしまうと、今までの解き方と違う可能性が高いです。

親目線だと目の前の問題が解ければ成長したと思うものですが、その解き方に応用力がない可能性があります。特に高学歴の親に多いのですが、算数の問題を方程式で教えてしまうことがあります。これは通っている学校や学習塾の教え方が方程式であれば問題ないかもしれませんが、違う解き方だった場合には子どもは混乱するだけ。


良かれと思った行動が、逆に子どもの解き方の一貫性を失わせてしまい、学力が落ちてしまうことも起き得るのです。

指導者ではなくマネージャーを目指す

では、親は子どもにどう接すればいいのか。

親は「指導者」ではなく「マネージャー」になればいいのです。勉強を教えるのではなく、環境の管理をしてあげる存在を目指すと良い結果が出やすいです。

信用できる学習塾に通わせるというのも、マネージャーである親の大切な役割。そして、勉強は勉強のプロに任せることです。

子どもが学習塾を選ぶ基準は「面白い先生がいる」「学校の友だちが通っている」など表面的なことになりがち。子どもがなぜ学習塾に通うのかを明確にさせて、それに合致する学習塾を選んであげるのがマネージャーの仕事です。

後は、その学習塾を信用してあげるのも欠かせません。間違っても、学習塾や先生に対して愚痴や悪口を言うのは止めましょう。

どうしても我慢ができないのであれば、面談などを組んでもらい悩みを打ち解けてしまう方がいいかもしれません。

勉強時間の確保、宿題の丸付けは親の重要な仕事

もしかしたら、まだ「勉強を教えてはダメ」と言われることで困惑している親御さんがいるかもしれません。「じゃあ、何すればいいの?」と。もちろんマネージャーとして、親ができることはたくさんあります。

まず、優先してやるべきなのが勉強時間の確保。しっかり勉強時間を確保できているのか、そのための環境は整っているのか、というサポートをしてあげるのです。

子どもはどうしても自制が難しいので、宿題よりもゲームなどの楽しいことに逃げてしまいがち。ゲームするのを阻止しろとまでは言いませんし、それはやりすぎになってしまいます。ゲームが勉強時間に影響を与えてしまうのであれば危険だということです。


そこで、勉強時間を確保できるようにサポートしてくれるマネージャーという存在が、とても重要になります。

家庭学習というのは、非常に大切な存在です。学校や学習塾の授業時間だけでは、全部対応できないことが多いからです。だからこそ家庭内の様子に詳しい親が、マネージャーとして管理してあげることは非常に有効になります。

ただし、勉強時間だけに固執するのは、それはそれで問題あり。勉強は教えなくていいのですが、宿題の丸付けくらいはしてあげてください。答えを写して宿題をしたつもりでいる子が大半なので、きちんと考えて問題を解いているのかは見てあげる必要があります。


それでも、宿題を適当に終わらせる習慣が抜けないのであれば、親が教えるのではなく、学習塾に相談するようにしましょう。「宿題を減らす」「宿題の難易度を下げる」といった具体的な提案が返ってくるはずです。

間違っても、子どもが勉強しないからと言って、無理やり親が教えてしまうのは避けるようにしましょう。

受験で一番辛いのは親

受験というのは理不尽なものです。特に親は自分ではどうしようもないことばかりですから、受験で一番辛いのは間違いなく親です。

だから、「自分にできることはできる限りやろう」と意気込み、勉強を教えたくなる気持ちもよく分かります。これを解決する方法は、信用できる学習塾に大切なお子様を任せることです。

信頼できる学習塾探しは、子ども以上に親のためでもあります。ぜひ、最高の学習塾を見つけてください。


学生時代は学年最下位の成績をよく取っていた。その原因を知りたく、大学卒業後に中高一貫校の教諭として働く。教師として働く中で、幼少期の教育が人生に多大な影響を及ぼすことに気がつき、現在は中学受験で最難関校の合格に向けて算数と理科を教えている。黒田ゆうきさんの紹介ページは→こちら

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