小学校低学年に勉強をやる気にさせる究極の【2ステップ】

[ 「勉強は環境が9割」~難関校に続々と合格させたカリスマ講師だけが知っている ]

学ぶ意欲のある子とそうでない子との決定的な違いとは

「学べば学ぶほど何も知らないということが分かるようになる。何も知らないと分かるようになるほどもっと学びたくなる。」(アルベルト・アインシュタイン)

この記事では、学ぶ意欲の重要性から、学ぶ意欲が湧くようにする具体的な方法について解説している。おそらく多くの親が悩んでいるテーマだと思うので、ぜひ最後まで読んでほしい。

ただし、この記事を読むのは小学校低学年のお子様をお持ちの親に限定したい。というのも、解決策が小学校低学年のために書いたものだからだ。小学校高学年以上の子どもに関しては、今回とはまた別の方法があるので機会があれば紹介したい。

それで早速だが、この記事を書こうと思ったきっかけは保護者の方から

「子どもが自分から勉強をしてくれない」
「難しい問題になると解かなくなってしまう」
「宿題が適当になってしまう」
「そもそもやる気を感じない」

といった、勉強に対してのモチベーションが中々上がらないという深刻な相談を、何度も受けてきたからだ。そして厳しい現実だが、学ぶ意欲のない子どもが中学受験で結果を出すことは非常に難しい。

逆に結果を出す子は、学ぶことに対して貪欲で努力を努力と思わない気迫がある。当然、受験の結果もいい方向に転がりやすい。このような子どもに育てられたら、後は見守るだけといっても過言ではないだろう。

学ぶ意欲がない状態で分かりやすい教材や授業ばかりを求めても、結果は出ない。しかし多くの親は、そうしてしまう。とにかく学ぶ意欲を身につけることが超重要事項なのだ。

学習法が悪いのではない

世の中には様々な勉強法があふれているが、それは学習する者の意欲がある前提でつくられていることが多い。ハッキリ言うと、学ぶ意欲がないのに、学習法に頼るのは時間の無駄だ。

例えるならばダイエット。世の中には様々なダイエット法があるが、どのダイエット法も本気でやればある程度の効果が実感できる。問題なのは、結果が出るまでやり続ける気合いと根性があるかどうかだ。


私はかつて20キロの減量に成功したことがあったので、こっそりと10人に秘密のダイエット法を教えたことがある。しかし、そのダイエット法で減量に成功したのはたったの2人だけだった。

減量に失敗した彼らには、すぐに諦めてしまうという共通点があった。最初は勢いよく始めるけれど、一週間で面倒になってダイエットをしなくなってしまう。一方で減量に成功した人は、目標の体重まで諦めることはなかった。

結局のところ、結果が出るまでやり続けなければ何事も失敗に終わる。彼らに足りないのはダイエット法ではなく、体型へのコンプレックスとそれを解消したい強い想いだったのだ。

それは勉強も同じ。結果が出るまで気合いと根性で乗り切ることが必要な事実に変わりはない。つまり学ぶ意欲があって初めて成長が始まるのだ。

学ぶ意欲がない子に共通することとは?

一応、学ぶ意欲がない状態の子を説明していこうと思う。以下がその特徴だ。

・様々な勉強法を試すが上手く行かない
・勉強の量が足りない
・勉強の質が低い
・参考書を買っては、また新しい参考書を買う
・成績表を見ようとしない
・大人のダメ出しを行う

つまり、自分の不甲斐なさを、外に原因があると思い込んでしまう。


そんな心理状態だから、少しでも分かりやすい参考書や先生を求めるようになる。しかし、問題なのは本人の学ぶ意欲であり、外部の要因を良くしようとしても現状が変わることはない。

しまいには現状に満足し、成長することを諦めてしまう。一度、この状態になると引き返せない。

何度も繰り返すが、今本人に必要なのは学ぶ意欲なのだ。本当に学ぶ意欲があれば、今目の前にあるものに対して、全力で頑張れるはずということだ。

学ぶ意欲を高めるにはステップがある

学校や塾で教えてきた私が、多くの子どもの成長を目の当たりにしてきて断言できることだが、適切なステップを踏まずに、突然やる気が湧いてくるということはありえない。

むしろ必然のように、ある時学ぶ意欲が呼び覚ませると言ってもいいだろう。そこで、一般的な学ぶ意欲を目覚めさせるステップを紹介していく。

【ステップ1】成功を積み重ねることで「自分ならできる!」という自信を持つ

子どもは分からない問題に対して、ヒントを要求してくることが多いが、この時にヒントを安易に与えては実はダメ。
この場合「もう少し考えてみよう」と声掛けをし、その後正解にたどり着けたら大きく丸をつけてあげるようにする。
このようにして、「考えればできた」という小さな成功体験を積み重ねていく。これが自信に繋がっていく。


逆に、教えてもらってできたというのは、「教えてもらわないとできない」になってしまうので、他力任せになり自信が積み重ならない。「教えてもらった」と思わせないのも大事だといえる。

「自分では解けないと思い込んでいた問題」が解けた体験を積み重ねていく。こういう体験が多い子は、やはり辛いことがあっても中々折れない。先程、学ぶ意欲は気合いと根性だとお話ししたが、結局は成功体験の多さがこれらの要素を見事に解決してくれる。

「自分ならできるだろうな」。目の前の苦難は、未来の成功を確信するしか乗り越える術がない。今までの人生観が何より大切なのだ。

憧れの先輩ができてもいいし、学校そのものに対して憧れてしまった、でも構わない。学ぶ意欲のトリガーが引いてくれるのは、単純な憧れに対して自分ならできそうという自信があるからだ。せっかくトリガーになる機会ができても、自信がないために心の内で静かに消えていくのは非常にもったいない。

小学生と言えど、メンタル面のところは影響が大きい。

【ステップ2】目標設定を行う

イソップ物語で『3人のレンガ職人』という訓話がある。
あるレンガ職人は「レンガを積み重ねているだけ」といい、別のレンガ職人は「これは仕事なんだ」と言った。そして、もう一人のレンガ職人は「歴史に残る大聖堂を建てているんだ」と言った。
同じことをしていても、目の前の作業に対して3人とも見方が全く違う。誰が意欲的に仕事をしているかは言うまでもないだろう。


では、これを勉強に当てはめたらどうだろうか。

A「言われたことをしているだけ」
B「受験をするので勉強をしている」
C「憧れの中学に合格するために勉強をしている」

そう! 学ぶ意欲の高い子はCであり、目の前の勉強は目標を達成するために存在していると自覚している。Cの子は受かる自信があり、今している勉強はその受かるという目標ために必要だということを自覚している状態なのだ。

先の【ステップ1】で自信をつけた後は、明確な目標を作ることが大事。目標の作り方に関しては別記事でも紹介をしたので、ぜひそちらを参考にしてほしい。

この2つのステップを経れば、学ぶ意欲は高まるだろう。まとめると「自信をつけさせて、目標を持たせる」ということになる。

子どものほうが余裕を持っている

中学受験の世界は、早く気がついた者が勝つ世界。どの時期で【ステップ2】までたどり着けるかが重要となる。

ただし、気がつくのは受験生である子どもであり、親ではない。大人が過度に神経質になってもいいことはないのだ。

なぜならば、子どもと大人で時間の流れのスピードが違うから。「ジャネーの法則」というもので明らかにされているのだが、人間の体感時間はそれまで生きてきた年数と反比例するといわれている。
例えば、10歳の子どもの1年は、40歳の大人3ヶ月程度ともいわれている。

なので、親からすると入試まで3年しかないと不安になるのだが、子どもからすればまだまだ先の話になってしまう。この体感の違いで、親子関係でギクシャクしてしまうことが多い。


4、5年生なら「入試まであと時間がないよ」と煽(あお)るよりも、学ぶ意欲を高めて目の前の勉強に集中させるほうが得策となる。もちろん「憧れの中学に合格する」という目標をこの時期から持ってくれていると理想なのだが、そういう子はかなり珍しい。

冒頭で紹介したアインシュタインの言葉を借りれば、学ぶことでさらに学びたくなり、それに応じて目標も大きくなるといったところだろうか。

4年生→クラスで1番になる
5年生→偏差値60以上にする
6年生→憧れの中学に合格する

例えばこんな感じで、6年生になった頃に憧れの中学に合格するという目標ができれば、大成功。それまでは、準備期間として用意していこう。


学生時代は学年最下位の成績をよく取っていた。その原因を知りたく、大学卒業後に中高一貫校の教諭として働く。教師として働く中で、幼少期の教育が人生に多大な影響を及ぼすことに気がつき、現在は中学受験で最難関校の合格に向けて算数と理科を教えている。黒田ゆうきさんの紹介ページは→こちら

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