髪を軽くするって、梳(す)くだけじゃないんです。いろんな方法がある軽くする技

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髪を軽くしたいと言われたから、美容師の僕は髪を梳(す)いたのに…

僕が若い頃にやってしまったエピソードです。今でもよくお客様からオーダーがある「伸ばし中なので長さは変えずに軽くしてください」というオーダーですね。

当時まだ経験の浅かった僕はこういったオーダーを頂いたときに反射的に、「長さは変えないで軽くしたいということは、じゃあ梳き(すき)バサミで髪を梳いて量を減らそう」という結論に達していました。

そして、いざ髪の量を梳いて軽くしてみると、お客様から言われたんです。
「あれっ、なんでこんなに髪がスカスカになってるの? 希望と違うんだけど…」
僕はその時、頭の中が「?」になっていました。だって、「軽くしたい」って言ってたような…。

よくよくそのお客様に聞いてみると、「髪の量」が気になっていたわけではなく、「一番長い毛はある程度残しつつ、長さにバラつきを出すことで段をつけて軽く見せたかった」そうなんです。その日は全力で謝り、手直しをさせて頂きました。これはけっこう美容室ではありがちで、美容師とお客様の「共有イメージの違い」ですね。

それ以来僕はお客様の言う「軽くしたい」が、どんなイメージを持たれているのかをめちゃくちゃ考えるようになりました。そうなんです。「長さを変えずに軽くしたい」にはいろいろな方法があるからです。

梳くだけではない! カットで髪を見せるにも、大きく3つの方法が存在する

カットで軽くするには3つのパターンがあります。
1)髪の量だけを少なくする
2)髪に段をつけて軽く見せる
3)前髪と顔まわりを短くして、顔が出る面積を広くして軽くなったように見せる

1)から順にご説明しますね。髪には「隙間の法則」というものがあります。単純に髪が密集していれば髪が多く見えて「重い」印象になります。そこで、髪に「隙間」を作ってあげると、髪は「軽く」見せることが可能なのです。冒頭のお話しのように梳きバサミを使うことで、短くせずに髪の量を減らせば髪と髪の間に隙間ができて軽く見えます。

次に2)。髪に段をつければ、一番長い毛をある程度残しつつも、長さにバラつきを出せば、長い毛と短い毛とで段ができて軽く見せることができます。

また、後ろの髪はそのままで、パッと見の印象を「軽く見せる」手法もあります。それが3)で、顔の出る面積を多くする方法。顔に髪がかかっている量が多いと印象は暗く、重く見えがちとなります。そこで前髪を短くしたり、顔まわりの髪だけ短くカットしたりして顔を出すことで印象は明るく、軽い印象に見せることができるんです。

このように「長さを変えずに軽くする」テクニックは、一つではありません。

「隙間の法則」を使えば、パーマでも軽く見せることができる

お客様のお話をたくさん聞いていると、「長さを変えずに軽くしたい」は必ずしも「カットで軽くしたいわけではない」ということも分かりました。

Aさんという方は「髪の量が多いのが気になるわけではないんだけど、なんだか重く見えるのが嫌だ。長さは変えたくないけど、どうにかできないか」といったオーダーでした。実際、髪の量が特別多いわけでもないので、「カットで軽さを出すのは違うな」といった感じ。「少し雰囲気も変えたい」とのご要望もあったので、カットはせずにパーマをご提案したんですね。仕上がってみるとAさんは「カットしてないのに軽くなった…。すごい! どうして?」と喜んでくださいました。

これはパーマをかけたことによって髪に動きが出て浮遊感が生まれて、髪と髪に隙間ができたことで軽く見えるといった、視覚にアプローチした結果によります。実際には髪の質量は変わっていないけれど軽く見せることができる「隙間の法則」を使いました。

カットもパーマも不要! スタイリングだけで、軽く見せるワザ

パーマ以外でも、カットをせずに「軽くなったように感じられる」テクニックは存在します。ヘアアイロンで毛先を少し巻いたり、ワックスなどのスタイリング剤を使って髪に動きを出したりして隙間を作ればいいのです。

ヘアアイロンで髪を巻く場合、内巻きにすると隙間ができずボリュームが出てかえって重く見えてしまいます。ですから軽く見せたい場合は、外ハネにしたり、内巻きと外巻きをミックスして巻くのがポイント。そのほうが隙間ができます。

スタイリング剤を使って髪をセットする場合にも「髪と髪を離して隙間を作り、浮遊間を出す」ことを意識してスタイリングしてみてください。

カラーでも軽くできるが、単に全体を均一に明るくするとは限らない

カラーリングも「視覚」にアプローチして、長さを変えずに軽く見せる方法です。色は暗ければ暗い色ほど重く見えて、明るければ明るいほど軽く見えますよね。ヘアカラーに関しても同じことがいえます。

全くカラーをしていない黒髪の人であれば、ほんの少しでもいいのでカラーで明るさを出してみると劇的に軽く見えます。

すでにカラーをされている人が、今よりもさらに軽さが出た印象を出したい場合は、単に全体をさらに均一に明るくするよりも、ハイライトを取り入れたほうが、髪に立体感と浮遊感が出て軽く見せることができます。

カラーに関しては職業や通学先で注意を向けられない人に限られますが、もしカラーが可能なら「長さを変えずにカラーで髪を軽く見せる」方法を選択してもいいかもしれませんね。

ー選択肢がたくさんあれば本当に自分が求めている「軽さ」にたどり着ける!ー

以上のように、「長さを変えずに軽くする」手段はたくさんあります。ですので、「髪を軽くしたいなあ」と思って美容室に行こう、となった時に「自分はどう髪を軽くしたいんだろう」と一度考えてみることが大事です。カットで軽くしたいのか、パーマでもいいのか、カラーは可能なのか、それともカットやパーマといった施術はせずにスタイリングだけでいいのか。そこをちゃんと考えずに美容室に行ってしまうと、「思っていたのと違う!」となってしまう可能性が高くなりますから。

美容師さんとしっかり「どう髪を軽くするのか」のイメージを共有して失敗のない「髪の軽さ」を手に入れてくださいね!

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