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AIに仕事を奪われると恐れることなかれ。人間にしかできない仕事は、どこにでもある!

[ 僕たちのビューティフル・ライフを探そう ]

AIによってなくなる仕事、残る仕事とは?

こんにちは。美容室LiNOのミヤザキです。今週は「AIに負けてたまるか!」というテーマでお話ししたいと思います。

先日、銀行員のお客様であるAさんとお話ししていた時です。ふとした話から、
Aさん「銀行員なんてそのうちAIに仕事取られちゃうからね。転職しなきゃかな…」
僕「えーっ! そうなんですか?」
Aさん「だって、数字の事務作業なんてAIができるもん」

こんな会話をしていました。AIが人間を凌駕するなんて話は何年も前からありましたが、そんなことは意識せずに仕事をしていたので、せっかくだからと何となく色々と、そのあたりのことを調べてみたんですね。

すると「AIによってなくなる仕事と、なくならない仕事」というサイトがいっぱい。見てみると実際に、なくなる仕事の中に「銀行員」の文字が。「あっ本当に書いてある…」。その他にも「一般事務員」「コンビニ店員」「建設作業員」「ホテルフロント」etc…

機械でもできる仕事が該当するということなのかもしれません。アメリカではすでに店員のいないスーパーやコンビニが珍しくなくなってきているようなので、5年後か、10年後か、20年後か分かりませんが近い将来、日本もそういった社会になってくる可能性もあります。でも然るべき時がきた場合でも、銀行員の方達なんて僕よりも120%お勉強ができる方達なので(笑)、きっとその他の仕事で能力を発揮できると思います。

逆になくならない仕事は「営業職」「介護士」「カウンセラー」などなど。「美容師」も複数のサイトでちらほらと見かけましたが、こちらは「人間」がやらなければ成り立たない仕事なんでしょうね。

「オーダーメイド」「コミュニケーション」の要素が強い仕事は、AIは真似できない

そうなんですよ。美容師って機械には絶対にできないと思います。

ちょっと美容師について語らせてもらいますが、シャンプー、カット、カラー、パーマ、どれを取ってもロボットには無理です。仮に機械の中に頭を入れれば、「はい、希望のヘアスタイルが完成しました」っていうマシンができたとしても、人によって髪質や骨格が全然違うので、今現在美容師が手作業でやっている細かい部分の微調整や、微妙なニュアンスの違いだったり、繊細な作業というのは絶対に機械ではできません!!! 美容師の仕事は毎回、完全オーダーメイド制なのです。

実際に20年前くらいに美容業界にも「オートシャンプー」なるマシンが導入されたことがあるんですね。機械がシャンプーしてくれるんです。まあ業界が作業効率を上げるために作ったのでしょうが、僕も当時体験したことがあります。これがまた全然気持ち良くないったらありゃしない(笑)。それに、ちゃんとシャンプーやお湯を流してくれているんだかよく分からない、なんともスッキリしないマシンだったんです。案の定、浸透せずにほぼ見かけなくなってしまった代物でした。

そして極めつけは接客です。お客様と美容師の「人間対人間」でのコミュニケーションがあるから美容室って良いんだと、僕は思っています。僕がお客さんだったらロボットと話していたくないですもん。「キョウハドウシマスカ」「サイキンドウデスカ」とか言われたらどうですか? つまんないし、何だか空しいじゃないですか…。コミュニケーションに関しては200%ロボットでは補えない部分です!!! すみません、興奮してしまいました…。

でも美容室であまり会話したくないお客様もいらっしゃるので、そういった方はマシンに出てきてもらったほうが落ち着けるのかもしれませんけど。

人を魅了する「職人」気質の仕事こそ、AIが立ち入れない領域

そうなんです。なぜこんなに機械に対して熱くなってしまったかというと、言ってしまえば美容師って「職人」だと僕は思っているからなんです。

Wikipediaでは「職人」を、「自ら身につけた熟練した技術によって、手作業で物を作り出すことを職業とする人」と定義しています。美容師はまさにこの言葉通りの仕事だと思います。手作業でヘアスタイルを作り出しています。まさに、これです。職人としてのプライドがAI、機械、ロボットを拒絶してしまっているんです(笑)。

職人ってかっこいいじゃないですか。母は公務員、姉は看護師の家で僕は育ったせいか、学生の頃は「公務員か医療系の仕事にしなさい」とやっぱり言われていました。でも、嫌だったんですね。職人ってカッコいいよなーと、美容師への道を決める前から漠然と思っていました。

我が家は4人の子供がいるんですが、上3人が小学生なんですね。ランドセルを毎回同じ鞄屋さんに発注しているんですが、ランドセルを販売している隣のスペースで職人さん達がランドセルを手作業で作っている姿が実際に見れるんです。それを見ていると、毎回「やっぱり職人ってかっこいいなぁ」と思います。商品と手作業で本気で向き合っている姿って、やっぱり惹き込まれるんです!

お客様の中にも大工さんや、花火職人さん、洋服のパタンナーさん、イラストレーターさんなど、他にも様々な職人さんがいらっしゃるんですけれど、仕事のお話しを聞くのがすっごい楽しいんですね。同じ職人としてすごく刺激にもなる。「努力して得た技術をもって、手作業で物作りをする」という部分に共感できるんだと思うんです。これこそ、AIが再現できない領域だと思いませんか?

非日常の空間で、体験を売ることこそ、生身の人間にしかできない

ちょっと違う角度からお話ししますね。美容室という「空間」についてのお話になります。

僕はお酒が大好きなんですが、コロナのこの状況になって全く「居酒屋」に行けなくなったんです。缶ビールとおつまみを買って帰って、家で飲む日々になってしまいました。

そんなのが続くと、つまらないんです。以前は、目の前でマスターが焼き鳥焼いてるのを見ながら、薄暗い暖色系ライトの下でマスターや仲間と話をしながら飲む。時にはふらっと1人で行って本を読みながら飲む。そんなことをしていました。でも今は家で同じお酒を飲んでいるんだけれど、全く違うんです。やっぱりあの「空間」って、お金を払う価値があるなあと思っています。

居酒屋なんかの、あの独特の空気感に包まれた空間が好きなんです。僕も家族がいますから毎日飲みに行くわけじゃないけれど、月に一回くらいはあの空間に行ってお酒を飲みたい…。

そう考えると美容室も同じだと思うんです。シャンプーは毎日自宅で自分でしますよね?
自宅でカットしたり、カラーする人も中にはいると思います。

でもたまには(月に1回か、2ヶ月に1回くらいは)美容師にクオリティの高いカットやカラーリングをしてもらいたいじゃないですか。ヘアスタイルはもちろん、たまにはおしゃれな美容室に行って美容師に気持ちいいシャンプーをしてもらって、お話ししたりして非日常の空間で癒されたいじゃないですか?

居酒屋ならお酒や焼き鳥、美容室ならヘアスタイルという「商品」を僕を含めお客様は買っていますが、それだけじゃなく「空間での体験」も同時に買っているはずなんです。

「体験」にはやっぱり価値があると思うんです。

以上から僕がお伝えしたかったのは、人間が手作業をする美容師という仕事は、AIにはできないということ。美容室という“空間”で、美容師という職人が熟練の手作業を受けることは、AIなりロボットなりで再現するには限界があるんです。

さらに言えば、どんな業界でも今まで出してきたキーワード「オーダーメイド」「コミュニケーション」「職人的技術」「空間を売る」などを武器にしていくことで、AIに負けないというか、AIでは再現不可能となるのではないでしょうか。

とはいっても、時代はこれからも変化していくものなので、僕も凝り固まった考えではいけないということも理解しています。散々言ってきましたが、別にロボット全否定しているわけではなく、美容室のフロント業務はむしろロボットのほうが面白いかなーとかも考えたりします(笑)。職人魂を持ちながら、時代に順応して生き残っていきたいと思う今日この頃です。

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