
僕たちは何のために働くのか?~美容師としてこんなお金の使い方をしたい…~
[ 僕たちのビューティフル・ライフを探そう ]

こんにちは。群馬県高崎市で美容室LiNOを経営しているミヤザキです。
今週のお話は「美容師は何にお金を使えば良いのかを考える」というテーマでお話しします。
コロナで困っている人に、僕は何ができる?
僕のお客様に花火屋さんの方がいらっしゃるんですね。ご来店の際にいろいろとお話しを聞いていたんですが、去年からこのコロナの状況になりお祭りや花火大会というイベントが軒並み中止になってしまい、花火を打ち上げる機会がなくなってしまって大変だなんてお話しをずっと聞いていたんです。
社員さんのお給料も払わないといけないし、会社としての収益ももちろんですが、花火屋さんも職人ですので花火をお客様に披露したいじゃないですか。一生懸命作った花火だったりアイデアだったりを練りに練りこんだ花火をお披露目したいですよね。
美容師としても同じ職人ですのですっごくよく分かります。めちゃくちゃいいカット技術を手に入れたのに、強制的にお客様をカットさせてもらえないのと同じです。つらいですよね。
花火を披露したいんだけど、その機会が奪われてしまったんです。そんなわけで何か僕にも支援できることはないかなあと考えていたのですが、この間1月に LiNOが4周年を迎えた時だったので、
「中途半端だけど4周年記念ってことで、この際名目なんてなんでもいいから花火大会を企画して僕が花火上げてもらえばいいんじゃん」という結論に至り、花火の打ち上げを個人的に依頼することにしました。
もちろんコロナ渦で「人が集まってしまう」という理由で他の花火大会は中止になっているので、集客は一切せずに超個人的に依頼したんです。集客よりも支援が目的だったので、「花火大会」というより「個人的にでっかい花火上げました」ですね。これが思いのほか反響があって、新聞に掲載して頂いたりしたんです。
それはともかくここから本題なんですが、実際花火を打ち上げてもらうのにウン十万円という金額がかかったわけですが、その支援金をどこから出そうかという話です。
お金は「ハッピー」で循環させた方が気持ち良い
ちょっと話は遡ります。僕は学生の頃から「ボランティア活動」を積極的にやってきたのですが、美容師になってからもボランティアを定期的にやっていたんですね。児童養護施設や老人ホームに、カットしに行ったりもしました。
LiNOをオープンして同時に、老人ホームへの出張カットを始めました。最初は1ヶ所だけ行かせてもらっていたんです。でもしばらくやっているうちに、なんだかんだあっちこっちから声がかかり、気づいたら3ヶ所行くことになっていて、僕も「全然大丈夫です! 行きますよー」なんて気軽に返事していたんですね。

そんな状態をしばらく続けていたのですが、結果お店での営業が忙しく時間的にも厳しくなってしまいます。これはいかんということで、一度ボランティアの考え方を見直そうと思い、申し訳ないですが2ヶ所の施設への訪問をお断りする形にしました。「やります」と言っておいて「やっぱり無理です」なんて、本当に自分勝手でご迷惑をおかけしてしまって申し訳なかったと思います。
そんなことがあってから考え方を変えます。まず、単発で行うボランティア活動は、それで良しとしました。ただし、継続してやっていこうとしている活動に関しては、お店の営業に支障が出ない範囲にし、なおかつ無償のボランティアではなく、少額でいいからきちんと利益を発生させてその収益を何か別の支援に使う。このような結論に至り、毎月1ヶ所にだけ継続して、出張カットに伺うことにしました。
簡単に言うと「チャリティーカット」みたいな感じですね。老人ホームへの出張カットの収益は全額、どこかの誰かへの何かしらの支援に充てようと考えるようにしたんです。
そうすれば僕がカットした老人ホームの利用者さんは、髪が綺麗になって嬉しい。それによって得た収益で支援してもらう側も助かる。win-winですね。
そういった循環がいいなあと思いました。それを今まで続けてきていたんですね。今回の花火屋さんへの支援はそんな形で実現しました。老人ホームのおじいちゃんおばあちゃんからの支援のような形ですね。
そもそもボランティアで良いと思ってやっていることなので、本当に少額しか頂いていないため、中々支援金も増えていきません。とはいえ、まとまった額が集まったら次の何かしらの支援に充てたいと思っています。
どのお金を誰に使うかで見えてくるもの
そう考えるとお金って、無限にあるわけではないじゃないですか。とんでもないお金持ちの人なら分かりませんが、少なくとも僕に使えるお金は有限ですので、老人ホーム出張カットでの収益は支援に。お店の営業での収益はスタッフを社員旅行に連れて行ってあげるなど何かしらの形でスタッフに還元する。といった具合に、分けて考えるようにしました。そのほうが、それぞれ綺麗な循環ですよね。

それと、お客様の中には飲食店やおまんじゅう屋さん、着物屋さん、アパレルなど実店舗を経営しているお客様がいらっしゃれば、色々な店舗や企業にお勤めしている方がいらっしゃるので、全然知らないお店や人にお金を使うより、いつも僕の美容室に来て頂いているお客様のお店や会社にお金を使いたいし、お客様の売上に僕も貢献したいと思っています。持ちつ持たれつ、というやつですね。
たぶん美容師さんなら誰もがそうしていると思いますが、お互いに売上に貢献し合ったり、宣伝し合ったりしてお互いに生き残っていく。
そんなことを踏まえて、これからも様々な活動をやっていこうと思っています。現段階で僕の中でイメージしていることは海外への支援活動やら、お店や会社を運営していたり、個人で頑張っているお客様とコラボして、何か面白いことができればいいなあと考えています。
そのためにはやっぱり資金が必要になってきますね。
これからも頑張ってカットして、お客様や老人ホームの利用者さんに笑顔になってもらうと同時に、しっかり利益を出して、サロン運営や支援活動を継続していきたいと思っています。
美容師にしかできない、誰かのために使うお金の使い方ってもっともっと他にもあると思うんですね。模索しながら毎日を過ごしていこうと思いますね。
ミヤザキ先生、初めまして。どりしげといいます。ミヤザキ先生のお店しか通わない!と言いきられているsekidai先生の学生時代の先輩だとお聞きしたご縁で、毎回興味深く記事を読ませていただいています。
今回の老人ホームへの出張サービスも素敵な取り組みですね。実はまさに老人ホームのケアマネージャーを仕事にする私の施設でも、毎月出張の理容サービスを受け入れています(現在はコロナの状況で不定期になっていますが)。やはり、いくつになっても、容姿は気にされる高齢者、特に女性の方はこだわりがあり、喜ばれる方は多いです。そんなミヤザキ先生の一度いくと一度は道に迷うという群馬県中之条町のお店にも伺いたいと思いました(笑)。