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女性の「ボブ」と「ミディアム」の弱点を探してみる。

[ 僕たちのビューティフル・ライフを探そう ]

前回はロングヘアの魅力についてお話ししたので、今週は「ボブ最強説は本当なのか?」というテーマでお話しします。

「おしゃれに見せたければボブにしておけ」は、20年前からずっと変わってない

「とりあえずボブにしておけばおしゃれに見える」
そんな認識が世の中の女性たちにあるんじゃないかと思えるくらい、ボブはいつの時代も大人気の髪型です。

僕も20年美容師をやっていますが、思い返せば20年前も、15年前も、10年前も、5年前もいつもボブは流行していました。流行していたというよりもはや当たり前の「定番のおしゃれヘア」ですよね。女性たちの中にはやっぱり「おしゃれに見せたければボブにしておけ」があるんだと思います。

ではなぜこんなにもボブがおしゃれ女子に人気なのでしょうか?

かつての言われ方「おかっぱ」の由来、知ってますか?

「そもそもボブってよく聞くけどボブって何?」と思いますよね。

ボブというのは「形」であって、実際にはボブという「長さ」はありません。「ボブ」という名前の由来を調べてみると「ボブテイルと呼ばれる馬のしっぽを短く切りそろえるカット」のことから、ボブという単語が使われているらしいです。

日本では昔から「おかっぱ(お河童)」と呼ばれていますよね。定義は「前髪は眉の上で横、後ろは肩の上で切りそろえた髪型」で、字の如く河童のような頭から「おかっぱ」と言われているそうです。現代でこそおしゃれな髪型として浸透しましたが、河童のようとはヒドイ話ですね(笑)

おしゃれ映画のヒロインはボブが多い

お気づきの方もいると思いますが、おしゃれ映画に出てくるヒロインの髪型はボブが多いです。例えば、『LEON』のナタリー・ポートマンが演じたマチルダのボブはもはや殿堂入りですよね。『アメリ』のオドレイ・トトゥのボブもおしゃれでかわいかったですし、『ナイト・オン・ザ・プラネット』のウィノナ・ライダーのボブも最高におしゃれでした。新しめの作品だと、去年観たアメリカのドラマ『クイーンズ・ギャンビット』のアニャ・テイラージョイのボブもめちゃくちゃかわいかったです。

挙げればまだまだ出てきますけれど、僕目線の基準になりますが「おしゃれ映画のヒロインはボブが多い説」は確かに存在します(笑)。日本だけでなく世界中で「ボブはおしゃれ」という認識でそうなっているんだと思います。

ありとあらゆる雰囲気が出せるのも「ボブ」の強さの秘密

一口に「ボブ」といってもいろいろなボブがあるんですね。例えば、カットラインに着目してみると、前上がり(横の髪が前にいくにつれて短くなる)にすればマッシュルームっぽくなって柔らかい丸みのある愛されシルエットになるし、逆に前下がりにすると急にシャープでクールな「仕事できる感」のあるボブに様変わりします。モード感も出せます。

間をとって平行にまっすぐなラインにカットにすれば「おしゃれ上級者」の雰囲気が出てきます。最近だと「切りっぱなしボブ」なんかも人気スタイルですよね。このようにカットラインを変えるだけでも全然違うボブに見えてくるんです。

以前お話しした「似合わせの法則」をプラスすると、どんどんボブが表情を変えていきます。似合わせの法則は、

「カット+前髪+パーマ+カラー」
        ×
「ファッション、なりたい自分像」

でしたよね?
これで何十、何百通りのボブが完成します

先程挙げた映画のヒロインたちのボブもそうです。みんな「ボブ」なんだけれど、「黒髪のあごラインで平行。前髪は眉の上でパッツンのボブ」だったり、「茶系のカラーで前上がりのラインにくるんとパーマがかかっているボブ」だったり様々なボブのヒロイン達です。ぜひボブ好きの人は映画を観てくださいね。

モードにもカジュアルにもフェミニンにも自在に姿を変えることができるのが、ボブの一番の魅力です。

ミディアム人気の理由は、「万能」と「無難」を兼ね備えていること

ここからはミディアムヘアについてのお話しです。

今とっても人気のミディアムヘアですが、ミディアムとは基本的に「肩から鎖骨くらいまでの長さ」のヘアスタイルのことですね。ボブより少し長めの長さです。

美容室で仕事をしていると、実際にお客様からのオーダーがすごく多いです。単に流行っているからという部分もあると思いますが、その答えは「ミディアムヘアの万能さ」にあると思います。

「多彩なアレンジのバリエーションがある」というのが、万能たるゆえんでしょう。

・外ハネにもできるし、内巻きにもできる
・その日の気分で巻き髪にもストレートにもできる
・そこそこの長さがあるので、ロングヘア同様、ヘアアレンジのバリエーションも豊富

と、とにかくいろんなことが楽しめる長さなんですね。

無難にしたい考えで、ミディアムを選ばれる方も多そうです。「ロングは手入れが大変そうだし、かといってショートはちょっと短すぎるかなあ。じゃあ間を取ってミディアムくらいにしておこう」、あるいは「長さ的にロングでもなくショートでもなく、どちらの要素も楽しめそう」。こんなことを考えているようです。

「困ったらとりあえずミディアム」なんていう人もいるくらいです。「オールマイティ」であり「無難」でもあり、といった感じで、この長さを求める人が多いのかもしれません。

「石田ゆり子 ミディアム」はなぜ、圧倒的に人気なのか?

お客様のミディアムヘアオーダーの中でも大人の女性に圧倒的に人気なのは「石田ゆり子 ミディアム」。Instagramフォロワー数290万人のゆりちゃん(「ゆりちゃん」と呼ばせて頂きます(笑))の髪型は大人気なんですね。50歳を過ぎてなお(人間、年齢ではありませんが)、透明感とかわいらしさが健在なのは、もはや芸術レベルです!

僕と同じように思っている女性が多いからこその人気でしょう。現在の「大人女性のミディアムヘア」の代名詞です。

「ボブ」と「ミディアム」に果たして弱点はあるのか?

一時期僕が勝手に自分のマイブームにしてお客様におすすめしていたのが、「しばれるボブ」です。リップライン、あごラインよりちょっと長めの「肩にギリギリつかないくらい」の長さのボブですね。ミディアムヘアはもちろん、この長さのボブならひとつにしばることができるんです。

先週もお話ししましたが、「ギャップ」ってやっぱり良いと思うんですね。しばれるボブもミディアムもしばることでそうやってギャップが出せるのも一つの勝因だと思います。

それにこのくらいの長さだと「洋服とのバランスも合わせやすい」といった側面もあるのだと思います。そんなところも含めて万能ですよね。

今回はボブとミディアムヘアの魅力をお話ししてきました。書きながら「弱点」を見つめ直していたのですが…、特にないんです(笑)。

ですので、ボブ、ミディアムヘアの方は自信を持ってこれからもお過ごしくださいね♪ これから髪を切ろうと考えている方にもおすすめです!

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  1. cecille

    三重苦と呼ばれる、硬い、太い、多いの髪質ゆえ、長年、ボブベースで、長かったり、短かったり、、、の繰り返しです。
    今日の記事を拝見して、これからもボブかなぁ、、、と思っています( ◠‿◠ )