
人気美容師が教える! 寝グセを一瞬で治す方法。~「Cカールの法則」が鍵を握る
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今週は「意外に知らない!? 寝グセの直し方」というテーマでお話ししますね。
あなたの寝グセの治し方では、絶対に治りません。
先日の朝、車で通勤途中に信号待ちしていたときのことです。ちょうど隣の車線に並んで停まっている車があったのでチラッと見てみたら、ショートヘアの女性が運転席で一生懸命髪をクシでとかしていたんですね。
どうやら寝グセを直そうとしているようなのですが、もうこれがですね、絵に描いたようにクシでとかすたびに寝グセが「ピョンッ」と、またとかしては寝グセが「ピョンッ」てハネてしまうんです。一生懸命とかしているのですが全く直らないんです(笑)。本当に失礼で申し訳ないのですが、これには思わず僕も車内で1人で「プッ」と笑ってしまいました。
ただこの時思ったのは、「『髪をとかせば寝グセが直る』と、この人は思っているんだな」ということです。
結論から言ってしまうと、「寝グセは一度髪を濡(ぬ)らさないと直らない」んですね。クシやブラシで何度とかそうとも、全然直りません。
美容師でなくとも誰もがそんなことは知っているだろうと僕は思っていたのですが、その後気になって仕事中にお客様数十人に聞いてみました。すると思いのほか「濡らさないと寝グセは直らない」ことを知らない方が、予想以上にいらっしゃったんです。
そこで「これはどこかで一度、多くの方にお伝えしたほうがいいなあ」と思い、この場を借りて今回、このような記事を書かせてもらっています。

寝グセがつきやすい傾向、存在します。
そもそも、なぜ髪に寝グセがついてしまうのでしょうか? 実は寝グセにも「寝グセの法則」というものがあります。
ちょっと理論的になりますが、寝グセがつく最大の原因は髪に水分を含んだまま寝てしまうことです。髪の形は、髪の内部の「水素結合」によって決まります。髪は濡れると、内部の水素結合が切れるんですね。そこから髪が乾くと再び水素結合が行われて、髪の形が決まるという仕組みなんです。
しっかりと髪を乾かさないまま寝てしまうと、髪がぐしゃっと曲がった状態で乾いて水素結合が完結してしまい、寝グセがついてしまうのです。
とはいえ、仮にドライヤーなどでしっかりと髪を乾かしても、寝汗によって水素結合が切れて寝グセがついてしまう場合もあります。健康な大人で一晩に、コップ一杯分ほどの寝汗をかくのが正常ともいうくらいですから、寝汗をかくのは割と普通のことなのです。
湿気の多い雨の日に髪がうねってしまうのも、同じ水素結合が原因なんですね。つまり、寝グセはまさに「水分との戦い」なんです。
他にも、髪が短くなるほど寝グセはつきやすくなります。太い毛、硬い毛、クセ毛の人も、寝グセがつきやすい髪質です。
保育士をされているYさんと先日この話をしていたのですが、Yさんは今まで寝グセに悩まされた経験が一度もないそうなんです。案の定、Yさんの髪は今までずっとロングで細くて柔らかめの髪質です。一方で僕はクセ毛で少し硬めの髪質なせいか、寝グセがついていなかったことは、物心ついた時から1日もありません…。

ただ濡らせばいいってものではない。問題は、どこを濡らすか
ついてしまった寝グセは仕方がないので直せばいいのですが、これまた聞いてみると意外に知らない人が多いんです。
「寝グセは髪を濡らせば直る」と先ほどからお伝えしていますが、これだけだと実は100点満点の完全な正解にはなっていません。問題は「どこを濡らすか」、ここまで注意がいく必要があります。
よくある間違いが、毛先がハネているからと、毛先を濡らすこと。一見正しいようで、実は不正解。正解は「髪の根元を濡らす」です。
そうです。毛先がハネているけど根元を濡らすんですね。矛盾しているようですが、この「根元」が超重要なんです。詳細はこの後説明しますが。
一番手っ取り早いのは、朝起きたらもう一度シャワーを浴びて髪をドライヤーで乾かして寝グセをリセットする方法です。しかし実際には「朝は忙しくてそこまでやっている時間はない!」という人が多いと思います。
そこで、寝グセがついている毛先の髪の「毛先ではなく、根元」に水を吹きかけてください。100円ショップで売っているプラスチック製のスプレー容器に、水道水を入れた程度のもので十分です。そしてもう一度その部分をドライヤーで乾かせば、寝グセはきれいになくなります。

髪の動き方の法則「Cカールの法則」を活用しよう
先程、髪の根元が重要だというお話をしましたが、「なぜ根元が重要なんだ?」という疑問が残ると思います。結論から言うと、髪の動き方には法則があるんです。
「Cカールの法則」と呼んでいるのですが、例えば毛先を右に流したければ根元を左に向けてドライヤーをあてます。毛先を顔の輪郭に沿って内巻きにしたければ、根元は頭皮とは逆の向きに引っ張って乾かすと、自然と髪は内巻きになってくれる。といった摂理です。
つまり「根元と毛先は逆を向くようにする」ということです。毛全体でアルファベットの「C」のような形にならないと、毛先が希望するように向いてくれないんですね。
寝グセの状態というのは、頭と枕に押しつぶされて髪の根元がぐちゃぐちゃになっている状態です。なので毛先がとんでもない方向を向いてしまうんです。だから、根元を濡らしてリセットする。
この「Cカールの法則」は寝グセ直しだけでなく、普段のスタイリングでももちろん活用できます。特に女性の場合、「前髪」ですね。前髪のスタイリングは女性にとって生きるか死ぬかですよね…。
お客様とお話ししていても、「前髪問題」に苦戦している方がけっこういらっしゃいます。「前髪がきれいに流れてくれない」という悲鳴がたくさん挙がっています。前髪を流さない人は問題ないのですが、前髪がきれいに流れないのは、根元と毛先の向きが同じだからです。
右に前髪を流したいからと皆さん、右に前髪を引っ張ってしまうんです。すると根元が右に向いてしまう。これが失敗の原因です。流したいほうに引っ張りたい気持ちは分かりますが、そこをグッとこらえて根元は逆に引っ張ってドライヤーをあてましょう。びっくりするくらい勝手にきれいに流れてくれますよ。
「Cカールの法則」これは絶対に頭に入れておいたほうが良い重要な法則です。

まとめると
「寝グセはクシでとかしても直らない」
「寝グセは根元を濡らして直す」
「毛先は、根元とは逆に向くようにする」
日常ですごく使えるテクニックなので、ぜひ試してみてくださいね!
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