
「髪のケア」にこだわるか、「髪型」にこだわるか。どっちが正解?
[ 僕たちのビューティフル・ライフを探そう ]
「美髪」の定義は、各人が勝手に決めるものである
よくファッション誌のヘアケアコーナーや、ヘアケアサイトで「美髪」というワードが出てくるじゃないですか。文字通り「美しい髪」という意味で使われていると思いますが、「美髪」と聞いてあなたはどんな髪を思い浮かべますか? ツヤツヤな髪ですか? それとも、ストレートでサラサラな髪ですか?
僕も美容師という仕事柄、たくさんの人の髪を担当して、たくさんの人とお話をして「美髪」とは一体どういった髪なのか?ということをたくさん考えてきました。
結論から言うと「美髪の定義は人によって違う」となります。

サラサラな黒髪ストレートヘアが美髪だと思う人もいれば、くるっくるのパーマが美髪だと感じる人もいます。キラッキラの金髪が美髪だと思う人だっているんですね。
違った言い方をすると「きれい」に見える髪が美髪であったり、「カッコイイ」と感じる髪、「お洒落だ」と感じる髪が美髪であったりもするわけです。
それは人の好みによって違いますよね? なので何をもって「美髪」なのかというのは一概には言えません。今回はここを掘り下げていこうと思います。
ヘアケアは、ケアをプラスしていくよりも、ダメージをマイナスすることのほうが大事
サラサラツヤツヤできれいなダメージのない「美髪」になりたい!という人はたくさんいらっしゃいますよね。絶対に髪を傷ませたくない!というお客様も多いです。
そうなると髪によさそうな高いシャンプーを使って、美容室にマメにトリートメントに行って、それから…。いろいろとヘアケアの方法を考えますよね? 髪によりよいものを「プラス」していくことを考えると思います。
それも重要なのですが、同時に「マイナス」していくことも考えなくてはならないんですね。これは絶対に髪を傷ませたくないという人もけっこうやってしまっていがちなことなのですが、プラスしていくケアを何度も何度も繰り返ししたとしても、髪が傷んでしまうヘアスタイルにしてしまっていては、いつまでもきれいな髪になっていってくれません。

徹底的に美髪にするためには、基本的にまず薬剤を使った施術はNG。パーマやストレートパーマ、カラーなどですね。カラーに関しては一部例外もありますが(ヘナやマニキュアなど全くダメージの出ないものなら例外)、薬剤を使ってしまうと間違いなく髪のダメージは進行していってしまいます。
他にも薬剤を使わないにしても、ヘアアイロンを使えば熱によって髪にダメージを与えてしまうので、極力使わないほうがよいということになります。
つまり、絶対に髪にダメージを与えずにサラサラツヤツヤの髪にするというのは、「髪を傷めるようなことは何もしない」ということになりますよね。
そうなってくると僕も含めてクセ毛の人は「全く傷みのないサラサラツヤツヤのストレートヘア」にするのは無理なのか?となりますが。そうなんです…、できないんです。
ナチュラリストを貫くのなら、「飽き」と闘い続ける必要がある
近年では「ナチュラリスト」と呼ばれる自然派志向の人たちもいらっしゃいますよね。自然と共に自然のままに生きるといったライフスタイルですが、こういった人たちは口にするものから衣服に至るまで、天然素材にこだわっていると思います。もちろん髪もそうしていると思うんですね。何もしない。するのはカットだけといったように。

こだわっていてすごいなあと思う反面、飽きたりしないのかな?とも正直思ってしまいます。「髪のために!」とヘアケアに偏りすぎると、やりたいと思ったヘアスタイルができなくなってしまいますから、いっそう飽きてしまいそうな印象があります。
髪にダメージを与えるのが、必ず悪いとは言い切れない
一方で「ヘアケア=美髪」ではない人もいらっしゃいます。「髪のダメージは多少は気にはなるけど、それよりも自分のやりたいヘアスタイルにしたい!」というお客様もいらっしゃるんですね。
Tさんもその中の一人なのですが、こだわりのハイトーンカラーを維持するためにほぼ毎月ブリーチをされていきます。
ブリーチは美容室での施術の中でも最強クラスのダメージ施術ですが、Tさんにとってはそんなことはどうでもよくて「これをしなかったら自分自身じゃなくなる」レベルの大問題なんです。

このようにケアに力を入れるよりも、髪型重視の人もいらっしゃいますよね。どちらが正解というのはなく、好みで選んでいいと思います。
芸能人はなぜいつも、髪がきれいに見えるのか?
よくお客様からも聞かれるのは、「テレビで観る芸能人の〇〇みたいなきれいな髪になりたいんだけど、どうすればああなれるの?」という質問。
簡単に言ってしまえば、芸能人は撮影前には必ずヘアメイクさんが髪をスタイリングします。役作りのためなどで頻繁にヘアスタイルを変えるイメージのある芸能人ですが、いくら髪が傷んでいたとしても撮影前にはきれいにスタイリングされるので、髪がいつもきれいに見えますよね。

もちろん経済的な余裕もあるでしょうから美容室にマメに行ったり、高価な商品を使ってケアもしていると思います。とはいえ、全く髪が傷んでいないということは決してないと思います。芸能人の髪も傷んでいます(笑)。ちなみに美容師が見れば、何をすればどの程度のダメージが髪に出るかはすぐに分かります。

今回はケアにこだわるのか、髪型にこだわるのかというお話でした。
僕の個人的な意見としては、どちらがよいということはありません。ヘアケアに重点を置いて素髪(すがみ)をきれいにしてもよし。ダメージは気にせず、好きな髪型にするもよしです!
とはいっても、やっぱり人は飽きてしまうもの。時にはカラーも変えたいし、パーマもかけたりしてヘアスタイルを楽しみたい!と思いますよね? あまり偏りすぎず「ヘアケア」とも「ヘアスタイル」とも、上手に付き合っていってみてくださいね!
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