魔女の生態〜天羽水音の場合〜

[ デジデン編集部の『聞いた、見た、書いた!』 ]

今回はデジデンの占い師、「ゆる〜く生きる魔女」こと天羽水音先生が登場。アクセサリーショップを経営するかたわら、占い鑑定を行う。魔女ってどんなお仕事なんですか? これからどんな世の中になる? 黒猫は飼ってるの? なぜホウキではなくチャリに乗るの? 魔女のお仕事やポリシー、魔女の生態について、デジデン編集部が迫る。

神社・仏閣に行くと歓迎されるかのような光が降り注ぐことが多いという水音先生

職業=「魔女」

ーー「魔女」というと魔法や呪いと少し怖いイメージがあるのですが、どのようなお仕事なのでしょうか?

そもそも「呪い」って、誰でも出来ることなんですよ。「あいつのことがキライ」とか「ムカつく」とか、そういうことを言った時点で、それはもう「呪い」になります。呪いって実は身近に存在するものなのです。だから魔女に限らず、誰でも「呪い」をかけることはできるのですよ。効果が出るかどうかは別の話ですが。

ーー水音先生はそういうことは普段のお仕事で……

とんでもありません! 誰かを傷つけたり、おとしめたりすることを目的としたサービスはお受けしません。正直頼まれることもあるのですが、お断りしています。呪いなどは依頼しないでくださいね(笑)。

ーー冒頭から失礼いたしました。改めて、水音先生の鑑定方法について教えてください。

主にダウジング(振り子や棒を使う占法)で占います。今、あなたが抱えている問題に対して知りたい情報を引き出すのに向いている占法です。これは500円という超低価格から鑑定していて、もちろんプロなのできちんとした情報を提供しますが、サービスメニューなので文字数も出せる情報も限られます。

だから「私、この人と結婚して幸せになれますか」といった人生をかけたような質問には向きません。今抱えている問題の、情報整理に活用いただきたいと思います。

ーー水音先生という存在を通じて、占いを希望する方にどうなってほしいと思いますか。

占いって依存してしまう人が多いのも事実です。占い師さんに言われたから〇〇しなくちゃ、のように。そうではなくて、自分が占いの結果を聞いてどう考えてどう行動するか、その力を磨いてほしいと思います。占いに依存するのではなく、単に情報として活用してほしい。自分で判断して行動するということ、自分の責任で生きる人になってほしいです。そうしないと、誰かに言われたから〇〇する、という依存した人になってしまうので。

ーー私も占い師さんに言われたら、盲目的に従ってしまいそうな気がします。しかも魔女さんだし……

アナタの人生、ワタシが決めちゃっていいのですか?! 

もちろんこうした方がいいかもしれません、とアドバイスすることはあります。でも結果、それをやるぞと決めるのはアナタ自身。誰かに言われるのではなく、話を聞いて私が自分の意思で決めました、となってほしいんです。

あと、自分に自信がないとか、自分のことがキライという人が意外に多いのですが、占ってみると、実は自分のことが好きな人ってけっこういます。そういう人は、自分のことが好きということを表に出すのが恥ずかしい、してはいけないと思っているパターンも多いです。別に「自分のことが好き」なんて表に出す必要はありません、心の中でいくらでも思っていればいいんです、とアドバイスしています。

見た人にもエネルギーが届くような神々しい風景

ーーなんだか勝手にホワンとした雰囲気の方を想像していたのですが、水音先生、切れ味の良いトークですねっ。

あはは。よく「もっとおしとやかというか、落ち着いた人だと思ってました」と言われるのですが、お喋り好きだし、思ってることも結構ズバッと言っちゃうタイプです。血液型はAB型、変わり者で天才のABです。そういうとみなさん笑いますが。

ーーあはは。いや、失礼いたしました。学生時代はどのように過ごされたのでしょうか。魔女の見習いのような学校へ?

いえ、普通の学校に通っていました(笑)。アニメや漫画が好きで、それを隠さず好きと公言するような子でした。落書きで漫画っぽい絵をよく描いていましたね。逆にこっそりセーラームーンの絵を描いていた子は、はるかに私より上手なのに周りからイジられていたんです。自分が好きなモノを曲げずに堂々としていたから、イジられることはないんだと思いました。

ーー自分の「好き」に対して堂々と自信を持っている人には、人は何も言えなくなるのかもしれませんね。水音先生のキャラクターはご自身で描いているのですか?

いえ、絵はもう描いていなくて、これはお友達の子に描いてもらいました。この子はすごく絵が上手なのに、自分の描く絵に自信がないって言うんです。私の友人で作家の仲介をしている人を紹介し、現在はセミプロとしてメキメキと力をつけています。私が有名になれば彼女も有名になる! と思っていましたが、今では彼女の方が有名になりました。

ーー水音先生は人とのつながりを大切にされる方なのですね。ところで、魔女といえば動物と仲良しのイメージがあるのですが、お家にはやはりネコちゃんがいるか知りたいです。

います。今まさに、横でご飯を食べていますね。黒猫か? 違うんですよー。性格はビックリするほどオットリして甘えん坊でおとなしい。猫飼いの親バカ大爆発で「もううちの子は特別に可愛い!」 って思っています。お客さんが来た時にもちゃんとご挨拶するんですよ。

ーー気持ちが通じ合っているとか、お仕事のインスピレーションをもらうことはありますか。

お互いよく話しかけていますよ。家猫なのですが、以前うっかり外に出ちゃったことがあって大慌てで近所を探したことが2回くらいありました。日頃から「危ないことがあったらワタシを呼ぶんじゃよ」と伝えてはいたのですが、私の言いつけを守ったのか、私を呼んだかのように家から一本離れた道で私を待っていました。

今はもうお外が怖い、というのが分かったので、私の部屋からは出ません。仕事のインスピレーションをもらうか? いえ、ありません。猫は愛玩動物でただただ可愛いだけです。

水音先生の愛猫、さくらちゃん。美しい……

ーー日中に活動されますか、それとも夜型なのでしょうか。

夜型です。遅い時間に起きて、早い時間に寝る、という感じ。最近は明るくなってから寝ることもしばしばです。夜は静かなので落ち着きます。夜鑑定することも多いですね。

やはり魔女は夜型であり、魔女はネコを飼っていた。想像通りで嬉しくなってしまう。

占い師さんに言われたことを盲目的に信じてしまいそうで、占いにはあまり行かない筆者であるが、そうか、占いは単に情報として活用すればよいのか。行動するのは自分次第なのだ。

愛してやまないものたち

ーー水音先生、素朴な疑問なのですが、水音先生は魔女なのになぜチャリに乗っていて、なぜ「チャリで地元のスイーツレポ」をされているのですか? 

自転車って気楽でいいんですよね。細い道も一方通行も気にせずスイスイいけちゃう。気になる場所やお店を見つけたらピッと停めてサッと見て、買いものしたらすぐに出ていけちゃう。

自分の足で漕ぐのも楽しいんですよね。いろんなものがある道をスイスイ走っていると、どこまでも行ける気分になる。愛車はロードバイクとかじゃなくて買い物にも便利なママチャリですが、自転車で片道1時間くらいまではヨユウに行動圏内です。

地元のスイーツレポをしているのは、連載が始まった当初コロナ渦だったからです。私自身も電車に全く乗らなくなり、当然遠出も控えるようになりました。

幸い自転車で行ける範囲に色々そろっていたので、この際地元近辺をもっともっといっぱい探検して詳しくなってやる! と思ったんです。

なかなか遠くに行かれない、繁華街にいけない、という窮屈な状況が続いているけれど、そんな時は地元に目を向ける絶好のチャンス! 今まで何度も通った場所でも知らない場所は意外とあるものですし、買ったことのないお菓子を買ってみたらすごく美味しくて、今まで買わなかったことを後悔するかもしれません。地元でも発見できる楽しみってたくさんあるんですよ。

地元のスイーツだけ、というわけではないので、「さくさく工房」さんの時のように、出張版みたいな記事も書けたらいいなと思っています。ご紹介したいお店はまだいっぱいありますしね!

ーーちなみにホウキには乗りますか……?

乗りません! でも、空飛ぶホウキが実在するのなら乗りたいですね。

夢の中で飛ぶ時はいつも自力ですし、マトリックスの飛行シーンみたいにブワーっと飛ぶんです。スタイリッシュさはありませんが(笑)。

私は覚えてないのですが、小さい頃バスが好きだったらしくて、目の前にバスが止まると乗っちゃう子だったそうです。しかたないからバスの運転手さんにお願いして1往復させてもらって降りて帰ってきたというエピソードを聞きました。

その要素が今もあるのか、乗り物が基本的に好きなんです。魔女は自転車にもバスにも電車にも乗る。でも免許は持っていません。人をひいちゃいそうで……(笑)

ーーそっそうなのですねっ。水音先生はご自身をよく理解されていらっしゃると(笑)。チャリで行く! のスイーツレポでは、水音先生が生産者さんとのコミュニケーションを大切にされていらっしゃる様子が伝わってきます。

ハイ、めっちゃ大事にしています。オススメの話を聞くのも楽しいし、こんなこだわりで作りました、という話を聞くとさらに美味しくなります。

以前記事で書いた「菓子工房KIQCHI」さんのお菓子は見た目は少し地味だけれど、ものすごーく美味しいんです。お菓子を作るキクチさんご本人がお店に立っているのですが、口下手で無骨な職人さん、という雰囲気が垣間見えて、かつ作り手のお人柄がお菓子に表れていて、素敵だなーと感動するんです。

ーーたしかに水音先生の記事を読まなければ、なかなかあの場所に美味しいお菓子屋さんがあるとは思えませんでした。水音先生はお茶がお好きということですが、今はなにを召し上がっているのでしょうか。

ハイ。今は新潟の「雪国紅茶」を飲んでいます。新潟で紅茶作ってるんだ! と感動してしまって。日本茶も紅茶も中国茶も好きです。お茶は家に大量に「積まれて」いて、まさに「積茶」状態。「積読」という、本を買って後で読む本がどんどん積まれていく状態の「お茶」バージョンです。1日1.5リットルくらいは飲みます。出かける時は800ミリリットルの保温ボトルに入れて、寒い時はホット、暑い時は冷たいのをガブガブと。

ーーコーヒーやお酒も召し上がるのですか?

黒い水は苦手なんです。でも、あの黒い水は牛乳という素晴らしい牛さんの成果物を入れて飲むと美味しくいただけて、そっちは好きです。お子様なんですよね。残念ながらお酒は飲めません。消化能力がないんです。体が受けつけてくれなくて……ただ、お酒を飲む人と同じテンションで話すことができるので、そういう席でツライと思った事はありません(笑)。

ーーお酒はダメというのは魔女っぽいです! お茶のお話に戻ると、茶器にもこだわっているとSNSで拝見しました。

茶器は集めたいのですが、集め始めたら沼なのでグッと我慢しています。どうしても欲しいっというものは買いますが、割ってしまったら悲しいので、うんと高いモノは綺麗な箱に入れて保管しています。で、疲れた時に箱をソッと開けます。「あ〜素敵〜」ウットリして元気をもらうんです。観賞用ですね。

ーー魔女っぽくて可愛いですね。お茶はどこで購入するのですか?

お茶の即売会のイベントがやっていればそこに足を運びます。やっぱり一番苦労している生産者さんにお金を直接払えるってすごいことだと思うんですよ。

直売って一番頑張っている方に直接まるっとお金を届けることができるシステムじゃないですか。コロナ禍でイベントがなくなってしまったことは本当に悲しいです。少し落ち着いてきたので、また再開されたら必ず足を運びます。

魔女、天羽水音は今の状況にあらがうことなく、その中で楽しいことを見つける才能を持っていた。だが、魔女は知っているに違いない。これから世の中がどうなるのか。私たちはどうすべきなのか。それをどうしても聞かなければ。

こちらは京都の八坂神社にて撮影したもので、水音先生曰く「木に呼ばれたような気がした」んだそう

「天羽水音式」魔女の流儀

ーー水音先生に最後に伺いたいのですが、「風の時代」になったといわれますが、これから世の中はどう変化すると思われますか?

なるようになりますよ(笑)。私はあまりそういうことを気にしないんです。変化したら順応すればいいじゃない。考えた方がいいのかもしれませんが、考え過ぎて、未来が来る前にガッカリして未来に期待が持てない、不安で前に進めないのではモッタイナイじゃないですか。

今って不安ばかり取り上げられるけれど、まだ来ていない不安を心配してばかりいるのはもったいなさすぎる。その時代、その状況にうまく順応して楽しみを見つければいい、と思っています。

ーーそうなんですね……でっでは「予言」を受け取ることはあるのですか?

えーないです。というか、しないです。そういうことはせずに、あるがままを受け入れて、もっと良い方向に持っていこうよ、というスタンスでやっています。

魔女、天羽水音からこれから世の中がどうなるか聞き出そうと食らいついたが、魔女はサラリと身をかわしこれ以上聞き出すことはできなかった。そう、これから世の中がどうなるかなど、魔女はあまり興味がないのだ。見えない将来を不安に思う必要はなく、うまく順応しながら自分なりの生き方を模索していくほか生きる術はないのだ。

天羽水音は自然体でコミュニケーション上手、ウワベを取りつくろったり決してしない、あったかい魔女だ。「ゆる〜く生きる魔女」というが、それは「ゆとり」があるということだ。常に「自分の好きなこと」を大切にし、美味しいものに感謝し、自分ではどうすることもできない流れにあらがうことなく自然に生きる。考えてみれば童話に出てくる魔女も、森の中で動物たちと仲良くのんびり暮らしている。

どんな状況でも楽しめることがいっぱいあるよ、不安にならず大丈夫。そんなメッセージをもらった。流れに身をまかせ、自分の足で自分の人生を歩いていけばいいではないか。

そう、ゆる〜く。

天羽水音ツイッター
https://twitter.com/mizune_amou
天羽水音ブログ
https://ameblo.jp/amou-mizune/

文責:長島綾子


【天羽水音先生の紹介はこちら】

ゆる~く生きる魔女。好きな物はお茶とお茶菓子と美味しい物全般。べにふうき釜炒り茶は珍しい&飲みやすいのでみんなで飲んで免疫UPしましょう♪
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デジデン編集部・取材ライター。
18年CAを経験後、ライティングを学び現職。初めて取材した花火師の記事がnote主催コンテストにて入賞に選ばれる。長島綾子さんの紹介ページは→こちら

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