待望の新連載、間もなくスタート!パワーストーンの専門家。え、黒魔道師っ?

[ デジデン編集部の『聞いた、見た、書いた!』 ]

突然ですが、みなさまは「石」や「パワーストーン」にご興味がありますか? この度、デジタルデンではパワーストーンの専門家をお招きし、新連載がスタートします! 今回ご登場いただくのは、なんと、職業=黒魔道師という方! しかもボケもツッコミも得意な生粋の関西人です! 「風の時代」といわれる新しい時代を迎えて一年が過ぎた今、新たな世界に足を踏み入れるキッカケになるかも?

黒魔道師に「お仕事内容」を聞く

ーーはっ、はじめまして。どうぞよろしくお願いいたします!

紫乃女さん(以下、紫乃女):はじめまして〜紫乃女(しのめ)と申します〜。ほんとにまあデジタルデンの社長さんったらまた無茶なことをねぇ。私のインタビューなんてやりづらいと思いますよ。仕事柄、顔は出せませんしね。一般の方に私のインタビュー記事を書かせるなんて無茶では? と言うと「じゃ、自分で自己紹介して」と言われまして。そんな、発情期でもないオスのクジャクが四六時中羽根を広げるようなみっともないマネは私にはできません、とお断りして。そこでインタビューしてもらうことになった次第です。

ーーおてやわらかにお願いします! このたびはデジタルデンにてパワーストーンの記事を書いてくださるとのこと、ありがとうございます。まずは紫乃女さんのお仕事内容をお伺いできますか?

紫乃女:そうですね、わかりやすいところでは『銀30枚』というパワーストーンや魔術に関するwebサイトの運営と、『薔薇のシッポ』というパワーストーンやアミュレットなどを販売するwebショップの管理人をしています。

これらのサイトのお客様は、私のことを「黒魔術師」とか「黒魔道師」と認識しています。

具体的には、

・ブレスレットなどの商品に使うパワーストーンの組み合わせ(配列)を考案。
・アミュレットや護符を考案。
・使い方や効能を解説し、『薔薇のシッポ』で販売。

・『銀30枚』ではライフワークとしてのオカルト研究や分析、考察を投稿。 

要するに、分かりやすく言えばオカルト屋です。気になる方は『銀30枚』にいらしてくださいね。

ーーそもそも「パワーストーン」とはどのような石のことをいうのか、宝石とパワーストーンがどこから線引きされるのかよくわからないのですが……

一般に知られるダイヤモンドやルビー、エメラルド、サファイア。そういう石は「貴石」というのに対し、アクアマリン、カーネリアン、オニキスなどの石を「半貴石」と呼びます。この中でパワーストーンと呼ばれるのは、クオリティの少し低い貴石や半貴石です。一昔前、ブームがありましたよね。たとえばローズクォーツとか、本来はロードクロサイトが正式名ですが、一般的にはインカローズの名で知られる半貴石は恋愛のお守りになるといわれています。

ーーパワーストーンって種類が多いので、買うなら自分に合ったものを教えてほしいのですが、それを占ってもらうことはできるのですか?
紫乃女:占いに関しては、まさにあなたのように「私にはどのような石が合いますか?」とご質問いただいた際には、その方のお生まれになった日などから占い、アドバイスさせていただくことがあります。ですがそれ以外に関しては、基本、占いでお代をいただくことはしません。

なぜなら、たとえば「左と右、どちらがいいか」なんて聞かれることがありますが、ご本人が「右」がいいと思っている場合、「左がいいですよ」と占い師が言っても、素直に左に行く方はいないのです。「右に行った方がいいですよ」と言ってくれる占い師が出てくるまで占いに通うのが、占い好きな方がなさることです。

私がいくら「そんな男はやめておけ」と言ったところで、女性は聞かないのです。けれど「彼と別れたら死んじゃうー」なんて言いながら、3ヶ月後には新しい彼と嬉しそうに街を歩いていたりします。そんな女の子たちを占ううちに「誰も私の言葉を聞かないなら占っても仕方ないやないの」と思うようになりましてね。

ーーそういえば納得いかない占い結果を宣告され、悔しくて別の占いに行った若かりし日を思い出しました……

紫乃女:それに、占いでは私が望まない結果が出てしまうことも多々あり、残念ながらその通りになってしまうのですよ。だからあまり占いはしたくありません。つまり世の中とは世知辛いということです。

「石に人の氣が移る」というのは本当?

ーー私は「石が持つ力」に少し恐怖心がありまして。はるか昔20代の頃、デザインが気に入った石のネックレスをつけて当時付き合っていた彼に会いにいくと、自称霊感がある彼から「その石は呪われている。今すぐ捨てろ!」と言われたことがあって。

紫乃女:そんな男こそ捨てろ! でしょう。女の子がお洒落して小綺麗なアクセサリーをつけているのに、それを褒めずに捨てろとは! 男たるもの紳士たれ。なんと情けない男だろう。

男に生まれたとは、まずは「オス」というだけで、それが「男」になり「紳士」となるには鍛錬が必要ということですよ。男は背中で語れ。男は紳士であれ。

ーーはっはい。もう過去の話でして(汗)。

まあ気持ちは分からなくはないですよ。なにかが「憑いて」いそうだよね。よくあるのが質流れの品、中古品ね。誰かが使ったものには前の持ち主の霊が宿っていると思う人もいて、質流れ品を「浄化」「聖別」するにはどうすればいいか、というご相談もいただきます。

太陽の光に当てるとか月の光に当てるとか塩水で洗うとか言う人がいて。でもね、太陽に当てたら紫外線で変色、退色する石もある。それぞれの石にあった聖別方法があるのですよ。

ーー実際のところ、石には人の氣が移るのでしょうか。

吸収されやすいという人もいれば、そんなこと考えなくていいという人もいるでしょうね。私は「他人には触らせない方がいい」とお伝えしています。もし触らせるなら、兄弟、姉妹、両親、子供であればいいでしょう。兄弟、姉妹なんて遺伝子的にはほぼ一緒、親は半分自分、子供も半分自分。それならいいんじゃない、赤の他人はやめましょうという考えです。そういう考えの方は多いんじゃないですかね。

ーー紫乃女さんは「聖別」「石の浄化」をどのような方法で……あ、でもそれは企業秘密ですか(汗)。

うちの場合は軽く専用のオイルを塗ります。お香の煙に通す人もいます。私が浄化するのは、『薔薇のシッポ』で販売している商品をお客様にお送りする前のタイミングだけ。お客様からの浄化の依頼は受けておりません。こちらで販売している商品は私の監修の元、製作部が素手で作業にあたります。その時点で多くの人の手に触れるので、ラッピングする前に浄化し、配送します。

ちなみに石の買いつけについては、以前は展示会に行って各地の石を選んで購入していましたが、コロナ禍でそれも難しくなり、現在は信頼できるネット通販で購入しています。ビーズ加工されている、研磨され穴が空いている状態のものを一連(40センチ単位のもの)や半連購入していますね。

信頼できるネット通販がどこか? 気になる方は『銀30枚』へどうぞ。

14歳からオカルト方面に興味を抱く。自身で洋書を翻訳し知識を吸収した中高時代

ーー紫乃女さんはパワーストーンや魔術について、いつ頃から興味を持たれたのか、この世界に入られたきっかけをお聞きしたいです。

紫乃女:十四の時、諸事情がありまして、オカルト方面の知識を急遽集める必要に迫られました。そこで、とあるオカルトショップに出入りするようになります。その店のオーナーであり、その世界では有名で本も何冊も出されている方が、私にとって最初の師匠となります。そこではタロットカードや様々なグッズ、オカルト本や輸入本などを購入し、家で必死に翻訳しながらオカルトの知識を吸収するような中高時代でした。

とはいえ、何かが見えるようなオカルト女子でも物静かなタイプでもない闊達な子でした。関西人ですからボケとツッコミをどちらもこなしますし、学校ではちょっとした人気者でしたね。女子ばかりの環境で、バレンタインデーにはアホみたいにチョコをもらいました。オカルトショップに出入りしていることは誰にも明かさずおりました。

大学生になり英文科に進んだ私は、例のオカルトショップから「アルバイトしてみない?」と声をかけられます。私の仕事は店番と英語のオカルト本の翻訳。くる日もくる日も翻訳をし、オカルトの知識を吸収しました。お店には占いブースもあって、占い師のお姉さんが休憩時間になると遊びながら占いを教えてくれて、楽しかったですね。

大学を卒業しオカルト店のアルバイトを辞めた後、何人かの師匠の元で学んだのち、今に至ります。

ーーそうだったのですね。魔術の中でも特に石に興味をお持ちになった紫乃女さんですが、石は昔からお好きだったのでしょうか。

昔からキラキラ光るものが好きで、河原でキレイな石を拾ったり、ラムネのビンの中のビー玉をどうやって取ろうか考えたり。石は遊び道具のような存在でした。大学生になってからはアルバイトで大量のオカルト本を翻訳するようになり、石と関連する魔術は多いので、石についてはまるで大学の単位を取るように勉強しましたね。

知恵と愛情を与えてくれた母。亡くなる前の言葉は「お前は私の最高傑作だ」

ーー学生時代から英語が堪能だった紫乃女さんですが、英文科に進んだのはその後の進路に役立つよう、ご自身で選ばれたのですか。

紫乃女:いえ、母の言うまま入った中高一貫校が進学校で英語に力を入れていたので、その流れで英文科に進みました。とても頭のいい母で、たとえば断層について、天体について、ヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)について、私が質問すればどんなことも丁寧に教えてくれました。幼い頃天体望遠鏡を父に買ってもらい、母と一緒に覗くと「あれがはくちょう座よ」「あれはこと座よ」と教えてくれる母。「全然白鳥になんか見えないよ」「どこが琴なの?」と質問攻めにする私に「こうやって線で繋ぐのよ。昔の人は想像力が豊かだったんだね」と根気よく教えてくれました。

「いっぱい星があるんだね、お母さん」と言うと、「ここは銀河系の端っこです。お母さんは実はね、銀河系を束ねる女王なんですよ。いつかお前が立派な大人になったら、女王の座を譲りましょう。だから女王たるもの、学校の勉強くらいできなきゃダメでしょう。いいですか。学校の勉強は真剣にやりなさい。ご本を読みなさい、テストではいい点を取りなさい。そうでないと女王の名に相応しくありませんよ」なんて言い出したのです。

えらいこっちゃー、と慌てて父に「お母さんが自分は銀河系の女王だと言ってる」というと、「お母さんが言うならその通りなんだろう」と。また祖母に同じことを聞くと「昔はばあちゃんが銀河系の女王だった。あの子が大きくなったさかい、あの子に譲ったんや。次はお前やなぁ」って言うんですよ。「頑張らなーうちは女王の家系や」って思いましたね。さすがに小学校高学年になったらウソだって分かりましたが。でもその頃にはきちんと勉強する癖が身に付いていました。母のことは尊敬しています。母に匹敵する頭のいい女性には出会ったことがありません。

ーー素敵なお母さんですね。紫乃女さんの軸はお母さんから大きく影響を受けていらっしゃるのですね。

紫乃女:「何かアイディアが浮かんだとき、それはいい考えだ、と思うようにしなさい。なぜなら、それをくだらないという人間は、周りにたくさんいるから。おそらくみんなが口を揃えてお前のアイディアをつまらないと否定するだろう。だから必ず、自分のアイディアを肯定しなさい。自分で自分を否定してはいけない。お前だけは必ず、どんな時もお前の味方でいなさい」とも言われましたね。

母は亡くなる前、「お前は私の最高傑作だ」と言って手術室に消えていった女です。だから私は、彼女の最高傑作なのです。そんな最高傑作を私は否定などできない。母のことを愛しているから。もしも私が自分を否定したならば、「母の産んだ娘はくだらない生き物だ」ということになる。死んだあの人に絶対そんな思いはさせない。だから私は常に「私は最高傑作だ」と思って生きているのです。

だから傲慢ですよ。最高傑作が傲慢で何が悪い。

ちなみに父は武道の国体選手でした。荒っぽい男でしたよー。親父の男気や荒っぽさは、すっかり私に引き継がれました。「売られたケンカは借金してでも買え」なんて父の教えもしっかり受け継ぎ今に至ります。

ウィキペディアを読めば知識は吸収できるもの?

ーーデジタルデンの読者に向けて、連載への意気込みなどをお伝えいただけますか。

紫乃女:読みたければ読めばいいです。それ以外、特にありません。石に興味のない人に無理して読んでほしいとは思いません。無理は禁物、ストレスは大敵ですから苦手な分野はおよしなさい。人間が500年も生きるなら話は別ですが、この世で生きるのは長くてもたかだか100年。ならば無理するよりも得意分野を伸ばせばいい。

でも、興味のない記事もとりあえず読むことは大事ですよ。どこに気づきがあるか分からないので。だから自分の興味あることだけじゃなくて色んなものを読んでみる。過去に読んだものが今読んだものと繋がる。それこそが知識のネットワークというものです。蜘蛛の巣のようにさまざまな知識が繋がるからこそ、自分の考えというものが構築されるのです。だから知識は、自分の興味あるものだけではいけない。

情報はあちこちに落ちている。今の自分から成長したいと思うのであれば、常に知識の吸収というものを心がけるのが良いでしょう。

ま、私の記事を読む時間があればウィキペディア読めばいいんじゃないの、とも思いますけどね。そんな感じです。

自身の記事を読む時間があればウィキペディアを読んだ方がいい、と紫乃女先生はおっしゃいましたが、とんでもないことです。筆者は今回のインタビュー後、何度も紫乃女先生のおっしゃる言葉をウィキペディアで調べました。

石やオカルトの話を聞かせてもらった短い時間でも、化学組成、考古学、地質学、宇宙や天体、物理学に心理学にシェイクスピアと、幅広い知識をふんだんに交え、ご説明くださる紫乃女先生。これから始まる石とパワーストーンの連載は、まさに一石二鳥、いえ、二鳥どころではありません!

14歳から独学で学び修行された豊富な知識とご経験、また魔術に関する講師歴も10年以上のキャリアをお持ちの紫乃女先生。説得力あるキレッキレのトークに、これからの連載も見逃せません。

まもなくスタートの新連載をどうぞ、お楽しみに!

(文責:長島綾子)


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デジデン編集部・取材ライター。
18年CAを経験後、ライティングを学び現職。初めて取材した花火師の記事がnote主催コンテストにて入賞に選ばれる。長島綾子さんの紹介ページは→こちら

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