
意外と知らない土用の話
[ 「しなやかに生きるための開運幸せレッスン」 ~運気の上げ方、お教えします~ ]
7月19日に夏の土用に入りました。この土用期間は8月6日まで続きます。
土用といえば丑の日にうなぎを食べると思う人が多いのですが、それは土用のほんの一部にすぎません。土用は暦の雑節のひとつで、夏だけでなく季節ごとに年に4回あって、実は要注意期間なのです。今回は、意外と知らない土用についてご紹介します。

土用とは
土用とは土をつかさどる土公神(どくじん)という神様が支配する期間で、正式には土旺用事といいます。土旺用事は土の気が旺(さかん)になり事を用うると読み、この「用」には「はたらき」という意味があって、陰陽五行の中の土の気がもっともはたらく期間です。
土の中から種が発芽することから、土の気は大きな変化を促し、再生と破壊の象徴とされています。季節の変わり目でもあり、エネルギーが不安定な時期なのです。
※「土旺」が日本に伝わってから発音がなまって「どよう」になり、「用」という漢字があてはめられて「土用」になったという説もあります。
土用期間はいつ?
陰陽五行説で四季を表すときに、春に木、夏に火、秋に金、冬に水の気を割り当てました。そうすると「土」が残るので、この「土」を各季節の末に当てはめて土用としたといわれています。
そのため、土用期間は立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間になります。

土用にしてはいけないこと
土用の期間には、してはいけないとされていることがいくつかあります。単なる迷信ではなく、悪い結果を招かないようにしたり、危険を避けるという意味でも気を付けたいですね。
◇土を動かす作業
土公神が土の中にいる間は神様の邪魔をしないように、土を動かす作業(地鎮祭、柱立て、基礎工事、修理、壁塗り、井戸掘り、土いじりなど)は凶とされています。
◇新しいことを始める
土用の間はエネルギーが不安定なので、新しいことを始めるのには向いていません。特に、新居購入、就職、転職、結婚、結納、起業、開業、開店などは避けましょう。
◇旅行、引っ越し
土用の間はどの方位も良くないのですが、この期間に特に凶となる土用殺という方位があります。夏は旅行をする人も多くなりますが、この期間は旅行や引っ越しは控えるのが無難です。
ちなみに、夏土用の土用殺は南西になります。月の凶方位に加えて、南西への移動は避けてください。
◇土用でも例外になる「間日」
土用の間は土いじりがだめといっても、18日もあるので不便なことが出てきます。そこで、土公神が土の中から出て天上界へ行っている間日(まび)は、土いじりなどをしても良いとされています。
季節によって間日が決まっており、夏の土用の間日は、辰、申、卯の日。2021年は7月19日 (月) 、7月23日 (金) 、7月30日(金) 、7月31日 (土) 、8月4日 (水) が間日になります。
土用の食べもの
土用と聞いて、一番気になるのが食べものではないでしょうか。
土用の丑の日といえばうなぎが有名ですが、各季節の土用には陰陽五行説に基づいて、食べるとよいとされているものがあります。
春土用のおすすめは、戌の日に「い」のつく食べ物、白い物です。
具体的には、イカ、いわし、いくら、イチゴ、大根、豆腐、ごはん、お餅などが挙げられます。
夏土用のおすすめは、丑の日に「う」のつく食べ物、黒い物です。たとえば、うなぎ、うどん、梅干し、瓜、牛(肉)、シジミ、黒豆、昆布などです。
夏土用には、土用シジミや土用卵、土用餅を食べる習慣もあります。

土用にとれたシジミは滋養があるとされ、昔は「腹の薬」と言われていました。卵は栄養価が高いので、土用に産まれた卵を食べて夏バテを防ごうという意味なのでしょう。土用餅は少し意味が違って、昔の宮中の風習が江戸時代にあんころ餅になり、お餅は力餅、小豆は厄除けに通じるため、土用餅を食べると、暑さに負けず無病息災で過ごせるといわれています。
秋土用のおすすめは、辰の日に「た」のつく食べ物、青い物です。
具体的には、玉ねぎ、筍、タコ、タラ、タイ、サンマ、サバなどがあります。
冬土用のおすすめは、未の日に「ひ」のつく食べ物や赤い物です。たとえばヒラメ、ひじき、りんご、小豆などです。
土用の期間は体調の変化が出やすいので、昔の人たちはその時期に旬をむかえるものを食べて栄養をとり、次の季節に備えたのでしょうね。
土用の過ごし方
年に4回の土用は季節の変わり目なので、体がついていかずに体調を崩しやすくなります。実は、これが一番気を付けたいポイントで、土用期間は要注意といわれる理由です。
変わりゆく季節に体を慣らすためにも、無理をせず、いつもより多めに休んで、たっぷり眠りましょう。それぞれの土用にお勧めのものを食べて、栄養をつけるのもいいですね。
積極的に出歩くよりも、本を読んだり、勉強をして力を蓄えたり、先の計画を立てるのもお勧めです。次の季節への準備として、衣替えや掃除、夏には衣類などの虫干し(土用干し)をしながら、ゆっくり過ごしましょう。

いろいろ書きましたが、土用は季節の変わり目であり、エネルギーが不安定なとき。この間は無理をせず、たっぷり休んで体調に気を付けてくださいね。難しいことは忘れても、これだけ覚えておけば大丈夫です。
この記事へのコメントはありません。