
マイペースでいこう
[ 「しなやかに生きるための開運幸せレッスン」 ~運気の上げ方、お教えします~ ]
「マイペース」というと、周りと関係なく自分のペースでやっていく人のようなネガティブなイメージがあります。でも、どんな人にも自分のペースはあるもの。せっかちな人がいたり、おっとりしている人がいるのはその現れですね。今回は周りに振り回されず、良い意味で自分のペースを守って自分らしく生きましょうという提案です。
本来のマイペースとは
マイペースとは「自分に合った方法や速度で物事に取り組む」こと。他人に合わせないとか、自分のことしか考えないという意味は全くないのです。ここでは、この本来の意味でのマイペースについて取り上げます。
そもそも人は千差万別なのに、日本では皆同じようにするのが良いと教育されてきました。小さいころは同じ学年でも4月生まれと3月生まれではほぼ一年の差があるので成長の度合いが違い、同じ月に産まれても発達度合いはそれぞれですし、家庭環境や持って生まれた個性も違います。大人になってからも、てきぱきしている人もいればのんびりしている人もいるし、時間に正確な人もいればルーズな人もいます。
人はそれぞれ遺伝や体つき、内臓、脳、個性、能力、育った環境、教育などが違う訳ですから、同じ人がいないのは当たり前。つまり、どんな人も自分なりのペースをもっているのです。多様性の時代といわれる今でもそれが認められていないのは、不思議なことですね。
その人のペースが速いか遅いかどんな感じなのかは、動作や話し方でわかります。早口の人や普通にしていても手早い人、歩くのが速い人はペースが速いし、じっくり考えたり、作業がゆっくりの人はペースが遅めといえます。自分も相手も大体のペースがわかっていれば、変にイライラしたり、焦ったり、衝突することが避けられます。

速い=良いではない
30年以上前に、アメリカから来日したパッチワークの先生にミシンキルティングを教えてもらったことがあります。当時の日本では手でキルティングをしていたため、最新の技術を学ぼうと皆一生懸命で必死になる余り、無意識に息をとめてミシンをかけていました。それを見た先生が「速く縫おうと思わなくて大丈夫。ちゃんと息をしながら、それぞれが自分のペースで縫ってください」とおっしゃったのです。
それまでは、なんとなく「速いのがいい」「遅いのは悪い」というイメージだったので、自分のペースでいいなんて思いもよらないことでした。だからこそ、今でもそのことを覚えているのだと思います。その後、アメリカでもパッチワークのさまざまな講習を受けましたが、日本では先生の言う通りに速く仕上げようとする人が多いのに、皆さん良い意味でのマイペースで好きなように作っていました。あのときの先生の言葉は特殊なことではなく、アメリカでは当たり前のことだったのです!
良く考えると、仕事は速いけれど雑な人もいれば、ゆっくりでも丁寧な仕事をする人もいます。速いことだけが良いのではなく、内容や質も大事ですよね。もういい加減、スピード神話から抜け出しましょう。

マイペースで生きるためには
マイペースで生きようとするときに、一番気になるのが他人との関係です。まずは周りに合わせるのはやめましょう。他人のペースに引きずられないよう、迷惑をかけない範囲で自分のペースを守る訳です。そうすると、周りに振り回されなくなって自分も楽になりますよ。
いつも他人からどう見られるかを気にしていては、マイペースではいられません。だから、他人の目を気にしすぎず、他人と比べないこと。人は好きなことを言うものですから、「何か言われても気にしない」「わたしはわたし」くらいの割り切りができるといいですね。
長い目で見ても、若いうちから成功する人もいれば大器晩成型の人もいます。また、会社員に向く人もいれば、起業するのに向いている人もいますし、ひとつのことを極めていく人もいます。自分に合わないことをしていると、せっかくの才能が生かせませんね。マイペースでいくには何をするかも大きくかかわってくるので、自分が心地よくいられる環境を見つけるのも大事なポイントです。

マイペースで生きるのはいいのですが、社会の中で摩擦なくやっていくためには、人に迷惑をかけないことと締め切りやルールを守ることは大切です。マイペースを貫くときに他人など関係ないという姿勢はNG。それでは単なる自分勝手な人になってしまいますし、自分だけよくても周りは困ります。マイペースをお勧めするのは心地よく生きるためなので、周りと良い関係でいられるように工夫しましょう。
自分のペースがあるということは、他人にもその人のペースがあるということ。これは案外忘れがちなのですが、マイペースを守りつつ、他の人のペースも尊重すれば、お互い気持ちよくいられますね。それぞれがマイペースでいれば、人間関係も仕事もその他のことも、余分なことに煩わされずにうまくいきます。『マイペースが引き出す可能性』という本があるくらいで、マイペースでいると本来のあなたの力を出しやすくなるのも大きな魅力です。
マイペースで生きるのは自分を大切にすることでもあり、時間をかけてでも築いていく価値がありますね。いきなり環境を変えるのではなく、今いるところでマイペースでいられる方法を模索しつつ、どうしてもむずかしければ環境を変えることも視野に入れて、あなたにとって自分らしく楽に生きられる道を見つけてください!

開運幸せトレーナー。
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。認定産土カウンセラー、開運カウンセラー協会会員。英日・日英翻訳家、パッチワークキルト作家。大田亜侑さんの紹介ページは→こちら
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