
幸せの形は人それぞれ
[ 「しなやかに生きるための開運幸せレッスン」 ~運気の上げ方、お教えします~ ]
幸せになりたいという気持ちは誰もが持っていますが、自分は幸せだと感じている人は残念ながらそれほど多くはありません。日本は平和で物も豊かな国なのに不思議だと思いませんか? 今回はなぜ幸せだと思えないのか、どうすれば幸せを感じられるのかを探っていきます。
幸福度の低い日本人
日本人の幸福度は昨年の調査では156か国の中で56位。先進国の中では最下位です。この調査では、GDPや健康寿命、自由度、社会の寛容さで判定を出しているそうですが、日本は健康寿命は2位、GDPは24位なのに、自由度は64位、社会の寛容さは92位という低さです。この辺に幸福度が低い原因がありそうですね。
日本は個人主義ではないので世間体や他人にどう思われるかをすごく気にします。しかも、スカートの長さまで決まっているような学校の規則にはじまって、社会に出てからも周りと違う人には厳しい目が向けられます。そういう社会環境のせいで窮屈に感じ、幸せだと思えないのかもしれません。
意外な原因はここに!
幸せを感じられない原因は他にもあると思います。日本では、自分の考えをはっきり持っていてそれを前面に出すと、煙たがられたり仲間はずれにされることもあります。まさに「出る杭は打たれる」です。言い方を変えれば、誰かに言われたらその通りに従い、他からの価値観をそのまま受け入れている受け身の人、主体性のない人が好まれるため、多くの人がそうなっているのです。

これは小さいころから親や教師の言うことをきく子が良いとされ、自分の考えをぶつけて反抗するのは悪い子だとされてきたのが大きな原因ではないでしょうか。最近は違うのかもしれませんが、いま大人になっている人の多くはこのような教育を受けてきた筈です。これでは主体性など育つ訳がなく、せっかくの個性もつぶされてしまいますね。
幸せとは自分が「幸せ」と感じること。外から与えられるものではなく、自分が決めるものです。でも、いつも受け身の人は自分では考えない、決断しないために感覚も思考力も鈍ってしまい、社会の常識や世間で良いとされていることを鵜呑みにして、幸せも「お金持ちになる」「出世する」「大きな家に住む」「好きな人と結婚する」のような一般的なイメージを目指す傾向があります。
人はそれぞれ遺伝子も個性も育った環境も背景も現在の状況も違う訳ですから、幸せも人それぞれです。大勢の友達とわいわいするのが楽しいという人もいれば、一人で静かに本を読むのが好きという人もいますね。幸せに大小はなく、優劣もありません。これが幸せだと押し付けられるものでも、他人と比べるものでもなく、心が満たされていれば幸せなのです。まずは、幸せの形は人それぞれで、数限りなくあるのだと認めることからはじめましょう。
あなたにとっての幸せとは
あなたは自分が楽しい、好き、平穏でいられる、心が満たされることを知っていますか? どんなことをするとそういう気持ちになるのかを書き出してみましょう。文字にして目で確認すると、これまでぼんやりとしかわからなかったこともはっきり認識できます。これは他人と比べたり、どう思われるかを気にする必要のないあなただけの幸せリストですから、折に触れて見返して、足したり削ったりして最新バージョンにしておいてくださいね。

好きなことや幸せになれることがわからない場合は、自分の気持ちを殺している期間が長かったのかもしれません。そのときは日ごろから自分をよく観察して、嬉しいときには大げさなくらい喜び、楽しいときは心から楽しんで、感覚を磨くことからはじめてください。慣れてくれば、自然に「楽しい」「嬉しい」「幸せ」と感じられるようになります。
どうしてもわからないときは、「やりたくないこと」「避けたいこと」「嫌なこと」の反対を思い浮かべるといいかもしれません。好きなことはわからなくても、「やりたくない」と思うことの方がわかりやすいですね。
何だかもやもやするときや気持ちが沈んでいるとき、物事がうまくいかないときには、幸せリストにあることをやってみれば、リセットされて気持ちが明るくなります。自分がどんな状態で幸せを感じるかを知っておくと、こんな風にも使えますよ。
誰でも幸せになれる方法
幸せは人それぞれといっても、誰でも共通して幸せを感じられる方法があります。それは、意識を向ける方向を「ない」から「ある」に変えること。
例えば、貯金が少ないことに目を向けるのではなく、家族が仲良く暮らせることに目を向けたり、学歴がないことに目を向けるのではなく、今打ち込める仕事があることに目を向けるといった具合です。自分の家は狭くても、平和な日本でガスや電気、水道などのインフラの整った暮らしができることはかなり幸せですね。

これは心の癖なので、これまで「ない」ことや「不足」していることにばかり目を向けていた人は、日ごろから「ある」ことに目を向ける練習をしましょう。ラッシュアワーの通勤が嫌だと思っていても仕事があることは幸せですし、元気で一日過ごせるだけでも幸せです。わたしは心臓発作を起こしたことが何度かあるので、「なくなる」かもしれないことに不安を感じるのではなく、朝無事に目がさめる=命があることだけで幸せだと感じます。
エレナ・ポーターの『少女パレアナ』(アニメの『愛少女ポリアンナ物語』の原作)では、主人公は親をなくして気難しい叔母さんに預けられ、下半身まひになるなど不幸な境遇にいます。そんな中でも彼女は「良いこと」を見つけるのが得意で、自分が楽しくいられるだけでなく、そのお陰で友達もたくさんできます。この主人公は「ある」ことに目を向ける名人といえますね。不幸に見える境遇にあっても、どこに目を向けるかで幸せになれる良い例です。

ここまで読んだあなたはもうおわかりと思いますが、幸せはあなたが決めるもの。どんなときでも、どんなことでも自分が幸せと思えばそれが幸せ! 法律に反しない限り、世間の常識と違っていても、他人と比べなくてもいいんです。
もうひとつのポイントは、幸せのハードルをなるべく低くすること。わたしの幸せのハードルはとても低くて、美味しいものを食べたり、暖かい湯舟につかったり、昼寝をしたり、青空を見るたびに「幸せ」と感じます。特に変わったことがなくても、日常の暮らしの中に幸せな時間はいくらでもあります。あなたも幸せのハードルを下げて、自分なりの幸せな時間をたくさん過ごしてくださいね。

開運幸せトレーナー。
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。認定産土カウンセラー、開運カウンセラー協会会員。英日・日英翻訳家、パッチワークキルト作家。大田亜侑さんの紹介ページは→こちら
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