オレ・ルーティンで勝負する男の人生には、海も山もあるという話

[ じわじわ来る“ゆるヤセ” タフガイの“つよヤセ” ]

『筋トレきらい、運動きらい、食べるの大好き、アイスやめられない。
ラーメンだめ、白米だめ、お酒もダメとか、絶対に無理!
耐えられない!! それでもヤセたいの!!』

ダイエットが上手くいかない人たちの本音はこんなところだと思う。
「馬鹿言ってるんじゃありませんよwww」と草生える勢いだけれど、もちろん、私だって同じだ。
だから、好きなものを食べてもヤセられるダイエット・メソッドを作って、まんまと20キロもヤセてしまった。そして、紆余曲折の末、昨年の春にミドルエイジの男性向けダイエット本【ゆるヤセ】を上梓するに至ったのだ。

そんなわけで、ここ、デジタルデンでは本では書ききれなかったエピソードや、その後の話など、番外編のようなことを書いていきたいと思う。そしてとっておきの新しいメソッドのことも。

ところで、女性の私が作ったメソッドが、男性向けの本になったのには訳がある。

(ダイエットの話でも、油断していると飯テロは起こる)

図らずも、迷える男たちが集ってしまった件

このメソッドを本にまとめる前に、実際、どのくらいの効果があり、どのような感触で世の中に受け入れてもらえるのか、客観的なデータを得るためにダイエット・モニターを募集したことがある。
ところがフタを開けてみたら【モニター希望者の75%が男性】という事態になってしまった。

そして

  • 男のダイエットと言えば筋トレ。
  • 筋トレなんか嫌い。
  • 他は食事制限。
  • 我慢したくない。(つまり、冒頭の本音へ)

応募してくれた皆さんが口々に言うことをまとめると、こういう現実が見えてきた。
更には、男性が筋トレ以外のダイエットをしたくとも相談先がほとんどないこと。勤め先の健康診断で引っ掛かり、指導医や保険医の先生に叱られるものの、聞きたくないから聞き流している現実、なども浮き彫りになった。

これはマズイのでは……。
私でなくとも、そう思うだろう。

彼らはヤセ方がわからないから放置していて、もう自分のおなかは見ないことにしていた。それでも心のうちに引っ掛かりがあったからこそ、モニターという大義名分で集ってくれたのだ。だけど、女性の私がうまいことヤセられたからと言って、男性にも当てはまるとは限らない。急ぎ、メソッドを男性向きに組み替えることになった。

こうして内心、ドキドキしながら始まったモニタリングの参加者には、この本を作ってくれた編集者さんもいた。比較的、早い段階で大半のモニターさんの体重がじわり、じわりと減り始めたとき、私同様、彼だって「きた!」とこぶしを握りしめたはずだ。
ちなみに「出版社の編集者」という絵にかいたような不規則生活の中、彼は本が出るころには7キロも8キロもヤセていて、いつの間にかシュッとした人になっていた。78キロから67キロまでヤセた!と小躍りして喜んでくれた人もいた。

くり返すが、アラフォー男性のためのダイエット・メソッドである。日ごろからちゃんと気にしているお嬢さんたちがこれをやったところで、確実にヤセないので本当に注意してほしい。

うちのムーミンだけがヤセない件

さて。そうやってかなり易々と脂肪を落としていくモニターさんたちの中で、ひとり、ヤセては太り、またヤセてと小刻みなリバウンドを繰り返している人物がいた。この、私のフェバリットなラブリーガイは、ちょっとばかりエコヒイキ気味にアドバイスをしているにもかからず、やせたー、もどったー、やせたー、と繰り返すのである。

これには困った。彼はディナーやお酒の席で商談を進めていくことが多く、なおかつ、遊び人なのでおとなしく家にいない。だから普通のサラリーマンよりは体形の管理も難しい。けれど、それにしたってリバウンドの間隔が狭すぎる。

「なぜだ?! なぜ僕/君だけが?!」

結論から言うと、現在、その彼はマイナス10キロを目前に、順調に脂肪をそぎ落としている。
モニター開始から本が発売され、現在まで約2年。幸い、私たちは二人とも、興味が続く限り、あの手この手で目的を達成しようと工夫を続けるタイプだった。
そうはいっても同居の家族ならまだしも、彼と私は東京都を挟んで別々の県に住んでいる。三人称として「彼」と書いているけど「彼氏」ではない。要は友達である。しかも「普通に過ごしていたら太った!」と言ってる本人からの報告だけで、ヤセたー、ふとったーと聞かされても、実際には無自覚なところで何をしてるかわからない。

(スナック菓子と戦って、君が負けた確率はどのくらいだ?)

仕方がないので、共通項として効果があがる方法を手当たり次第に繰り出していく。

「おへその下に100円カイロを貼ってみて」
「水はがぶ飲みしちゃダメなのよ、お湯ね。お湯をゆっくり一日中飲むのよ」
「ごはん、生野菜じゃなくて温かいお野菜にしてみて?」
「ねぇ、チューハイ飲みすぎて内臓ひえひえなんじゃない?」
「ごはんはー、ちゃんとたべてーー」

世話の焼ける人である。が、前にも書いたようにフェバリットでラブリーな友達なので、なんとかヤセさせてあげたい。なにがフェバリットかって。要素は山ほどあれど、ダイエット絡みでいえば、どうしても体形の話になってしまうだろう。
……筋肉質なムーミンにKinki kidsの剛君のお顔が乗ってる感じを想像してほしい。このラブリーなぽにょん感、ゆるキャラっぽい愛しさを共有できるのは女性だけだと思うけど(笑)。

とにかく、いわゆる「うちのムーミンぽい子」がヤセないので、聞かれるままに一生懸命、答えて一年半ぐらいが過ぎただろうか。ある時期から、ぱったり質問が途絶えた。
その頃にはあまりにもヤセないので「もしかして、そんな生活なのに維持してるだけで儲けもの?」という疑惑すら出ていたのだ。

その彼が「やせたー、今度は大丈夫ーー」と言い出してから二か月、三か月。
なんと。リバウンドしない。そんなことは今までなかった(笑)。
いわく「ゆるヤセを元に、自分にとって一番合うパターン、みつけたー」

『まじでw』と。草はえる。再び、である。

よくよく聞けば、ゆるヤセだけでは彼のギャッツビーみたいな生活は御しきれていないと思えたので、少し強くしたという。

「つよヤセ?」
「うん」

というわけで、タフガイ考案のニュー・メソッド【つよヤセ】で攻めるルートが生まれたので、【ゆるヤセ】のノウハウと比較しながら解説していきたいと思う。

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