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生き甲斐をもたらすライフワークの見つけ方〜芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチと映画監督クリストファー・ノーランの意外な共通点 後編〜

[ 天才ダ・ヴィンチに学ぶ人生の極意 ]

ダ・ヴィンチ研究家の桜川Daヴィんちです。前回の記事では、芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチと映画監督クリストファー・ノーランの共通点である「多文化の影響」が、人生や創作プロセスに影響を与えているという内容についてお伝えしていました。

前編記事

今回の記事では、2人の奇才に共通するより深い世界の見方を考察していきます。

「絵画は学問である」と語るダ・ヴィンチは、15枚しか描かなかった

ノーランは映画について、「現実、芸術、科学、超自然が神秘的な魅力で結びついたもの」

と語っています(※出典 『ノーラン・ヴァリエーションズ クリストファー・ノーランの映画術』 (玄光社))。

まさに映画は「総合芸術」であると意味しているのです。

一方、ダ・ヴィンチが考える絵画も、単なる美しいシーンを描いたものではなく、人体を正確に描くための解剖学の知識、人物を立体的に描くための光と影の研究や遠近法、自然をリアルに描くための地質学や植物学、水の流体力学などの知識が総動員されています。

つまり、絵画はアートにとどまらず、学問であると主張しています。あらゆる思考の集大成が「1枚の絵」という形になっているのですが、本当に大衆を感動させる素晴らしいものを作りあげるには、多面的なアプローチが必要になるということです。

そのため、偉大な作品が出来上がるまでには、長期的な時間を要します。

俳優の渡辺謙さんも出演しているノーランの映画『インセプション』は、人の夢の中に入り込むという面白い発想の作品ですが、構想からなんと20年という歳月を経て形になったといいます。

ダ・ヴィンチは生涯に残した真筆と認められる絵画は15枚程度と、完成した作品数が少ないことで知られています。芸術家のピカソは生涯に1885枚の絵画を残したそうなので、100倍以上の差があります。ピカソが速く描けたのは抽象画だからということもありますが、ダ・ヴィンチ絵画には深く吟味した思考が封印されているため、1枚1枚に時間がかかったのでしょう。

『最後の晩餐』は4年、『モナリザ』は10年以上かかった

たとえば、世界的に有名な『最後の晩餐』は、ダ・ヴィンチが40歳過ぎに取り組む壁画ですが、完成まで4年の歳月を費やしています。絵の描き方も報告されていて、それが一風変わっているのです。

没頭して寝食を忘れて描き続ける日もあれば、腕組みをして絵の前でひたすら考え続けている日もある。制作場に入ってきて一筆入れたかと思うと、出て行ってどこかに消えてしまうことも。非常に緩急あるペースなのですが、ダ・ヴィンチが納得いくまで仕上げていたということがわかります。

あの『モナ・リザ』も、死ぬまでダ・ヴィンチが手を加え続けたと言われているので、10年以上向き合っている計算になります。ノーランとダ・ヴィンチ、2人の創作者は共通して妥協を排し、自分の思い描く理想を実現することをライフワークとしたのです。

スピードか、それともクオリティか?

『孫子』に、「巧遅(こうち)は拙速(せっそく)にしかず」という言葉があります。この意味は、「いくら上手でも遅いよりは、たとえ下手でも速いほうがよいということ」という意味です。

職場でのオフィスワークは、ミスをしてはいけない緻密な仕事もありますが、内容によっては、完成度の高さよりも方向性の確認を優先したい場合があります。

完成度がたとえ50%で、まだ提出できる状態ではないと感じられても、まずは相手に見てもらったほうが進捗を伝えられるので、安心させることができます。せっかく完成度高く仕上げても、方向性が違っていれば一から作り直しです。そのため、巧遅より拙速を心がけ、その中でもできる範囲で精度を高める努力をするのが良いでしょう。

お客様ありきの納期がある仕事だと、どうしてもスピードを求められます。時には80%いけば上等という程度で納品となる場合もあるかもしれません。

一方、生涯かけて自分が取り組むライフワークは、スピードを重視するのではなく、いかに自分自身を納得させられるかが勝負です。ノーランやダ・ヴィンチのように、多面的に物事を考え、長期熟成してこそ、人に感動を与えるアウトプットになりえます。焦らず試行錯誤を続け、未来を見据えた視野で取り組んでいくべきです。

ちょっとした疑問でも、生涯没頭できるライフワークになる

そもそも、自分にはライフワークがありません、という方もいるでしょう。何年、何十年と取り組めるライフワークは、どうすれば見つけることができるのでしょうか?

その答えは、自分なりの疑問を深掘りしてみることです。

ノーランは言います。

「鏡を見ながら、永遠と考えることがある。左右は逆に映るのに、なぜ上下はそのままなんだろう?」

「世界は見たままで、これ以上でも以下でもないと認めたくないんだ。僕は『この世界には目に映る以上のものがある』ということを広く伝える映画を作っているつもりだ」

※ 出典 『ノーラン・ヴァリエーションズ クリストファー・ノーランの映画術』 (玄光社)

当たり前のように過ぎ去る日常。それは実は当たり前ではなく、特別な何かが潜んでいるのかもしれません。

ダ・ヴィンチもやはり、当たり前に見える現象を疑問視した1人です。「人はなぜあくびをするのか?」「なぜ山の上で化石が見つかるのか?」「地球と人体には相関関係があるのか?」…、自身の疑問を解消すべく、生涯を通して研究ノートを綴りました。ダ・ヴィンチのライフワーク、それは世界の解明そのものだったのです。

私自身もダ・ヴィンチの研究を始めて、10年が経とうとしています。「ダ・ヴィンチの絵には、何か意味深なメッセージが隠されているのではないか?」「なぜ彼は万能の天才になれたのか?」、この2つの疑問を追っているうちに、気がつくとライフワークとなっていました。

ぜひ皆さんも、ふと感じた気になる疑問を深掘りし、楽しみながら一生取り組めるライフワークを見つけてほしいと思います。

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