『モナ・リザ』に学ぶ世界一の引き寄せの法則【前段編】

[ 天才ダ・ヴィンチに学ぶ人生の極意 ]

来場者数が世界一の美術館は?

新型コロナ感染症が、インフルエンザ同様の「5類感染症」へ移行したことに伴い、観光客をはじめ人の移動が増えています。マスクの着用も個人の判断に委ねられ、街中にも人が溢れてきました。

コロナ禍に入ってからは、商業施設や美術館も休業をしたり、人数制限をしていたため、例年より来場者数が減少していました。コロナ禍でも人気があった美術館はどこだったのでしょうか?

英紙アートニュースペーパーは、世界の美術館・博物館の来場者数を発表しており、2021年度のトップは、パリのルーヴル美術館で約282万人。意外にも2位はサンクトペテルブルクにある国立ロシア美術館。3位はモスクワのマルチメディア美術館。ルーヴル美術館に並ぶ巨大美術館であるニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドンの大英博物館の来場者数を凌(しの)いでいます。

この結果は、ロシアが新型コロナの規制を緩和していたためであり、単純に入場者数が人気度を表しているわけではありません。

ルーヴル美術館は、例年来場者数のトップをキープしています。コロナ前は毎年700万人以上の来場者があり、2021年は半分以下になっています。それでも1位となり続けるのは、よほど魅力がある美術館でなければ難しいでしょう。

参考:ARTnewsJapan
https://artnewsjapan.com/article/184

『モナ・リザ』ただ1枚を目がけて

ルーヴル美術館に世界中の人たちが押し寄せるのは、世界最大の美術館の1つであり、名作が集まっているからに他なりません。中でもルーヴルの至宝である名画『モナ・リザ』目当てに来場する人もいます。

私がパーソナリティをしている「ダ・ヴィンチ思考ラジオ」のゲストに、「龍体フトマニ書の会」代表の大坪與七郎(おおつぼよしちろう)さんという方に来て頂いたのですが、ルーヴル美術館に『モナ・リザ』1枚だけを見に行き、他の作品は何も見ずに帰ることを3日続けたと聞いて驚きました。

はるばる有名な美術館に来て、6万600平方メートルの空間に3万5,000点もの展示品があると聞くと、1つでも多く見て帰ろうと思う人が多いのではないでしょうか。私もそんな1人でした。しかし、大坪さんはたくさん見るよりも、気になる作品を深く狭く見て絵と対話する方が得るものが大きいと、自己流の見方を紹介してくれました。

1時間ずっと絵を眺めていると『モナ・リザ』の顔の表情が段々変わってくるように感じられたといいます。さらには、時代を越えてダ・ヴィンチのエネルギーが伝わってくると話されています。ご興味がある方はYouTubeに動画がありますのでご覧ください。

YouTube
『才能を開花させ、チャンスを引き寄せる ダ・ヴィンチ思考ラジオ』2023年4月28日O.A
https://www.youtube.com/watch?v=X3JU-KIZzF4&t=3s

日本に来た『モナ・リザ』の反響

1974年に東京国立博物館で「モナ・リザ展」が開催されると、会期中の48日間に約150万人が足を運びました。これは、企画展単館入場者数の世界記録で、美術館の外まで長蛇の列ができました。あまりの人だかりで『モナ・リザ』の前に立つことが許された時間は平均わずか2秒だったそうです。

当時の内閣総理大臣だった田中角栄首相は、『モナ・リザ』を、「世界の名画中の名画」「フランスの最高の宝」、そして、「世界の恋人」と絶賛し、来日を祝福しています。

つまり、『モナ・リザ』は世界で一番人を引き寄せる絵画だと言っていいでしょう。ではなぜこれほどまでに、『モナ・リザ』は魅力的なのでしょうか。

『モナ・リザ』は保存状態の観点から、現在は国外はおろか、ルーヴル美術館の外にすら出る機会がなくなっています。お目にかかるチャンスがレアということもあったかもしれませんが、それ以上に絵画としての魅力に多くの人が惹かれているのではないでしょうか。

『モナ・リザ』は一体どこがいいのか?

このようなジョークがあります。

世界各国の人たちが乗った豪華客船が沈没寸前です。しかし、乗客の数に比べて、脱出ボートの数は不足しています。船長は、乗客を海に飛び込ませようとして、各国の人を飛び込ませるためにある言葉を放ちました。それは何か? というものです。

アメリカ人 ー 「飛び込めばヒーローになれますよ」
ロシア人  ー 「海にウォッカのビンが流れていますよ」
イタリア人 ー 「海で美女が泳いでいますよ」
フランス人 ー 「決して海には飛び込まないで下さい」
イギリス人 ー 「紳士はこういう時に海に飛び込むものです」
ドイツ人  ー 「規則ですので海に飛び込んでください」
中国人   ー 「おいしい食材(魚)が泳いでますよ」
日本人   ー 「みなさんはもう飛び込みましたよ!!」

各国の国民性を表したジョークですが、日本人は和を重んじる文化があるため、みんながしていることをやりたがる傾向があります。『モナ・リザ』の来日も話題が話題を呼んで、「行列ですごいらしいからとりあえず見に行ってみよう」という軽い動機の人もいたかもしれません。

そこで、次回の記事では、ダ・ヴィンチ研究者の見解を含め、絵画としての『モナ・リザ』の魅力を深堀りし、どのような引き寄せが働いているのかを分析してご紹介したいと思います。

お楽しみに!


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発売2週間で重版。翌年の2020年には、韓国語版も出版される。桜川Daヴィンチさんの紹介ページは→こちら

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