
『モナ・リザ』に学ぶ世界一の引き寄せの法則【パロディ編】
[ 天才ダ・ヴィンチに学ぶ人生の極意 ]
パロディとパクリの違い
世界で最もパロディ作品が生み出されてきた有名な絵画に、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた『モナ・リザ』があります。
ダ・ヴィンチの死後、500年が経過しましたが、未だに世界中で『モナ・リザ』のパロディ作品が生み出されています。今回の記事では、このパロディがきっかけとなり、『モナ・リザ』が大衆を魅了する要因になっていることをご紹介していきます。
それでは、まず、そもそもパロディとは何なのか。言葉の定義を確認しましょう。
パロディと似たような言葉に、同じ「パ」のつくパクリという言葉があります。
皆さんは、この2つの意味について説明ができますか?
こう問いかける私もハッキリと説明ができなかったので、意味を調べてみました。
パロディとパクリは同じような意味なのか、あるいは違いがあるなら、どんな違いがあるのでしょうか。
実用日本語表現辞典によると、
「パロディ」とは、元々の作品や現象を模倣しながら、その特徴を風刺や皮肉を交えて強調することで、新たな表現や意味を生み出す手法である。パロディは、元の作品に敬意を払いながら、その独自性や遊び心を楽しむことが目的であり、視聴者や読者にもその遊び心を共有させる効果がある。例えば、有名な映画の名シーンを再現しながら、登場人物や状況を変えて笑いを誘うコメディ映画などがパロディの一例である。
一方、「パクリ」の方は、
パクリは、他人の作品やアイデアをそのまま無断で使用し、自分のものとして利用することであり、遊び心や独自性が欠けている。
と説明されています。
つまり、
「パロディ」は、元の作品に対して敬意を払ったポジティブな意味合いがあるのに対し、「パクリ」は、元の作品に敬意を払わない自分勝手な手法で、独自性や遊び心にも欠けるという違いがあります。
モチーフに対して敬意を払っているかどうかで、作品のあり方も自ずと変わってくるはずです。

デュシャンの『モナ・リザ』
これまで著名な芸術家たちが、『モナ・リザ』のパロディに挑戦してきました。中でも有名なのものに、マルセル・デュシャンが1919年に発表した『L.H.O.O.Q』があります。
1919年は、ちょうどダ・ヴィンチ没後400年にあたり、デュシャンは『モナ・リザ』の絵葉書を利用し、顔にひげを鉛筆で描き加え独自のタイトルをつけました。

デュシャンといえば、既製品を利用した「レディメイド」と呼ばれる作品が特徴的で、代表作である『泉』というタイトルの便器をアート化した作品があります。この作品は、“そもそもアートとは何なのか?”という疑問を投げかけて価値観の変革を起こし、その後、新たなコンセプトを提示するアートが生まれていきました。
デュシャンの『モナ・リザ』のタイトルである、『L.H.O.O.Q』は、フランス語で「エラショオキュ」と発音し、その意味は、性的に興奮しているという意味合いの「彼女のお尻は熱い」。
デュシャンは、ひげを描き加えることで『モナ・リザ』を男性化しているわけですが、“性の転換”をテーマとした作品であり、昨今注目されるLGBTにも近い意味合いがあったのかもしれません。
デュシャンはその後、『髭を剃ったL.H.O.O.Q』を発表します。この作品は『モナ・リザ』が印刷されたトランプカードを利用したものであり、絵自体には何も手が加えられておらず『モナ・リザ』そのものです。
異なるのは、『モナ・リザ』と『髭を剃ったL.H.O.O.Q』というタイトルだけであり、『L.H.O.O.Q』の作品の後だから成立する作品です。
ここまでくると、作者はダ・ヴィンチなのか、デュシャンなのか、よくわからなくなってきますが、元々有名な絵画である『モナ・リザ』をベースにしたからこそ話題になった作品といえます。

太った『モナ・リザ』
『モナ・リザ』のその他のパロディ作品として有名なものに、コロンビアの画家フェルナンド・ボテロが描いた太った『モナ・リザ』があります。
ボテロは3枚の『モナ・リザ』を描いています。



ぽっちゃり好きな方には、こちらの方が愛着がわくかもしれませんが、形を変形させてデフォルメ化するのもパロディをする手法の1つです。
以前私はボテロ展に行った際、記事としてまとめましたので、今回は詳細は割愛いたします。ご興味ある方はこちらの内容をご覧下さい。
ボテロ展が伝える“ふくよかな魔法”の秘密
https://digi-den.net/sakuragawa-davinci/category-psychology/2022/10/17/12491/
バンクシーの『モナ・リザ』
街中の壁などに絵を描き、美術館に無許可で自分の作品を展示する振る舞いで、“アートテロリスト”と呼ばれる芸術家、バンクシー。
バンクシーは2004年に、ルーヴル美術館に自身が描いた『モナ・リザ』を持ち込み、こっそりと展示することに成功します。顔がスマイリーになっているこちらの作品です。

2006年のサザビーズのオークションで、約780万円で落札されています。
バンクシーは他にもバズーカをかつぐ『モナ・リザ』を描いていますが、武器と『モナ・リザ』という意外な組み合わせで世間の注目を集めました。
このように、数々のパロディが生み出され続けることで、『モナ・リザ』そのものの認知度も上がり、多くの人を魅了するきっかけとなっています。
絵画のパロディとは少し異なりますが、サンリオのキャラクターのハロー・キティも、他のキャラクターと積極的にコラボ展開をしており、お店などでご覧になった方も多いと思います。
東京都美術館では、名画とのコラボで、『モナ・リザ』と掛け合わせたハロー・キティのグッズも販売されています。
参考URL:
https://hmm.tobi-museumshop.com/items/62994988
パロディ、コラボをうまく活用することが、存在をアピールすることにつながります。ぜひあなたもパロディに挑戦してみてはいかがでしょうか。

『超訳ダ・ヴィンチ・ノート』(飛鳥新社)を出版し、
発売2週間で重版。翌年の2020年には、韓国語版も出版される。桜川Daヴィンチさんの紹介ページは→こちら
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