ダ・ヴィンチから学んだ人生を好転させる2つの秘訣

[ 天才ダ・ヴィンチに学ぶ人生の極意 ]

レオナルド・ダ・ヴィンチという人

2021年3月より、デジタルデンで記事を週1で書かせて頂く機会に恵まれ、今回でちょうど120回目となり最終回を迎えました。

レオナルド・ダ・ヴィンチから学べることを起点に、さまざまな記事を書かせて頂きましたが、私自身も発見の毎日で、大変ありがたいご縁でした。最後にお伝えしたいことを書きたいと思います。

ダ・ヴィンチ研究者として、改めてレオナルド・ダ・ヴィンチという人物を振り返ってみますと、イタリアの画家で美術史家のジョルジョ・ヴァザーリが『芸術家列伝』の中で「真に驚嘆すべき神々しい人」と形容した人間離れした才人である一方、日々を真剣に、そして楽しく送ろうとする一人の人間であったのではないかと感じます。

持って生まれた才能は一人ひとり異なり千差万別です。

時には、誰かの卓越した才能に憧れて羨ましく思うこともありますが、大切なことは、自分自身に向き合い、自分にできることは何なのかを突き詰めることです。そして、できそうなことから臆せず行動に移し、失敗から学んでより良い方法を模索しながら完成度を高めていくことが重要です。

万能の天才と言われるダ・ヴィンチの人生は、未知への挑戦と絶え間ない改善を繰り返した軌跡であり、自分の素質をフルに発揮しようとした努力で彩られています。

自分の才能を見極めて努力をすること。シンプルですが成功者がみんなしていることです。

才能があっても努力をしなければ報われませんし、ひたすら才能のないことをどれだけ頑張ってもやはりその努力は報われません。才能と努力の両立、そして、あともう一つ大切なことがあります。

才能+努力+α

才能と努力に加えて、成功するために必要なこと。

それは、逆境がやってきても折れずに継続できるメンタルの強さ。

人生は平坦な道ばかりではなく、山あり谷ありのジグザグロードです。思うような結果が得られなかった時、思わぬ突然のアクシデントに見舞われた時、人はショックを受けます。その時にどのような心がけで受け止め、次のアクションにつなげていかれるかが肝心です。

世間のニュースを見ていると、あらぬ誹謗中傷で過度に傷つき、命をたってしまう人もいます。

レオナルド・ダ・ヴィンチも、自分が苦しみに直面していることや、うまくいかない自分を大バカ者であると、自己肯定感が下がるようなこともノートに書き残していました。それでも、歩みを止めず、自己を革新させていったダ・ヴィンチにはやはり強さがあったのだと思います。

ではダ・ヴィンチは、どのようにメンタルを保っていたのかというと、一つは、他人よりも自分が優れているポイントを自覚することにありました。

何か失敗したり、非難されたとしても、自分という存在の全部が悪いということではありません。あるがままの素晴らしさを認め、自分の尊厳を高めていく力を、私は“自尊力”と呼んでいますが、ダ・ヴィンチは意識的に心を高められるように訓練していました。相手よりも自分が優れている点を具体的にノートに書き出し、それを人生の指針にしていたのです。

ユーモアの大切さ

ダ・ヴィンチには、後ろ盾となるパトロンが何人もいました。パトロンとパトロンの間でもめるほど、引っ張りだこの存在でした。もちろん才能があったからこそですが、世渡り上手な一面もあったようです。

良好な対人関係を築く上で、ダ・ヴィンチが意識的に習慣にしていたことに“ユーモア”があります。

たとえば、ダ・ヴィンチが大作『最後の晩餐』を教会の壁に描いていた頃、なかなか仕上がらないので、修道院長がそのスピードの遅さに何度も苦情を申し立てたという逸話があります。

ダ・ヴィンチは特に裏切り者のユダの顔をどう描くか、どこかにいいモデルがいないかと思案していたのですが、パトロンである公爵に向かって「どうしてもうまく見つからない場合には、あのしつこくて無遠慮な修道院長の顔も使えないわけではない」と言い、それを聞いた公爵は大笑いをしました。

裏切り者のユダとして描かれると困ってしまう修道院長は、それ以来、ダ・ヴィンチに催促することをやめたと伝えられています。

このようなユーモアセンスで、批判も乗り切っていったのがダ・ヴィンチでした。心の余裕がないとなかなかユーモアを言うことはできないかもしれませんが、逆境の時こそユーモアが真価を発揮することがあります。

対象を味わう

ダ・ヴィンチが日ごろ心がけていた習慣があります。それは、“対象を味わう”ということです。対象を味わうには、まずその対象がこの世界に存在していることを知り、自分の眼でしっかりと見て感じる必要があります。

ダ・ヴィンチは、五感の中でも視覚の素晴らしさを次のように力説しています。

「さあ、まだ君は分からないのか、眼は全世界の美を抱き締めていることを。

眼は天文学の指導者であり、眼は世界地図を作成し、眼は人間のあらゆる学芸に助言したり、修正させたりする。眼は人間を世界のさまざまな地域に赴かせる。眼はきわめて確実な科学である数学諸学科の君主である。眼は星の高度と大きさを測定した。眼は四大原素圏を発見した。眼は星の運行を通じて、未来の出来事を予言した。眼は建築学と遠近法を生み、神聖な絵画を生んだ。・・・眼は人体の窓であり、この窓を通じて視力は世界を観察し、世界の美を享受する。この眼のおかげで、霊魂は人体という牢獄の中で満足しているのであり、もしこの眼がなければ、霊魂にとって人体という牢獄は苦痛でしかない」

出典:『絵画の書』 レオナルド・ダ・ヴィンチ

物事を徹底的に観察した科学者ダ・ヴィンチは、世界に存在するさまざまなことに関心を向けて、その原理や謎を解明しようとしたり、美しさに触れて感動していました。

あなたの眼は今、全世界の美を抱き締めていますか?

世界に存在しているものは何か理由があって生み出されているものばかりです。そして、世界にはまだ見ぬ美しい光景があります。それらの対象に気づき、その素晴らしさを味わうこと。

そうすることで、日々に感動と感謝が生まれ、人生は次第に好転していきます。

以上、最後にダ・ヴィンチ研究者の桜川Daヴィんちがお伝えしたいことでした。
また皆さんとどこかでお目にかかれることを楽しみにしています。


『超訳ダ・ヴィンチ・ノート』(飛鳥新社)を出版し、
発売2週間で重版。翌年の2020年には、韓国語版も出版される。桜川Daヴィンチさんの紹介ページは→こちら

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