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非常に細かく設定された鉄道員の時間。その裏側を支える独特すぎる仕組みとは?

[ WEB車掌SEKIDAIの「新たな世界に駆け込み乗車」 ~乗って気付いた異次元な世界!~ ]

ここまで細かい……鉄道員にとっての「時間」とは?

鉄道会社といっても、本当に様々な職種があります。鉄道会社に勤めていた僕でさえも「全ての職種を今すぐここで言いなさい」と言われたら答えることはできません。

「鉄道員」と言われて、まず思い浮かぶ運転士や車掌などの乗務員、駅員、保線作業を行う保線係員の他にも、非常に多岐にわたる職種があります。1つの会社の中に、50人規模の会社が数百存在すると考えてみてもらえればイメージしやすいかもしれませんね。

様々なイベントを企画する部門はもちろん、新しく線路を敷く場合にその土地の保有者と交渉する部門など、世間的にあまり知られていない部門がたくさんあるのです。

今回は、そんな鉄道員の「時間」についてお話ししていきますので、これから鉄道員を目指す人、鉄道ファンでもっと深くまで知りたいという人は、是非最後まで読んでいってくださいね。

もしあなたが鉄道に興味があったとしても、このような鉄道員の裏側を知る機会は滅多にありません。

日本の鉄道は秒単位で運行していることをご存じの方も多いと思いますが、鉄道で働く人、すなわち鉄道員はどのような時間で動いているのかを知ってもらえたらと思います。

あまり知られていない「更衣時間」

鉄道員の勤務形態は、乗務員やメンテナンス係員などによって全く異なります。

乗務員は毎回、分単位で出勤時間が異なるのは想像できるでしょう。例えば、今日は15:43出勤だったけど、次回は8:57出勤というような形です。電車は分単位で動いていますから、出勤時間も担当する電車の何分前などと決まっているのですね。

それに対して、保線や電力などのメンテナンス関係の職場は毎日8:35出勤、16:55退勤というように決まっています。これは毎日変わることはありません。「えっ? でもさあ、8:35とか16:55って中途半端じゃない? いつも8:30とかって決まってないの?」と感じた方は鋭いですね。

これは「更衣時間」と呼ばれている時間が関係することが理由。実は鉄道会社はスーツで出勤したら制服に着替えなくてはいけません。運転士や車掌は皆さんも駅でよく見かける“あの”制服ですね。メンテナンス社員の制服ももちろん定められています。その制服に着替えるための5分をとってあるのです。

具体的に言いますと、8:30に出勤して、制服に着替えて8:35から仕事を開始します。また、退勤時は16:55にチャイムが鳴り実業務を終了し、5分で着替えて17:00に職場を出るというイメージです。

本社でデスクワークのようにスーツでそのまま仕事をする場合は、この5分はありません。着替える必要がないので「更衣時間」を設ける必要がないからです。

鉄道員の寝室を暴露!? 鉄道員のベッド事情はいかに?

「ベッド事情」と聞くと、少しいやらしく感じるかもしれませんが、実はこれが「日本の鉄道の安全を守っている」と言っても過言ではないくらい大事なことです。

鉄道の安全運行のためには、質の良い睡眠が必要不可欠。そのために、寝室にもしっかりとした設備が整っています。

皆さんも気になるのが、「どのようにして起きるのか?」というところでしょう。まず、保線のようなメンテナンスの職場の寝室には、時間になるとチャイムが鳴るようになっています。先ほど少しお話ししたように、メンテナンス関係は、出張などのイレギュラーな場合を除き、出勤時間がほぼ全員同じだからです。

夜間作業の場合、最終電車が走り終わり、始発電車が走り始める前までに作業を終わらせなくてはなりません。そのため、ほとんどが現場に出る仕事です。

基本的に夜間作業は、日勤が終わった後に数時間の休憩をとってそのまま行います。昼間休んで夜間だけ出てくるということはありません。そのため、日勤が終わった後、食事を摂ったり、仮眠をしたりするわけですね。

メンテナンス系の職場の仮眠室には、たくさんのベッドが並んでいます。ではどのようにして起きるのかといいますと、勤務開始時間の30分前に寝室内に大きなチャイム音が流れるのです。現場に出る際は基本的に複数人のパーティーで出ますから、同じ時間にチャイムが鳴っても問題はありません。

一方、乗務員はどうでしょう。乗務員は基本的には運転士も車掌も1人ずつ乗務します。1本1本電車は発車時刻が異なるわけですから、当然就寝時間も起床時間も異なります。

例えば、前日の最終電車担当の乗務員が夜中の3:00に寝室に入ったのにもかかわらず、翌日の始発列車の担当の乗務員が3:30に起床するために寝室のチャイムが鳴ってしまったら、最終電車を担当してきた乗務員はたまったものではありません。30分以内にたたき起こされるわけですから。

そのために、ベッドの下にエアバッグが装備されているのです。これは、音で起きるのではなく、空気で起きる目覚まし時計です。時間になると、頭から背中部分が自動で膨らんで嫌でも身体が起き上がります。しかもこれが、膨らんだり縮んだりを繰り返すので、その不快さから目が覚めるようになっています。

僕の場合は、かなり音に敏感なので時間になった瞬間にエアーを送る機械のモーター音で目が覚めていました(笑)。

鉄道員は家でも就寝時には気を遣うのか?

鉄道員は、職場の仮眠室ではものすごく神経質になっていることがお分かりいただけたかと思います。では、自宅ではどのように寝ているのでしょうか?

次の日が休みであれば、パートナーやお子さんと一緒に寝ている人もいますが、朝早い出勤時間だったり、夜勤明けで帰ってきて少し休んだりすることがあるので、寝室を分けている人も多いです。

新婚ホヤホヤの人は少し寂しいかもしれませんが、真夜中に目覚まし時計が鳴って起こさないようにという配慮でもあります。次の日が休みのときは、同じ寝室でゆっくりと過ごしてくださいね。

では引き続き鉄道の裏側についてお話ししていきますので、来週またお会いいたしましょう!
では、また♪


関大地

「2007年にJR東日本の車掌となる。車掌による英語での車内アナウンスがなかった当時、独学で英語を学び、車内英語アナウンスを決行。すぐに動画サイトやSNS上で話題になり「英語車掌」と呼ばれるようになる。2019年に退社し、鉄道、英語にかかわる事業を立ち上げ活動中。
関大地さんの紹介ページは→こちら


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