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何を考えている? そのときの乗務員の気持ちとは?

[ WEB車掌SEKIDAIの「新たな世界に駆け込み乗車」 ~乗って気付いた異次元な世界!~ ]

よく聞かれる「鉄道マニアへの対応方法」

電車の乗務員は日々安全運行を意識して、より良いサービスを行うよう心がけています。駅や電車内で困った人がいれば、ご要望を聞いてその乗客にとって最高の手段をお伝えします。
乗客の気持ちを先取りしたサービスができれば良いのですが、やはり全てのご要望に応えるのは難しいこともあります。
今回、その中でも僕がお伝えしたいことが「鉄道マニアへの対応」です。これから鉄道員になる人や、鉄道マニアの人など全ての人に聞いていただきたいです。
僕が車掌として11年半乗務していた間に、様々な鉄道マニアに出会ってきました。先にお伝えしておきますが、僕は鉄道マニアを毛嫌いしているといったようなことは一切ありません。

よく様々なSNSのライブなどでも「鉄道マニアについてどう思いますか?」という質問をされますが、そのときも必ず答えるのが、「何も思いません」ということです。これは嘘でも何でもなくて、本当に何も思っていないのです。
ホームの端で写真を撮っていても、発車メロディーを録音していても、電車に乗って乗務員室の前でずっと貼りつくように車掌の動作を見ていようとも、僕は普段と何も変わりませんでした。むしろ僕は丁寧に接することの方が多かったです。
「なぜ、そんなに優しいのですか?」と質問も受けますので、今日はその理由について細かくお話ししていきましょう。

車掌が受ける「鉄道マニアからのご要望」

車掌になると、鉄道マニアから様々なご要望をもらいます。その中でも一番多かったことをご紹介します。
それは、「発車メロディーをフルコーラスで鳴らしてほしい」ということです。「発車メロディー」とは、乗客に発車を知らせるメロディーです。このメロディーが流れない駅では車掌が手笛などで対応します。

高崎線は、駅ごとに様々な発車メロディーがあります。駅ごとにそのメロディーが違うので、車掌として乗務しているときも楽しいです。
そのような路線ですから、趣味でその発車メロディーを録音して楽しむ人もかなりいます。実際に収音マイクを持ち、スピーカーのところで構えている姿はものすごく真剣です。
ときには、車掌のほうを睨み付けるように見てくる人もいます。僕はそれを「しっかりと鳴らせよ」という圧力のように感じていました(笑)。
中にはご丁寧に「すみません、1.1コーラス鳴らしてもらえますか?」と伝えに来てくれる人もいます。僕も人間なので、ここまで丁寧に言われれば、電車が遅れていない限りは対応していました。
はじめは「1.1コーラス?」と感じましたが、説明を聞くと、この1.1コーラスとは、発車メロディーを1コーラス全部鳴らし、2巡目に入ってからすぐにメロディーを止めてほしいということです。1コーラス+数秒なので1.1コーラスなんですね。
この1.1コーラスが、なぜ良いのかという理由は未だに僕にはわかりません(笑)。1.1コーラス流せば、完璧に1コーラス入っているということなのでしょうか?どなたか、わかる人は教えてください(笑)。

僕が鉄道マニアに真摯に対応する理由とは?

僕はよく「なぜ鉄道マニアに真摯に対応するの?」と聞かれていましたが、その理由をここで明らかにしたいと思います。
今回の「発車メロディーで1.1コーラス鳴らす」という件に関して言うと、「そこに関わる全ての人にメリットがあるから」です。
例えば、サービス業としてこんなことはありませんが、仮に「意地悪して、一番メロディーの盛り上がる部分で切ってやろう」と考えて、僕がメロディーの途中でブチンッと切ったとします(笑)。
その行為をしたところで、誰が得をするのでしょうか? 僕はその鉄道マニアから恨まれるでしょうし、そのマニアもそのメロディーを録音するために来ているわけですから、満足いくまでその場所に居座るであろうことは容易に想像できます。また、1本後の電車の車掌にも同じお願いをしに来るでしょう。
他にも、その場所付近には他の乗客もいることがありますから、できるなら1回で録音に成功してもらいたいわけです。僕がしっかり対応すれば、そこに関わる全ての人が幸せなのです。

そうはいっても、やはりマナーやルールを守っていただけないときには、真摯に対応させていただきます。実際に、珍しい車両が走る日に、とある駅のホーム端にたくさんの鉄道マニアがカメラを持って集まっていました。
僕は発車メロディーを鳴らしに行こうとしたのですが、人が多すぎて、その発車ベルのスイッチのある場所までたどり着けなかったのです。そのときは、丁寧にお声がけさせていただき、発車ベルスイッチの前を開けてもらいました。
業務に支障をきたす際には、もちろんこのようにお話しさせていただかなくてはなりません。そのときも、「メロディーが鳴らせないから通路を開けてもらう」という以外の感情は特に持ちません。その人たちは本当に電車が好きなのですから。

その人の好きなことは最大限尊重する

突然ですが、僕はサッカーが大好きです。もし世界のスーパープレイヤーが目の前に現れたとしたら、それはもう興奮の嵐でしょう。カメラで写真に収めたいですし、できる事ならサインや握手などもさせてもらいたいです。あなたもそうではないでしょうか?

鉄道マニアの人は、その好きなことが「鉄道」だということなのです。本当に真剣なのです。その真剣に愛していることを侮辱されたりしたら誰でも頭に来ます。これを理解せずに対応すると、思いがけないトラブルに発展してしまうのです。
昔から様々なSNSで「鉄道マニア=悪」のような光景がよくみられます。悪いところは目につくものなのですが、僕は双方の気持ちがよくわかりますので、このような問題の架け橋的な存在になって、この状況が改善できたら良いと思っています。これから鉄道員になる人も鉄道マニアの人も、この記事を読んでいただいた全ての人に何かを感じてもらい、皆さんが笑顔になれるような世の中にしていきたいです。
そのために、今後も鉄道の裏側についてお話しさせていただきたいと思います。
では、また♪

「2007年にJR東日本の車掌となる。車掌による英語での車内アナウンスがなかった当時、独学で英語を学び、車内英語アナウンスを決行。すぐに動画サイトやSNS上で話題になり「英語車掌」と呼ばれるようになる。2019年に退社し、鉄道、英語にかかわる事業を立ち上げ活動中。
関大地さんの紹介ページは→こちら

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