
万が一、財布を落としてしまっときに役立つ知識
[ WEB車掌SEKIDAIの「新たな世界に駆け込み乗車」 ~乗って気付いた異次元な世界!~ ]
あなたは 財布とパスケース 2つ持ちのタイプ?
最近ではICカードが使える飲食店も増えてきて、極端な話、現金を持ち歩かなくても良い時代になってきました。今回の内容は、このような時代だからこそ覚えておいてもらいたいことです。
あなたは鉄道を利用して目的地に着いたとき、財布がないことに気付いて冷汗をかいたことはありませんか?
財布が、いつもある場所にないと気付いたときの焦りは、尋常ではありませんよね。「どこかで落としたのか?」「もしかして、列車内でスリにあったのか?」など様々なことが脳裏をよぎり、とても冷静ではいられません。それだけではなく、クレジットカード会社や銀行に連絡して、使用停止の依頼をしたり、免許証の再発行手続きなど、やらなくてはならないことが盛りだくさんです。
最近は、クレジットカードにICカード機能が付いているものも普及してきて、切符を購入する人は以前に比べると減ってはいますが、これが理由で逆に、財布を落として一緒にICカードも無くしてしまう人も非常に増えているのです。

僕自身はそのような観点から、財布とパスケースは基本的に分けています。もし大事なものを全て財布に入れておいて無くしてしまったら、何もできなくなってしまうからです。
男性であれば、ジーンズのポケットに入れることも多いと思いますので、落とさないようにウォレットチェーンを付けるなど工夫している人もいますね。逆に女性は、ハンドバッグにまとめて入れている人も多いでしょう。いずれにしても、できれば防犯上の観点からも、いくつかに分散して持っておくことをオススメします。
今回は、鉄道利用時に財布を落とし、一文無し状態になってしまった場合の対処法をお伝えしていきます。
財布を落としたことに気付いたら、まず鉄道員に相談!

まず、外出時に財布がないことに気付いた時点の状況で、あなたの取るべき行動は変わります。気付いたのが列車に乗る前なのか、乗った後なのかによっても異なります。列車に乗る前であれば、家や訪れた場所から駅に来る間に通ったルートを探したりするでしょう。
しかし、列車を使って目的地に着き、その時点で財布がないことに気付いた場合はどうでしょうか? 当然ではありますが運賃や料金を支払わなくてはなりません。その時点で財布を無くしたショックと、支払いをどうするのか? という2つの局面を迎えることになるのです。
このような状況に陥ってしまった場合は、どうしたらよいのでしょうか?
これは当たり前のことなのですが、財布を落としてしまった場合、速やかに鉄道員に相談してください。気付いたのが駅であれば駅員に、列車内であれば車掌に相談すれば、親身になって心当たりの場所を無線などで捜索してくれます。早めに相談することができれば、それだけ早く見つかる可能性が上がりますね。万が一、事件性がある場合でも、今では駅のあらゆる場所に防犯カメラも設置されているので、早めの事件解決になる事は間違いありません。
財布がないことに気が付いた時点から「どのような場所を通ってきたのかを、しっかり鉄道員に伝えること」を意識してみてくださいね。
えぇ!!警察がお金を貸してくれるの!?
列車を降りたときに支払いができないことが分かった場合、まず駅員に相談してください。
その時に必ず「近くに、ご家族や友人、親せきなどこの駅まで届けてくれる人はいますか?」というような質問がされます。これは、“身寄りの人がいればその人に運賃を借りてください” という提案です。もしお金を貸してくれる人がいれば、その人に現在いる駅まで来てもらい支払ってもらえれば、改札を出ることができます。

しかし、もし近くにそのような人がいなかったらどうすればよいのでしょうか? 終電で帰ってきたときにこの事象に遭遇したら、連絡もなかなかつかないかもしれませんよね。実はこのようなケースの場合、近くの交番や警察署に行くことになります。
「えっ!?捕まっちゃうの!?」と考えた人も安心してください。捕まるのではなく、警察がお金を貸してくれます。これは『公衆接遇弁償費(こうしゅうせつぐうべんしょうひ)』といって、財布を無くしてしまった人や、盗まれてしまった人のために警察が一時的にお金を貸してくれる制度があるからです。もちろん、貸してもらえる金額の上限はありますが、家に帰ることができれば、段々と心も落ち着いてくるでしょう。
ここで「貸してくれるということは、返しに来なくてはいけないんでしょ?」と思われた人もいるでしょう。もちろん、借りたものですから返さなくてはいけないのですが、借りたところまで列車を使って直接返しに行かなくても大丈夫です。自宅の近くにある交番や警察署に行けば、それで終了です。
お住まいの地域によって貸してくれる金額の条件が異なりますから、インターネットなどを活用して予め調べておくことをオススメします。
緊急事態のときこそ落ち着いた行動を

いかがでしたか? しっかり管理をしていたとしても、少し急いでいたり、気持ちに余裕がないときほど、このような事態になってしまうことはあるでしょう。
トイレに入ったときに、何の気なしにちょっとしたスペースに物を置いてしまい、そのまま出てきてしまった。慌てて乗ったときに荷物が多くて、ベンチの上にハンドバックだけ忘れてきてしまった、ということは誰にでも起こりえる事象なのです。
もし、こんな状況に遭遇してしまった場合は、この記事の内容を思い出して、落ち着いて行動してくださいね。鉄道員も警察も、このような状況のときには親身になって相談に乗ってくれます。困ったときは一人で抱え込まず、まず誰かに相談してくださいね。
これからも鉄道に関わる話をシェアしていきますので、楽しみにしていてください。
では、また♪

「2007年にJR東日本の車掌となる。車掌による英語での車内アナウンスがなかった当時、独学で英語を学び、車内英語アナウンスを決行。すぐに動画サイトやSNS上で話題になり「英語車掌」と呼ばれるようになる。2019年に退社し、鉄道、英語にかかわる事業を立ち上げ活動中。
関大地さんの紹介ページは→こちら
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