
えっ!? これを知っておくだけで数百円お得!?
[ WEB車掌SEKIDAIの「新たな世界に駆け込み乗車」 ~乗って気付いた異次元な世界!~ ]
不必要になったICカードを払いもどしする前に・・・
ライフスタイルに変化が訪れると、不要になったものを思い切って処分したり、リサイクルショップに持って行って必要な人に使ってもらったりと、身辺整理をしますよね? こうすることによって、気持ちも新たに次のステップに進んでいくことができ、やる気も自然と湧いてきます。

これは鉄道においても同じです。あなたも「社会人になるから通学定期券が要らなくなった」、「モバイル決済機能を使うからカードタイプのものは要らなくなった」とICカードを手放すときが訪れるでしょう。中には無記名式のICカードを子どもや家族にプレゼントする人もいたり、記念に持っておく人もいますね。しかし、定期券など記名式のものは、その本人しか使用ができないという条件があります。また、そもそもコレクターでもない限り保管しておいても何もなりません。
では、払いもどしをするとどうでしょう? 忘れがちなのですが、あなたはICカードをつくった際に、“デポジット料” を支払っています。その500円も戻ってきますから、結局は「払いもどしをした方がいいよね」と落ち着く人の方が多いのです。
さて、不要になったICカードを払いもどすために駅に行くとき、注意すべき点はあるのでしょうか?
実はあるんですよね。これを知っておくだけで、2回窓口に並ぶ必要がなくなりますし、数百円損することもなくなります。是非最後まで読んでいただけたらと思います。
ICカードの払いもどしについて理解する

ICカードだけでなく、払いもどし手数料がかかるものがありますよね。「そのくらいオマケしてよ」と感じる人もいると思いますが、こればかりは決まりですので仕方ありません。ちなみにJR東日本の場合、Suicaカードを返却する際には、入金(チャージ)残額から手数料の220円を差し引いた金額に、Suicaカードをつくった際に預けたお金(デポジット料の500円)を加えて返却されます。
実際のチャージ残額の払い戻しの例ですが、
払い戻し額=カード内の残高-手数料(220円)+デポジット料(500円)
となります。具体的にいいますと、残額が1,000円残っていたとしたら、手数料の220円が引かれ780円と、デポジット料の500円が加わり、1,280円が戻ってくることになるのです。
さて、この公式を見て何か気づきましたか? 気づいた人は鋭いです。そうです、「カード内の残高が219円以下だったらどうなるの?」という問題が出てきますよね。
ここで少しだけ考えてみてください。もし、残高が219円だったらどうなると思いますか?
答えは、残高が219円以下の場合は、残高が全て差し引かれて返却となります。すなわち、残高が219円であっても1円であっても全て手数料として引かれて、デポジット料の500円のみ返ってくるということなのです。だったら、この数百円も無駄にはしたくありませんよね。
これであなたも、返却する日の行動が変わってきますよね。
たとえ数百円でもお得に使うためには?
ICカードやクレジットカードは数字のマジックが働きやすいです。結局その場では現金を取り扱っていないので、「別にいいや」という気持ちになりやすいのです。いくら数百円だからといっても、そのお金はあなたのものです。220円あればドリンクを買ってもお釣りが来ますから無駄にはできませんよね。
そう、このような場合の最適な方法は、ICカードの払いもどしをする前にチャージ残高を0にしておくということです。1円であろうがカードの中に残高がある場合は払いもどし手数料がかかる。ということは裏を返せば、残高が無ければ払いもどし手数料もかからないということなのです。僕もこれは「日本語の意味っておもしろいな」と感じましたが、払いもどしする残高がないということですから、それにかかる手数料は発生しないということなんですよね(笑)。

そのために、駅で払いもどしをする際には、コンビニやスーパーマーケットなどICカードを使える場所で全額使い切ってから駅に行くようにしましょう。
もちろん、払いもどしを行う際にこの内容を駅員から説明はされますが、「せっかく窓口に並んだし、これからまた買い物してもう一回窓口の列に並び直す手間を考えたら・・・」と、そのまま220円を支払う人が非常に多いです。
また、コンビニなどでICカードの残高を使い切る際には、必ず現金を用意しておいてください。異なるICカードやクレジットカードなどの併用ができません。つまり、220円ICカードの残高があって240円のお会計をする際には、現金で差額の20円を支払わなくてはならないということです。
面倒だと感じても、払いもどす際の1回きりの手間ですから、220円も大切に使っていただけたらと思います。
灯台下暗しは至る所にある

このように些細なことではありますが、知っておくだけでお得になる事もあります。よく「隣町のスーパーのほうが、商品が1円安いから買いに行く」と言って、ガソリン代や手間が余計にかかったという漫画の描写を見掛けますが、僕はこれも同じだと考えています。事前に知っていれば、使い切ってから窓口に並びますが、窓口で初めて知った時は時間や手間を考えて、並び直すほうがもったいないと感じます。
予め知っておけば計画的に行動できますね。僕が子どもの頃、祖母から「知識は頭の中に入れておけば良いだけだから、重たくなることはない。だからできるだけ身に付けなさい」と言われたことがあります。そのため今回の記事がタメになった、おもしろかったと感じた人は、頭の片隅に入れておいてくださればもちろんのこと、他の人にもシェアしていただけると嬉しいです。
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では、また♪

「2007年にJR東日本の車掌となる。車掌による英語での車内アナウンスがなかった当時、独学で英語を学び、車内英語アナウンスを決行。すぐに動画サイトやSNS上で話題になり「英語車掌」と呼ばれるようになる。2019年に退社し、鉄道、英語にかかわる事業を立ち上げ活動中。
関大地さんの紹介ページは→こちら
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